今回のことで、あらためて感じたことはいくつかあるのですが、一番実感したのは、そうか親父さんもう81才なんだってことですかね。

 

体は元気で身の回りのこともちゃんとできる一人暮らし。

ゴルフが好きで晩酌が好きで飲み屋さんとカラオケをこよなく愛しおしゃべり好きでグルメでお友達もたくさん。

 

そんな彼が手術を選択すると

「話すこと歌うことができない(声帯がないので)」

「大好きな温泉入れない(呼吸する穴があくのですが水入ったら溺れちゃう)」

「大好きなゴルフできなくなる(いきめないので力が入れられない。肩もあがらない)」

「お酒も控えないといけない(がん告知されてから絶賛禁酒中)」

「嗅覚がなくなる(鼻に息が入らないので)」

「味覚も変化する(人によるようですが砂をかむような感じとか。のども細くなるし)」

他にも細かいこといろいろあるんですけど。

 

はたしてこれで生きているって言えるんだろうか。

これ、多分自分の体に起きたことであったなら、私は迷わず手術しない選択をするんですよ、

だから痛いほど、もうこのままでいいっていう親父さんの気持ちもわかるんです。

 

大体これからの人生何を楽しみに生きていくんだろうかって思っちゃいますよそりゃ。

いっそこのまま静かに痛い思いをすることなく、終末ケアに入っていく方がいいんじゃないだろうか。生きてくれってただの家族のエゴなんじゃないかなぁとか。

 

いわゆるクオリティオブライフみたいなことも、真剣に考えました。

 

私は割と悩み事を誰にも話さない方なんですが、とあるきっかけで状況話さないといけなくなっちゃった兄貴分みたいな人がいます。

その方とは若いころからのつきあいで、私の性格や親父さんとの一言では言えない変わった関係性もよく知っていて、ご自身も最近発覚したがん患者で入院中。

ご両親をみとった経験や自分の闘病のことも考えた末に、こう言ってくれました。

 

「それでもおまえは、悩んで苦しんで、それでも最後に生きてくれ手術しようって言うと思うよ。」

 

その後押しが決定打にはなりましたかね。

それに、なんというか、私自身は決して交友関係が広いわけではないというよりむしろ引きこもりに寄ってる方なんですが、これまでやってきた仕事上でおつきあいのあった方々が、なんとなく伝え聞いて励ましやアドバイスをくれたりもして、なんというか悩む時間も少なかったこともあったんだろうなぁ。

ええ、腹くくりましたよ。