「Mの悲劇」 日記 -5ページ目

チュグレ!?⑤


ごめんなさい、別に馬鹿にしてるわけじゃありません。

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おいらと彼女はおおむねうまくいっていた。


殴られたりけられたりはしょっちゅうだったけど、


それでもおいらは彼女が好きだった。


いや、むしろ殴ったりけったりしてくれるから好きだったのかもしれない。


前回も書いたようにパンチやキックに愛情を感じていたからだ。


ところが最近はあまり攻撃がなくなった。


それは日を追うごとに少なくなり、おいらはだんだん不安になってきた。


よくため息をついている。


「元気がないね、どうしたの?」

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「べっちゅに、だいじょぶ~から~・・・」

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何度聞いてもこのへんじだけ。


まさか他に好きな男でもできたのだろうか?


それともおいらのことを嫌いになったのだろうか?


不安は募るいっぽうだ・・・


とうとう耐えられなくなったおいらは彼女を問いただした。


「最近ぜんぜんぶってこないけどなんで?どーしたの?」

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「あんたもしちゅこいね~、なんでもないから~・・・」

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「ぜったいにおかしいよ!他に好きな男でもできたの?」

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「はあ? ・・・パガヤロ~・・・」

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(バカヤロウと言えずいつもパガヤロになってしまう彼女)

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「ハア~・・・、生理がきてないんだよ~・・赤ちゃんできたかも~」

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おいらは頭の中が真っ白になった。


「赤ちゃんて・・・ 俺の?」 

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「やー!あんた意外だれがいる~!!」

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「いやいや、うん、もちろん俺だよ!わかってる、うん!」

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「韓国のおとさんとおかさん厳しいから~、日本人と結婚するの

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怒るでしょ。言えなくて困ってる~。」

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またしてもおいらの頭は真っ白になった。


「結婚て・・・ 俺と?」

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「??結婚しないか?あたしと結婚しないか?あたしとあかちゃん

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捨てるか?」

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「いやいや、うん、もちろんするよ!結婚。うん、するする!」

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「やー!あたしと結婚するはいやか?なんで付き合ったか?」

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「ぜんぜん!うん、ぜんぜんするよ!好きだし。うん、結婚したい、したいよ!」

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もちろん子供ができたのならば結婚ということになるだろう。


彼女のことは好きだったし、別れたいとも思わない。


ただ、いきなり結婚だ。


やはり女性は強い。子供ができたかもしれないと思ったら


動転して電話をかけてくるとかではなく、韓国の両親になんて話すかを


考えていたのだ。


おいらは自分の赤ちゃんと結婚がなんのことなのか訳がわからないまま


泣きそうになっていた。


情けない男だと思いますか? こんな男は最低だと思いますか?


でも男とはこんなものなのです。


許してください。


それでもおいらは彼女との結婚、そして生まれてくる赤ちゃんのために


少しずつ準備をしていこうと決心したのでした。


ちなみにおいら、「赤ちゃんができたかもしれない」と言うせりふ、


人生で2度目の経験だった。


大学1年生の頃、一人暮らしをしていたのだが、


その頃おいらになついていた女子高生に言われた。


おいらも学生、ましてや彼女は女子高生。


退学? 逮捕? 


いろいろなコトバが頭をかけめぐり、彼女からの電話にも


出れなくなってしまった。


ちょっと引きこもりにもなった。





うそだった・・・


おいらを試すためのうそだったのだ。


「なんだ~!ビックリしたじゃん!やめてよ~。」

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「サイテイ!」

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と言われて捨てられてしまった。


しかし、大学生のおいらに子供ができたことを告げて


どうしたかったのだろう。


結婚しよう!なんてコトバを聞いて愛を確かめたかった。


馬鹿じゃなかろか? 学生で結婚なんてできるわけない。


そうでなくともおいらは他のだれよりも腰抜けなのだ。


だが、「サイテイ!」と言うコトバは傷ついた。


だから今回はサイテイ!と言われないように行動しようと決心したのだ。