インディアン・ドクター * その名にちなんで | 日々の泡々 by Sugar & Son

インディアン・ドクター * その名にちなんで

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きのう、BBCの1960年代特集番組のことを書きましたが、

今日は、その関連番組で、1963の南ウェールズを舞台にしたドラマ

「インディアン・ドクター」について


1960年代のイギリスは、インド、ジャマイカ、香港などから、大量の移民がイギリスに移住した時代です

異国の文化に戸惑いつつ、受け入れることで人々の意識と生活に大きな変化をもたらします


「インディアン・ドクター」も、1963年の南ウェールズの田舎の炭坑町が舞台。

村に一人しかいないお医者さんが亡くなり、新たに村に迎えたドクターが、インドからきた若夫婦。
ロンドンにいくはずだったのが、なぜか片田舎の診療所に赴任となります
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よそ者をほとんど見かけない村の人々は興味津々な反面、こわごわとこの若夫婦と交流をはじめます


旧植民地からの移民を少し差別的にみるような風潮も描かれています
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これは無知から来るもので、大抵は悪気がありません
(日本人にも似たような所がありますね)


若夫婦はインド総督のマウントバッテン卿(エリザベス女王の夫フィリップ殿下のおじいさん)と家族ぐるみのつきあいだったり、母国インドでは相当の名家の出ですが、それを鼻にかけるタイプではありません

でも村の世話役の奥さんは、上昇志向が強いひとで、「インドではどんなに上流階級でも、所詮は移民でしょ」という態度。こういうひとも、集団の中にはいますね

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この奥さんのブローチ、欲しいです

ロンドン、バーミンガム、マンチェスターなどの大都市では、市民はインドの移民を見慣れていましたが、
当時のイギリスの田舎町では,外国人を見るのははじめて、というひとがほとんど
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今だに、田舎に行くと、私も珍獣をみるように見つめられることがあります。。




若奥さんのサリーの着こなしも身のこなしもとてもエレガント。
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彼女は、召使いが沢山いたらしく、家事が一切出来ませんが、

人を使うのにとても慣れていて、
(イギリスにはこういうひと、よくいます)

彼女に命令されると、思わず従ってしまいそうです


しかし診療所の受付嬢(ウェールズ人)を召使いのように使おうとして拒否されたり、
多少の摩擦はありますが
徐々に溶け込んでいくようです


サリーの上から羽織る、60年代風のミンクの衿付コートもお似合いです
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受付嬢や村人の着こなしも時代を感じさせますが


やっぱりビンテージショップでみるよりも、

当時の生活の様子をあわせて見ると断然生き生きとしてみえます

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ドラマ「インディアン・ドクター」は、テレビ放送の直後から20日間だけBBCのウェブサイト から
見ることができます。 
よかったら観てみてください。

***

このドラマをみていて思い出したのは、
アメリカに移住したインド系アメリカ人3世のジュンパ・ラヒリの小説

「その名にちなんで」、 原題は The Namesake

その名にちなんで (新潮文庫)/ジュンパ ラヒリ
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インドのカルカッタから60年代に大学教授アショケとして招かれた若い学者とその妻

そして現地で産まれた子供たちの生活と価値観のギャップを描いたお話です


医者と学者、インディアン・ドクターとアショケは職種は違いますが、

共に知識階級です


ジュンパ・ラヒリの家族も、最初はロンドンに移住して、その後アメリカへ移ったそうです


私は小説しか読んでいませんが、映画があるそうですね

DVDを今度見てみようと思います


その名にちなんで (特別編) [DVD]/カル・ペン,タブー,イルファン・カーン
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移民の苦労というのは、私たちの想像を絶するものだと思います


それにしても、ジュンパ・ラヒリの小説は、これにしても、「停電の夜に」にしても

食べ物の描写が本当においしそう



きっと著者自身がきちんと料理する人なのでしょう

インドの家庭料理が食べたくなります

映画でも沢山料理のシーンが出てくるのかな?


停電の夜に (新潮文庫)/ジュンパ ラヒリ
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***
インディアン・ドクターの主役はイギリス生まれのインド系2世のSanjeev Bhaskar。
ライターでもあります。英語がとってもきれい

インタビューで、両親が移民したころは、「いつでも出て行けるようにいつも荷物をスーツケースにまとめていた」とのこと。身につまされます


うちの下の階に暮らすカップルは、ベトナム系の2世とイングランド人、
隣の部屋はイングランド人とスコットランド人、

斜め下は、インド系の3世同士のカップルとその子供たちです

そして大家さんはアイリッシュ(アイルランド人)

そして仲良しのご近所は、フランス人とアメリカ人のゲイカップル(これは関係ないか??)


今じゃ当たり前の状況ですが、

私もある意味移民ですので、先人に敬意を払っても払いきれません


ではではまた。。。


いい加減、買い付けた商品の写真とか、載せますね。。。