弟は、週末まで生きてみると、この電話の終わりに言ってくれた。週末までというところにひっかかったが、明日病院に行く約束もしてくれたし、少し安心した。週末にまた電話をしようと思い、電話を切った。
切ってから私はどっと疲れた。何も手につかなくなるほどだった。その後、母に電話し、弟が飛び降りようとしているとは言えなかったが、元気がなかったから電話してあげてと伝えた。でも母は自分の弟のことで参っており電話できなかったようで、このことを激しく後悔していた。
翌日、弟からメールがきた。病院に行って、自殺したい気持ちのことを話したそう。でも薬の量は変わらずだったようだ。自殺したい気持ちが病気から来るものではないと思ってるんじゃないか、とその時弟は言ったが、それはまさに私への気持ちだったように思う。私はどこかで、弟が自殺をしたがっているということを認めたくなかったのだ。だから、病気がそういう気分にさせていると思った。だから病院に行くことを勧めたのだ。でもそうではない。自殺したい気持ちは病気だからくるものではなく、自分の気持ちなのだということを弟は言っていたのだろう。いろいろ思い出してみると私は弟が発してくれた多くのメッセ―ジを本当に一つ一つ受け止められていなかったことがわかる。今あの時に戻れたらもう少しましな回答ができるのかな。
とにかく弟からのメールでちょっと安心した。また週末電話しようと思っていた。その週末を土曜日に設定していたらよかった。日曜の昼に、弟は死んだからだ。病院に行った翌日から、弟は自分を追い込むためにか体調不良を訴え仕事を休んでいたようだ。
忘れもしない、8月22日の正午。私は家でテレビを見ていた。そこへ母からの着信。出ると、母は泣いていた。一気に悪い予感がした。