無邪気な悪魔におもちゃが8つ

1974年 アメリカ映画

【監督】 ショーン・マグレガー
【音楽】 ウィリアム・ルーズ

【出演】 ソレル・ブレーク、ジーン・エヴァンズ、レイフ・ギャレット

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

あの名作『ザ・チャイルド』(1975年)に先駆けて公開された、
無邪気な子供たち大活躍ビックリマークの、メルヘン・ホラー?

「恐るべき子供たち」もののカルト・クラシックキラキラ

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

雪山で、スクール・バスの転倒事故が起こる。

運転手は死亡したが、5人の幼い子供たちは無事だった。

子供たちは運転手の死体から金目の物を奪い取ると、
何事もなかったかのようにその場を立ち去った。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ
無邪気KIDSべーっだ!

5人の子供たちの正体は、
精神病院に収容されていた患者たちだった。

子供たちは、別の病院へ護送される最中だったのだ。

子供たちは雪山を歩きつづけ、ある山荘にたどりついた。

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雪山の別荘には、休暇をすごす三組の中年夫婦と、
その使用人が滞在していた。

かわいそうな子供たちに同情した大人たちのはからいで、
子供たちは別荘に迎えいれられる。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

しかし、精神病院の医師が子供たちを捜しに来た。

精神病院に戻るのがイヤな子供たちは、
よってたかって医師をなぶり殺しにしてしまう。

さらに子供たちは、別荘の電話線を切断。

雪山の別荘は、陸の孤島となった。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

やがて子供たちは、残酷な本性をあらわしてゆく。

大人たちから口うるさく言われると腹を立て、
残酷で無邪気な復讐を開始してゆく。

相手が子供であるがゆえに、
大人たちの油断や慈悲があだとなって、

つぎつぎに大人たちは殺されてゆく。

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しだいに殺戮をゲームとして愉しみはじめる子供たち。

子供じみたトラップに、まんまと引っかかって殺される大人たち。

血で血を洗う殺人ゲームの結末とははてなマークはてなマーク

無邪気な悪魔におもちゃが8つ
別題『丘の上の恐怖の家』

無邪気な子供たちが殺戮をくり広げる映画といえば、
スペイン映画『ザ・チャイルド』(1975年)が有名ですが、

本作はそれに先立つ一年前の公開。

この映画の監督のことは詳細を知りませんが、
これだけ良い映画を監督して、
ほかに代表作が見当たらないのは不思議です。

『カヴァレリア・ルスティカーナ』の作曲家マスカーニや、
『道化師』のレオンカヴァッロみたいなもんでしょうか。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

迫り来る怖さという点ではやはり、
『ザ・チャイルド』のほうが上なのですが、
こちらもこちらで、グッと来るものがありますです。

ブラックユーモアを漂わせるほのぼのとした展開ながら、
やってることはけっこう残酷という、

残酷なおとぎ話のようなメルヘン・タッチの作風が、
なかなか五臓六腑にしみいる恐怖がありますね。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

だいたい、子供がシャレにならない悪戯をする映画って、
けっこう強烈な不快感があるものなんですよね。

人間が生まれ持っている「悪意」とか、
「無知ゆえの残酷さ」とかが神経にピリピリ来て、

やりきれない後味の悪さが残ります。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

特にこの作品は、殺しの手口に子供らしいゲーム感覚を取り入れていて、

人間が本来持っている暴力傾向を見せつけるような、
シニカルな語り口が辛口のブラックユーモアを感じさせます。

好きか嫌いかと問われれば、とても好きな映画であります。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

死体を雪だるまにするとか、
トラップを仕掛けて首吊りにするとか、
奥様が入浴中のバスタブに嬉々としてピラニアを流し込むなど、

子供ならではの無邪気な破壊衝動が描かれていて、
非常に味わい深い映画となっております。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

無邪気でかわいい殺人鬼に対して、
マヌケな犠牲者たちの哀愁にみちた死にざまも、
心にしみるものがありますね。

相手が子供なだけに大人が反撃できないというのは、
『ザ・チャイルド』でもそうでしたが、

『ザ・チャイルド』ではそれが怖さに、
こちらではそれがブラックユーモアに昇華されております。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

無邪気すなわち無知であるがゆえに、
情け容赦のない子供たちと、

中途半端な優しさがあだとなって、
血祭りに上げられてゆく大人たち。

命がけのボケとツッコミの応酬が、
何ともいえないブラックな味わいをかもし出していて、
のんびりした展開ながら、静かにわき上がる恐怖があります。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

やっぱり自分は、最近のようなスピード感のあるホラーよりも、
1960~1970年代のような、のんびりした展開でも、

じわじわと迫り来る怖さのほうが好きですね。

恐怖映画でもオシャレな雰囲気があるのは、
ハーシェル・ゴードン・ルイスの映画にも共通する、
この時代の映画の味であります。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

子供たちのキャラも、それぞれ魅力的です。

スカルピア男爵に迫力のない『トスカ』がつまらないように、
ホラー映画でも殺人鬼のキャラは大事です。

この映画では、子供たちひとりひとりの個性が秀逸で、
観ているうちにいつしか子供たちを応援してしまいます。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ
レイフ・ギャレット

子供たちのひとりに、レイフ・ギャレットが出ていたみたいですね。
僕は馴染みがないんですが、名前は聞いたことがあります。

最近どうしてんのかなと思って調べたら、
今年になって麻薬で逮捕されたらしいです。

不良少年の精神は健在であったか。

無邪気な悪魔におもちゃが8つ

映画の終わりに「THE END」の代わりにTHE END
「THE BEGENINGはてなマーク」と出るなど映画

シャレた演出が光る小粋な傑作。

怖さとは別次元の不思議な感覚が味わえる異色ホラーで、
ステキなトラウマ映画として偏愛している一本です。

夏の暑い晩に、みんなで楽しく観ようねにひひ