私の留学時代は

家族への連絡手段は【手紙】でした。

青と赤の縁取りのある封筒の中に

薄いカサカサとした便箋にぎっしりと文字を書いて

今練習している曲のことから

毎日食べたものの記録や

送って欲しい本のリスト。

将来の夢などを書き連ねて

自分に言い聞かせるように

両親へ意思表示をしていたような気がします。

 

もう少し返事が早く欲しいもの、

例えば援助金が欲しいとか

そういったものは【FAX】

 

ちょっと声が聞きたくなったり

年始の挨拶をするときは【国際電話】

 

今のようなLINE電話やFaceTimeなんて

全くなかった時代。

 

言葉を紡ぐのは

自分にも両親にも

大切なことでした。

 

母はずっとその手紙の束を持っていて

いつか娘と自分の往復書簡のようなエッセイを書きたい、と

思っていたようです。

娘、というのは私ではなく

姉だったんですけれどね。

姉の方が私より断然、内容が濃くて面白かったのは確かです。

 

 

そんな影響か、娘たちは私に手紙を送ってくれます。

絵葉書だったり

カードだったり。

もちろんFaceTimeで話もするし

LINEやWhatsAppで会話もします。

 

でも、

文字で現れる言葉は

その人そのものを表します。

筆圧や文章の流れ。

まっすぐに芯のぶれていない文字。

ちょっと悩みのある言葉の選び方。

 

姉妹でも全く違う言葉の選び方。

 

それぞれの成長過程が見れるのは

とても貴重なこと。

 

そして2人の根底に流れるいちばんの思いは

私のことを心配して労る気持ち。

 

無理しないでね。

疲れたら休んでね。

私たちのことは心配しないでね。

頑張ってるよ。

 

元気をもらうけれど

やっぱり泣けてしまう…

 

 

 

これも往復書簡のひとつかしら?