大切なものを失った時、それを歯を食いしばって受け入れた時に人は強くなるというのは果たして本当なのだろうか。
その理屈なら、すべての大切なものを失った人間が最強ということになる。しかし、そんなものが脆弱で話にならないということは火を見るより明らかである。
おかしい。何かがおかしい。
大切なものは死守しなければならない。
失ったことを受け入れることで強くなるのでなく、大切だと己が判断を下したものを命がけで守ることで強くなっていくのではないだろうか。
強さのために犠牲になるものなど初めから大切なものではない。
この世で最も重き命と天秤にかけられる程のものを守ることに尽力することが人生なのかもしれない。