俺の場所だ！

家の中には必ず、自分の場所というものがある。個室だけではなく、テレビが置いてある居間とかでも、暗黙のうちにそれぞれが座る場所が決まっているはずだ。俺もその例に漏れず、自分の場所にはお気に入りの座椅子が置いてある。

ところで、うちには2匹のネコがいるが、その1匹であるミュウ（隠れファン多し）は人の上に乗っかってうとうとするのが大好きだ。俺が例の座椅子に寝転んでホゲホゲしていると必ず乗ってきて、「あー今日も疲れたニャ」てな感じて丸くなろうとする。しかしこのネコは5キロ以上もあるので、疲れているとついつい「やめろやめろ乗るな乗るな」とポイっと投げ捨てたりしてしまう。ここは俺の場所だから所有権を主張して、侵略者は邪険に扱ってもいいのだ。

しかし週末に家にいるとき、なんとなくミュウの様子を眺めていてあることに気づいてしまった。ミュウは俺がそこにいなくともヒョコヒョコと例の座椅子に接近し、何の躊躇もなく丸まって寝息をたて始めたのだ。どうやらこいつは、俺が「ここは俺の場所」と思うのと同じように、「この座椅子はワシのだニャ」と思っているようなのである！

つまりミュウは俺の上に乗ってくるとき、「またワシの場所にダンナがいるニャ。邪魔でたまらんニャ」と思っている……！

このふてぶてしい様子から、そんな心の声が聞こえてくるようである。

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