最大のスキャンダル!不倫を研究する!
渡辺謙のCMが消えた
不倫―「人倫」に外れること。人道に背くこと。(広辞苑より)
「人倫」とは、人と人との秩序関係、夫婦などに転じて人として守るべき道、さらに夫婦などが守るべき道の意味になる。〈人として人倫の道にもとる行為〉というように使うそうだ。
不倫は〈人道を背く〉という意味になる。昨今の不倫報道をみると、不倫は〈人倫にはずれる〉という意味になり「浮気」という概念を超えている。それだけにスキャンダル性が一層高い。
最近では民主党の山尾志桜里議員の9歳年下の弁護士との不倫。ダブルベットの部屋を取っているのに、「一線は超えていない!」と言い訳しても誰が信じるものか!結局、幹事長の座を棒に振った。
自民党ではハワイで挙式した中川俊直という大馬鹿者が、愛人とハワイで挙式して自民党を離党。夫唱婦随といわれた同じ自民党の宮崎謙介と言う男は、女房が妊娠中に浮気を重ねて、ついに議員辞職にまで追い込まれた。
さらに元SPEEDのメンバーで自民党の今井絵里子は市会議員との不倫。「肉体関係はない」なんて弁明していたが、嘘つくな!
昨今芸能界を見渡しても斎藤由貴が主治医との不倫。50にしてこれで3回目の不倫。女は枯れるまでとはいうが、これを実証した。不倫報道によってあの世界的スターのは渡辺謙のCMが消えたたと言うのだから、不倫の威力はハリケーン以上ではないか。
不倫を最初にタイトルに使ったのは女性自身
この「不倫」と言う言葉、70年代前半まで週刊誌を賑わせたことはない。小生は女性自身を振り出しに芸能記者歴40年になるが、当時の言葉は「浮気」「三角関係」が主流で、、「不倫」と表現をすることはなかった。妻子持ち、あるいはその逆の場合の男女のスキャンダルでは「浮気」という言葉が使われていた。
しかし70年代後半から女性自身では初めて「不倫」と言う言葉を使い始める。使ったのは小生の担当した芸能デスク。当時は松方弘樹と仁科亜季子の不倫が毎週週刊誌を賑わす真っ只中で、この頃から不倫という言葉を使い始めたのはこの頃だと思う。
この「不倫」と言う言葉の響きが実に良い。当時フジテレビアナウンサーだった田丸美寿々さんがジャーナリストの美里泰伸しとの略奪愛と報じられた時「美寿々さん、フリン、フリンの音がする」と,まるで風鈴が響いているような涼しいイメージで定着していった。
因みに田丸さんは、出産間際の奥さんから美里さんを略奪したのだから、半端ではない。この頃から芸能マスコミのタイトルは「浮気」から「不倫」に変え始めていた。
広辞苑による「浮気」とは〈心が浮ついている〉こと、という意味。〈ほかの異性に心を移すこと〉ということらしい。こう考えてると不倫は、浮ついた気持ちどころではない。不倫は人道を欺く意味だから、不倫という人格さえ疑われる言葉は、浮気よりはるかにスキャンダル性が高い。
スキャンダルの王様は不倫
昨今の芸能界を見渡せば、スキャンダルとがほぼ見当たらなくなった。90年台までは、アイドルがデキ婚すればタレント生命が終わりの時代だったたが、今や当たり前。デキ婚は「おめでとう」に変わり、仕事も失わない。
その当時、高部知子がベッドの上で煙草を吸っていただけでタレント生命を失い、アイドルの世界から追放されている。高学歴の女性アナウンサーだっていまやデキ婚が珍しくない。女子アナの結婚報道でさえ最後に「妊娠はしていません」と断りを入れるほどだから、今やデキ婚は慶事そのもので、おめでとうの時代だ。
その昔は、清純派アイドルが同棲すれば、タレント生命を失い、畑中葉子のようにロマンポルノに売り飛ばされた。ある芸能マネージャーは「家に行ったと書くのは仕方ないが、〈泊まった〉と書かないでくれ!」と、懇願されたことがあった。
しかし今や「妊娠はしていないんですが…」と際どい質問にタレントもマジに答える。すでに芸能界からスキャンダルという言葉がが消えてしまったようだ。
いまや芸能界のスキャンダルの王様は不倫。さらに大麻などの刑事問題、小出恵介の淫行などの性犯罪がタレント生命を脅かす。そして不倫報道のタレント、政治家たちは、生命線さえ失うことになる。
たけしは不倫から処世術を学んだ
なぜなのか?いまやタレントの最大の収入源は、テレビや映画の出演料ではなく、CM出演料によってで賄われている。それだけCMの出演料ウエイトが大きく、CMがなければ芸能プロデュサーの経営だった成り立たない。
しかし不倫報道がなされれば、スポンサーは離れるだけではなく、ペナルティーだって受けなければならない。そのいちばんいい例がCMタレントのベッキーだった。彼女はスポンサーがすべて降り、数億という収入源を失ったばかりでなく、損害賠償まで請求されていいる。
今やお笑いタレントといえども「女は芸を肥やし!」なんて言えない。最近のお笑いタレントは女の話はしても不倫の話になるととことん逃げる。雨上がり決死隊の宮迫博之も同様で、不倫発覚でしどろもどろになった。
大物中の大物にのビートたけしだって、女子高校生との交際が発覚した時、たけしのマネージャーが女性自身の編集部まで来て土下座したのをよく覚えている。そのたけしとの間に子供まで誕生。その後はほとんど報じられていないが、その後のたけしはマスコミを恐れた。
スキャンダル報道に手加減しない東京スポーツ、週刊新潮、週刊ポストなどを味方につけて予防線を張る。東京スポーツ映画祭を主宰し、新潮社には何冊もの出版物を出版、週刊ポストはでは未だに連載が続いている。ビートたけしほどスキャンダルを怖がっているタレントはいない。今のたけしは不倫から処世術を学んだのかもしれない。
タレントは収入源を失い、政治家は落選する
果たして不倫は大犯罪なのか。少なくとも刑事罰には当たらない。しかし民事訴訟になれば大きな代償、すなわち慰謝料を求められるのは間違いない。タレントは最大の収入源のCMを失い、政治家は次なる選挙ではその人格を問われて当選さえおぼつかない。いまやタレント政治家にとって一番怖いのは不倫なのかもしれない。
その昔、新聞記者は夜討ち朝駆けと称して政治家の妾の家に乗り込んでスクープをもらったものだった。いまやそのような取材は全く通用しない。
〈不倫とかけて何と解く?東京湾を出港した船と説く。その心は?現在コウカイ中!〉
三遊亭円楽師匠が不倫を笑い飛ばしたが、彼の場合〈浮気〉という言葉が適切だ。
だが不倫は世間が許さない。不倫によって二度と元の座に戻れない。タレント、政治家は「不倫報道」の威力を肝に命じるべきだ。。