喉頭がんの手術をすることは決めたものの、手術後の生活は声が出ない他にもいろいろと乗り越えないといけないことも多々。
そこで、この日は車で1時間ほどのところでやっている喉頭全摘者の発声練習の会合にお邪魔することにしました。
声が出る最後の土日ということで、気晴らしドライブもかねての道中です。
このところの騒動で父も気づまりでしたから、いい気分転換にはなったようで窓の景色を楽しく見ていました。
まずは、道の駅で食事です。
しばらく食事もできなくなるため、とにかく食べたいものを食べようというのですが、ストレスで食も細くなっていてこれがなかなか。
つくづくあそこ行きたいここ行きたいって言ってた時に時間を作ってあげれぱよかったと後悔。
それでも本人リクエストの、市場で買った海産物をそのまま炭焼きにしていただく形のレストランへ行き、ちょっとリッチな昼食をいただきました。
声を動画におさめようと、食べている間動画の録画をしていたのですが、なぜかぱかっと口をあける蛤と無言の父という大変シュールな映像がとれました(^_^;)
そこからさらに車で30分ほどかけて本日の目的地へ。
事前に電話でお伺いする旨お話ししていたのですが、玄関にはいるや声帯摘出者特有の電気的な話声が聞こえてきました。
挨拶して会議室に入ると、練習の手をとめて、みなさん質問に答えてくださったり、励ましてくださったり、自分のときのことを語ってくれたりと、とても気さくな方々で、勇気づけられました。
父の場合、喉頭と周辺リンパ静脈まででしたが、こちらに来られている方たちは、咽頭や食道まで転移されていた方が多くて、手術時間も実に14時間とか∵ゞ(≧ε≦o)。
なかには
「腕があがらんなる言われて、それは困る!ゴルフできなくなるけん、先生動くようにしてや」
と注文つけた方もいて今でもゴルフを楽しんでおられるとのこと。
毎週のゴルフが唯一の趣味な親父さん、とても励みになったようです。
「あとは先生に任せてまな板の上のコイよ。絶対大丈夫やけん」
そんな風に暖かな言葉をいただき、本人も元気になったら必ずここに来ますと言ってお暇しました。
それから近くの日帰り温泉へ。
温泉に入るのもしばらく無理というよりも、多分手術後は入りには来られないだろうと思いましたので、時間を気にせずゆっくり入るよう申し渡して男湯と女湯に分かれました。
あきらめなければならないことも多いですが、それを気にしていても仕方ない。できることをそれなりにやっていかないと、そんな風に前向きになれる力をいただいた一日でした。