走れない理由 | 大塚角満オフィシャルブログ「大塚角満のブログ」Powered by Ameba

走れない理由

 俺、中目黒目黒、トヨトヨ(週刊ファミ通編集部の豊泉三兄弟という編集者)の3人は昨年夏ごろに“デ部”というジョギング愛好会を作り、週2回くらいの頻度で皇居周辺のジョギングコースに通っては1周5キロのランニングを行っていた。ちなみに部長はトヨトヨで、副部長は目黒。俺は入部希望が遅れたとかなんとかいう理由で“平部員”となっている。

 そんな俺たちの、ここ1ヵ月ほどのやり取り。すべて会話はSkypeである。

トヨ:走りに行かないんですか?

 じつはかれこれ3ヵ月ほど前からデ部は“休眠状態”になっており、俺と目黒はジョギングコースに近寄りすらしていない。しかし、痩せてモテたいという情熱に突き動かされているトヨトヨは走りに行きたくて仕方がないのだ。なのでしきりに、部員2名に声をかけてくる。

トヨ:もうずっと走っていないじゃないですか。

 そんなこと、トヨトヨに言われなくても重々承知している。なので、俺たちは言う。

大塚:そだね、部長。そろそろ走らないとね。
目黒:ですね。ぼちぼち再開してもいいころですよね。

 のらりくらりとした俺たちの対応に、トヨトヨはナットクがいかない。さらに追求してくる。

トヨいつもそう言うだけで走りに行かないじゃないですか。きっとまた、時間だけが過ぎていくんだろうなあ……。

 言われた俺たち、ちょっと憤慨して反論する。

目黒:またそういうことを言う。ダイジョブだって。シャカシャカ(ウインドブレーカーのこと)も持ってきてあるしさ。準備はできているんだよ。
大塚:そそ。俺もキチンと、着てるだけで汗が噴き出てくるサウナスーツ持ってきてあるんだよ。なのでいつでも行けるのだよ。

 しかしトヨトヨ、まったくナットクしない。

トヨ:それ、先週も言ってたじゃないですか。なので「行きましょ」って言ったら、「今日は会食でダメ」とか「古傷の左半月板が痛い」とか言い出して延び延びになったんですよ。

 俺と目黒、しきりに頷く。

目黒:しょうがないじゃん。ホントに会食だったんだから。接待に汗だくで行くわけにいかねーべ。
大塚:そうだよ。俺だって、ホントに左半月板が痛かったんだから。それともトヨトヨ、俺の左半月板がもげてもいいっていうのか?

 ここまで来ると、ほとんどインネンである。でも、トヨトヨは負けていない。

トヨ:じゃあ、今週から走りましょうよ。大丈夫ですよね?

 俺と目黒、向かいの席で顔を見合わせてから慎重にキーボードを叩く。

目黒:今週かあ~! 残念! 俺、夜はほとんど打ち合わせが入ってて行けそうにないわ! いやあ残念だなあ!
大塚:俺もきびしい! 明日はとっとと家に帰ってモンハンやらなきゃだし、明後日は友だちと飲みに行く約束が入ってるし。いやあ残念だなあ!

 トヨトヨがキーボードを叩く音が一段と大きくなった。

トヨまたですかぁ~!? そうやってずっと行ってないじゃないですか! 行きましょうよー!

 「うんうん」と頷いてから、俺と目黒は応える。

目黒:よし! 来週こそ走りましょうよ、大塚さん! 豊泉先生がうるさいですし。
大塚:だな! いいかげん覚悟決めないと、ブクブク太る一方だしな! 来週来週! 来週走ろうよ、トヨトヨ!

 トヨトヨ、これでようやくナットクする。

トヨ:わかりました! じゃあ来週、声かけますから!

~1週間後~

トヨ:さあ走りに行きましょう!

目黒:……俺、明日胃カメラ飲まなきゃだからもう帰る(苦笑)。

大塚左半月板が……(苦笑)。

トヨまたですか!!

 こうしてまた、ひと月、ふた月と時は過ぎていくのでありました(笑)。