父は
日に日に衰弱していきました


食欲もなく
お茶碗ひとくちを食べるのもやっと


体も心も
もう限界が近づいていました



転院先の先生にお願いして
入院させてもらうことになりました


これが 最期の入院です



転院先は急性期の病院のため
原則一時的な入院になるとのこと

入院と同時に
緩和ケア病棟のある病院探しもしました



年末だったのですが
なんとか無理をいって12/28に
緩和ケア病棟の面談の予約がとれました


本来なら父本人も一緒に
緩和ケア病棟の診察を受ける予定でしたが
体調が思わしくなかったため
主治医から父の状態を連絡してもらって
姉と私2人で面談にいくことになりました



姉にその旨を伝えると
28日は先約があるからもしかしたら間に合わないかもしれない とのことだったので
それなら私一人で行こうと思っていました


当日
緩和ケア病棟のある病院で私が受付をしていると 少し遅れて姉がきたので 結果的に2人で話を聞くことができましが

姉が言っていた先約というのは
ネイルサロンだったのです




自分の親が年を越せるかどうかと言われ
食事もとれず面談にも来れないほど衰弱して
本当に生きるか死ぬかって時なのに…


この緩和ケア病棟の面談だって
もう時間がないからと必死にお願いして
無理をいって予約させてもらえたのに…


ネイルって





もう
悔しさと怒りと悲しみと情けなさと

ありとあらゆる感情が溢れてきて
言葉になりませんでした




いい加減にしてよ!
ふざけんな!



なんども心の中で叫びました


悔しくて悔しくて仕方なかったけれど

この時の私は
とにかく父のために今は頑張るしかない と
姉への気持ちを押し殺して
耐えていました



姉への感情は
完全に崩壊していましたが

父を見送るまではなんとか… という気持ちでした





そんな姉の様子は
父にも伝わっていたと思います



入院中 私との二人きりのときに

お姉ちゃんはお父さんのことより
△△くんのことで頭がいっぱいなんだよなぁ…

と口にしたことがありました




確かに父も癖のある人でしたし
嫁ぐまで2人で暮らしていたので
二人の間には私にはわからない確執?のようなものもあったのかもしれません



でも
たとえそうだったとしても
自分の親があと少ししか生きられないと言われ
一日一日を頑張っているなら

せめて その残された時間だけでも
父のため頑張ってもいいんじゃないか?



とにかく もうこれ以上
父に悲しい、寂しい想いをさせないで


そんな気持ちでした