田舎の老人ホームでは絶対に働きたくなかった、と或る新入職員が言う。聞けば家からこのホームまでの距離が20kmもある。大きな町だから探せば近所にいくらでも職場はあるはずなのに、だ。彼女がいわく、「誰かに会うから嫌だ」。相手が認知症であれ親戚や、知人、学校の恩師は介護したくない、と。なるほど一理あるかも。だが、

世の中には有りそうで無さそうでやっぱりある、ことがあるのだ。ついさっき、Ｙ子さんの娘さんが「母に、」とリハパンを持参。しかし、職員に聞くと彼女は先住利用者M枝さんの長男のお嫁さんだ、という。はぁ？

つまり、

こういうこと。実母と姑が…

同じ老人ホームの中にいる？

ということは、

過日子どもの結婚式には両家ともに顔を合わせているわけだ。共有スペースの隣同士でもまるで他人？実娘であり嫁の女性は両者に会うことなくそそくさと帰られた…。

そりゃあ立場上、会えないよなぁ…

冒頭の新入職員さん。離婚の経験があるとか。仮に近くの介護施設に勤めていて離婚先のご両親が入居してきたら…資格はあるが資格を活かせない？遠距離の職場を選ばなければならない理由。ここで点が線で繋がってしまうのである。

有りそうで無いようで、ある話し