我が家の大将 | 大塚角満オフィシャルブログ「大塚角満のブログ」Powered by Ameba

我が家の大将

 我が家のネコ大将、ミュウのことを書こう。

 いまから12年か13年前、JR浦和駅西口にある伊勢丹の前で、イヌやネコの引き取り手を捜す“里親会”の人たちが集会(って言うのかな)を行っていた。動物好きの人はたくさんいるらしくけっこうな人だかりができていて、「動いているものは何でも好き」と言ってやまない俺も、ワンワンニャアニャアという声を聞いているうちに辛抱たまらなくなり、ホイホイと吸い寄せられてしまう。見ると、たくさんのケージの中に大小さまざまなイヌ、ネコが入れられて、集まった人々を眺めていた。

 その中にまだ目が開いて間もないくらいの、小さな小さなネコが2匹いた。色は黒白で、どちらも四肢の先が真っ白になっている。子どものくせにいきがってオシャレな靴下をはいているかのようなたたずまいが、なんとも生意気でかわいらしかった。

「このネコちゃん、双子なんですよ」

 熱心に靴下ネコを眺めている俺に向かって、里親会の女性がそう言って声をかけてきた。聞くと、この2匹は思った通り生後間もない個体で、性別はどちらもオスだという。彼らはケージの中で、俺が見ているのもかまわずにギャアギャアとわめきながら絡まるようにしてジャレ合っていた。

「これまでにネコを飼われたことはあるんですか?」

 2匹の子ネコに釘付けになっている俺に向かって、ふいに女性が質問をしてきた。それに対して包み隠さず、実家でずっとネコを飼っていたこと、そしてこの世の動く物体の中でネコがいちばん好きなことなどをベラベラとしゃべりまくる。すると女性はうれしそうに頷きながら、「そういう方に引き取っていただけると助かるんですけどねぇ」とつぶやいた。

 俺も心から、このネコを引き取りたかった。こんな小さいうちから飼うことができたら、それはそれはよく懐いて、宝物のような存在になってくれるに違いないと思ったから。でも当時、俺はペットを飼うことを禁じられたマンションに住んでいた。こっそりとイヌやネコを飼っている住人もいたようだけど(燃えないゴミの日にペットフードの缶が捨てられたりしていたからね)、禁を破るハードルは決して低くはない。

 うーん、飼いたいけど、やっぱり無理だろうな……。

 と思ったんだけど急転直下、我が家に2匹のうち1匹がやってくることになった。世の中、何が起こるかわからない。

 ちなみに名前は、当時から隆盛を極めていた『ポケモン』のモンスターの中から“ミュウ”の名前をいただいてつけた。ツレはかたくなに「マリンちゃんがいい」と主張していたが、「こいつの模様を見るにつけ、デカく育ったときに“マリン”と名づけたことを絶対に後悔すると思う」と説き伏せて、幻のポケモンの名を授けたのでありました。

 それから10年以上の時が流れ、マリンちゃん改めミュウさんは、いまでも元気に我が家で暮らしている。若いときのような身体のキレはなくなったが、食欲旺盛で声も大きく、ガーディアンとしての役割をしっかりと果たしてくれている。アクアとケンカをすると必ずボロボロにされて、情けない悲鳴を上げて逃げ惑っているけどね。


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 こんなに迫力あんのにな、オマエ(苦笑)。小娘なんかに、負けてんなよ。