負のドミノ | 大塚角満オフィシャルブログ「大塚角満のブログ」Powered by Ameba

負のドミノ

 息抜きにひとコラム。

 ちょっとさっぱりしたくなり、シャワーを浴びようと思い立った。さっそく男子シャワー室の利用状況をチェック(ネット経由で使用中かどうかが見られるのだ)すると、現在利用者はいないよう。俺は嬉々として着替えを手に持ち、まずは社員食堂へ向けて歩き出した。ここは小規模ながら生活雑貨を販売しており、ミニシャンプー、ミニボディーソープがセットになった商品を売っていることを、俺は知っていたのである。社員証で買うことができるので、まことに具合がよろしい。

 しかし残念なことに、目当てのミニシャンプーセットは売り切れであった。どうやら俺と同じようなことを考えるヤツがほかにもいるらしい。そこで俺は仕方なく、近所のコンビニまで行ってシャンプーや石鹸を買うことにした。

 で、コンビニに到着。俺はそこで、ある失敗をしたことに気が付く。

「しまった。財布忘れた」

 ハナから社員証で購入するつもりだったので、まんまと置いてきてしまったのである。

 でも男は慌てなかった。自分に、小銭をズボンのポケットに入れるクセがあることを知っていたのだ。さっそくポケットをまさぐると、ジャラジャラと4枚の100円玉が出てくる。微妙な金額だが、なんとかなるに違いない。

 そこで雑貨の棚に行ってみると、お目当てのミニシャンプーセットとミニボディーソープが置かれているのがわかった。

「やった^^」

 ホクホク顔で両方を手に取る。ぜひふたつとも買ってしまおう。そこで値段を見ると、それぞれに以下の値札が貼られているのがわかった。

・ミニシャンプーセット……315円
・ミニボディーソープ……105円

 に、にじゅうえん足らないんですけど……。400円じゃどっちかしか買えねえ……。いまさら財布を取りに戻るのもバカらしかったので、仕方なくどちらがより効率的に身体の汚れを洗い流せるかを脳内で検討する。その結果、「頭皮へのダメージを考慮し、シャンプーを取ろう……。ボディーソープで頭を洗い、いたずらに枯れた森林にダメージを与えることもあるまい……」という結論に至った。

 ミニシャンプーを手に入れた男は、会社のシャワー室に走った。急がないと誰かに入られてしまうかもしれないのだ。でもそんな心配は杞憂に終わり、無事にシャワー室に入ることに成功する。しかもありがたいことに洗面台に、誰のか知らないがボディーソープの大型ボトルが置いてあるのを見つけてしまった。俺、喜びのあまり小躍りする。

「シャンプーを選んだのは正解だった! 先見の明だった!

 すぐに素っ裸になってシャワー室に入る俺。さっそく発見したばかりのボディーソープを使って身体を洗おうとする。しかし……。

 じゃぼっじゃぼっ

 いくらボトルヘッドを押しても、抽出口からは無臭の水しか出てこない。どうやらコレ、前オーナーが残り少なくなったボディーソープをなんとかしようと、ボトルに水を注入した名残らしい。これでは使い物にならぬ。しかたなく俺は当初の予定通りシャンプーで全身を洗い、いまいちスッキリしないままシャワー室を出た。なんだかまるでツイてない。

 そして着替えのとき。最後の悲劇が男を襲った。

 若干穴が開いているジーンズに片足を突っ込んだ瞬間。なんとその足の指がものの見事に穴に引っかかってしまったのだ。「あっ!!!」と思ったときにはもう遅く、シャワー室に「びりりりりぃぃ~~~」という布を引き裂く小気味いい音が鳴り響いていましたとさ……。ヲワリ。


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↑こんなことになりました。