オツカレです。

このニュースを聞いてジャック・ウェルチの「業界1位と2位以外は全て捨てろ」という言葉がふと頭を過ぎった。

[29日 朝日]損保3社が統合検討 三井住友・あいおい・ニッセイ同和  損害保険2位の三井住友海上グループホールディングス(HD)、4位のあいおい損害保険、6位のニッセイ同和損害保険の3社が統合に向けて交渉していることが28日、分かった。年度内にも基本合意を目指す。金融危機や自動車販売の激減で、損保業界は縮小均衡の厳しい経営環境に置かれており、業務の効率化で競争力を強化する狙いがある。持ち株会社方式の統合を検討している。実現すれば、売上高に当たる正味収入保険料(連結)の合計は約2兆7千億円に達する。首位の東京海上HDを上回る国内最大の損害保険グループが誕生することになり、いっそう業界再編を促す可能性がある。

損保業界は、2001年10月に三井海上火災保険と住友海上火災保険が合併した。2002年4月には東京海上火災保険と日動火災海上保険が経営統合した。2002年七月には安田火災海上保険と日産火災海上保険が合併した。


その結果、首位の東京海上ホールディングスから6位のニッセイ同和損害保険までの大手6社体制に集約されていた。


ここに風穴を開けたのが100年に一度といわれる金融危機。


これにより自動車や住宅の販売が大幅に不振となった。それが理由で自動車保険が低迷しているほか、住宅着工が落ち込み火災保険も伸び悩んでいる。


また過去に各社で発覚した保険金不払い問題による信頼喪失も、販売低迷に追い打ちをかけている。この再発防止に向けたシステム投資が拡大しているほか、商品やサービスの面でも競争が激化した。


さらに先々懸念されるのが少子高齢化という構造的な問題がある。結論的には先細りする市場で全6社が生き残るのは困難ということだ。


そんな中、まず動きをみせると考えられていたのは三井住友海上HD。真っ先に浮かんだのは親密な住友生命保険や三井生命保険とのグループ化。


しかしそれでは数の論理で首位の東京海上HDには歯が立たない。どうしても首位になるか少なくとも並ぶかという合従連衡による規模拡大が不可欠だったのだろう。


東京海上HDは2008年7月に約5000億円で米損保を買収している。


この間、赤字を出しながらも保険金不払い問題の再発防止に向けた体制整備に努めた。そして一定のめどをつけたことでようやく経営基盤の構築を目指して攻めに転じることとなった。


ハズレ社会人-損保各社


またこの3社は戦略上大変興味深い独自路線を歩んできた。


三井住友海上は、アジア地域などで積極的な海外展開を図り、あいおいはトヨタ自動車が筆頭株主で自動車保険の販売に強みがあり、ニッセイ同和は日本生命保険が筆頭株主で、同社の営業職員を通じた自動車保険の販売に強みがある。


●三井住友海上ホールディングス

三井住友海上グループの持ち株会社として2008年4月に設立。傘下の三井住友海上火災保険は01年1月に住友海上火災保険と三井海上火災保険が合併して発足した。本社を東京都中央区に置き、社長は江頭敏明氏。三井住友海上火災の従業員は約1万4500人。


●あいおい損害保険

2001年4月に大東京火災海上保険と千代田火災海上保険が合併して発足。トヨタ自動車が筆頭株主で代理店もトヨタ系販売店に強み。東京都渋谷区に本社を置き、従業員は約8800人。社長は児玉正之氏。


●ニッセイ同和損害保険

2001年4月に同和火災海上保険とニッセイ損害保険が合併して発足。日本生命保険の販売チャネルを通じた収入が2割を占める。本社は東京都中央区で社長は立山一郎氏。従業員は約4200人。


年度内の基本合意を図っているが、まず気になるのが残された東京海上、損保ジャパン、日本興亜損保などの動向であろう。


すべて巻き込んで業界2社となるのかもしくは3社となるのか。早くも3位の損害保険ジャパンと5位の日本興亜損害保険の合併構想の噂も聞かれるが。


さらに損保業界のみならず生命保険や銀行も巻き込んだ金融業界大再編に発展する可能性もある。


金融危機が叫ばれるうちに国内を固めれれば世界をも掴めよう。


オツカレでした。


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