50代から定年後の人生をどう過ごすか
人生を年齢別にみると、日本人ならではの人生後半の課題が見えてきます。
■50歳の過渡期(50歳から55歳)
人生半ばの過渡期が、この時期にずれてきて「破壊と創造」、「愛着と分離」というような課題があらわれる人もいるかもしれません。
たとえば終身雇用が崩れ始めて、好むと好まざると転職をする人も多くなってきました。
このままのスキルでやっていけるか? 転職は厳しいのでは?
人生100年時代の半分の50歳のタイミングで、こんな思いをもつ人も多いのではないでしょうか
■中年の最盛期(55歳から60歳)
この時期にやってくる日本企業に独特な制度が「役職定年」です。
企業規模が大きい会社に役職定年がある割合が多く、従業員500人以上の企業の約3割が役職定年制を導入しています。
役職定年制度を採用している会社において、役職定年の開始年齢は50代後半から60歳になっていて、多くのケースが55歳。
中年の最盛期は役職定年から始まります。
役職定年になると雇用の継続と引き換えに、部長や課長といった役職がなくなり給与が大幅にさがります。
上司と部下が逆転したリ、人間関係がうまくいかなくなり、モチベーションを大きく落とす人も多い。
使えないオジサンなどと、不名誉なことをいわれてしまう場合もあります。
またこの時期には、早期退職の募集などがある場合も多いです。
日本の50代の会社員の多くは、転職があたりまえの欧米のようにいつでも対外試合ができる準備をしていません。
役職定年や早期対象への応募などの短期に備えての準備が必要です。
準備をして上手く対応できれば人生後半戦への好機にもなるのです。
この時期に、人生後半へむけて準備をしているか、していないかで、定年後の生き方が大きく変わります。
■老年への過渡期 (60歳から65歳)
60歳で多くの会社員が定年を迎えます。
ひと昔前の時代であれば、定年後は年金で悠々自適に余生を過ごすなどという事も可能でした。
高度成長期で日本経済は右肩上がり、給与も増えて、退職金もたくさんでて、年金は60歳から、退職金を預ければ高金利で利息がたくさんつく時代だったからです。
今は定年60歳で引退する人はあまりいません。
年金の受給開始は65歳からなので、何もしなければ無給の期間が5年続きます。
人によって状況は異なりますが、年金の額も十分とはいえない中で、引退できない人がほとんどでしょう。
60歳で再雇用を選ぶか、転職するか、起業するか。
セカンド・キャリアに向けた人生の選択をする時期でもあります。
人生100年時代のこの時期は、人生半ばの過渡期のように、今までの人生は何だったのか?これからの人生は何を生きがいにすればいいのかと悩むこともあります。
仕事と役割を考え直す時期でもあるともいます。
■老年期以降(65歳以降)
レビンソンの発達段階説では、65歳の老年期以降は変化がなくて終了です。
でも今の時代、65歳といったら多くの人が働いています。
さらに2022年の働く高齢者のデータを見ると、実際に働く高齢者の比率は増えており、すでに65歳から69歳の2人に1人が働いているのです。
年金の受給開始年齢も、近い将来70歳まで段階的にひきあげられ、70歳までみんな働く時代がやってきます。
この時期に生きがいをもっている人と、持っていない人では、幸福感に大きな差が出ると思います。
■70歳から
人生100年時代なら、ここから30年です。
まずは健康ですね。