先日駅ビルの本屋のランキングの棚を見ていたら、近藤誠さんの本がランキングしていた。
「医者に殺されない47の心得」と言う本です。
近藤さんは大昔・・・まだまだ西洋医学に疑問を持つ人が皆無だった頃から、現代のガン治療に対して警鐘を鳴らしてきた方です。
この近藤さんの本で一番有名なのが「患者よ、がんと闘うな」でしょうか???
恐らくこの本から近藤さんは有名になったように記憶しています。
私も持っているし、捨てない永久保存版本箱チームに入っている。
初版が出てから約20年ですが、一貫して言っている事は同じです。
医学の発展に伴い具体的な表現の仕方は違っていますが、基本は同じです。
抗がん剤はガンを完治させるものではない。。。反対にイノチを縮める。
ガン治療(手術・放射線)必要でない事が多い。
早期発見理論のまやかし、検診は病人を増やして病院を儲けさせる商法の一つである。
患者よガンと闘うな・・・です。
一貫してガン治療の真実を伝えてきた人です。
最近、その功績で菊池寛賞を受賞したらしいです。
そして本業として、昔、乳がんと言えば、全て乳房ごと、皮1枚残して切除されていた20年以上前に「乳房温存療法」を提唱した人でもあるのです。
彼が書く本は実際の患者にとっては結構厳しい内容ではあるのですが、間違った事は書かれていない。
そして今回、再び脚光を浴びている本が「医者に殺されない47の心得」
とっても良い本だと思います。
前書きを少し書いておきますね。
「医者を40年やってきたぼくが、いちばん自信を持って言えるのは
病院によく行く人ほど、薬や治療で命を縮めやすいということ。
がんを含めて、病気の9割は、医者にかかったからといって治るわけでも、
回復が早くなるわけでもありません。
薬のほとんどに、病気を治す力はありません。
そして治療の後遺症や、薬の副作用はとても大きい。
医者を簡単に信じてはいけない。
医者の多くはヤクザや強盗よりタチが悪い。ヤクザは
しろうと衆を殺したり、指を詰めさせたりはしない。
強盗だって、たいていはお金をとるだけ。
しかし医者は、患者を脅して金を払わせた上、しょっちゅう
体を不自由にさせたり、死なせたりするんですから」
この本はガンの事だけではありません。
風邪、メタボ、高血圧、糖尿病、ボケ、五十肩まで幅広い身体の不調を「医療と薬を遠ざけて元気に長生きする」心得が網羅されています。
一つの見方として頭の片隅においておき、自分が病気になった時の選択肢の一つとして知識を得て置くには本当に良い情報だと感じた本です。
ただ「食」に関する部分は少し「???」が頭をよぎる事が多々ありました。
近藤さんは医療についてはパイオニアです。
かなり慎重に書いてますし、現在の医療を細部まで真実に近い形で書かれている文章です。
これにより医療業界から強い批判が湧き上がるのは容易に想像ができる内容です。
しかし食に関しては素人に近いような気がしないでもありません(笑)
卵を食べる
肉を食べる
牛乳を飲む
など要するに何かを食べれば健康になるような、食商法的発想なのですよね。
黒酢が良いと言えばスーパーから黒酢が消え
納豆が良いと言えばスーパーから納豆が消え
ココアが良いと言えばスーパーからココアが消える・・・・
そういう商法と良く似た発想です。
近藤さんは食については書かない方がいいでしょうね(笑)
この軽いタッチを読んでいると、今までの重厚な内容は全てウソなのか???と疑ってしまうような内容ではあります。
しかしこれは致し方ありませんね。彼は食と言うものをあまり知らないのでしょう。
近藤さんが本当に言いたい事はしっかりと伝わってきますから、問題ではありませんし、食以外の部分は非常に大切な事が書かれていると思います。
まぁそういう私も食の専門家ではありませんが、ただ言えるのは「これだけを食べていれば健康になる」と言う食べ物はありません。
トマトが良いのはわかりますが、トマトだけを毎日食べてると栄養失調になります。
特に成長期にそういう食事をするのは問題ですし、アレルギーの子供に牛乳や卵を食べさせるのは論外です。
それに脂っこい食べ物を近藤さんは推奨されていますが、そういう食事を続ける事がどういう事態を引き起こすのか・・・を考えていない書き方なんですよね。
コレステロールの是非が最近問われています。
コレステロールが悪者になっていた長い期間を経て、最近ではコレステロールは下げてはいけない。
コレステロールは高い方が長生きするという説が優位になってきています。
それだけを見て、脂っこい食事をしましょうと言い切るのは余りに短絡的過ぎる(笑)
ベジの人にそれを言うのは問題ありませんが、毎日、焼肉、寿司、てんぷら、うなぎ、ハンバーガーをローターションで食べている人にそういう事を言えばどうなるか、火を見るより明らかです。
単品だけをとって、それに善悪の意味づけをする考え方はもうそろそろ止めにしないといけません。
木を見て森を見ず
と言う事です。
家にどんな家具を置けばいいのかは、その家に行って広さや間取り壁の色、、、、そういうものを見てからでないと決められません。
それと同じです。
全員がコレステロールの高い、脂っこいものを食べてそれでいいのか???そんな事はありません。
その人、個人を見てその人にあったモノを食べるのが大切なのです。
様々な食養生もそうです。
糖質制限、ローフード、菜食、マクロビ、ゲルソン、全体食などなど色々とありますが、どれも良いのですが、それが良いという体質の人が「良い」と言っているわけで、、、それに合わない人もいるのです。
私も一応、様々な食養生を試してきましたが、結局は普通の食事を普通にするという事が一番大事なんだという結論に達しました。
普通の食事と言うのはご飯に味噌汁、おかず数品を2食。
普通と違うところは食べる量が恐らく普通の人の半分の熱量だという事ぐらいでしょうか。
肉は一杯食べて、炭水化物を減らすと言うダイエット方法が流行っていて、米離れが続いていますが、米がそんなにいけないわけではないと私は思っています。
食べすぎがアカンのです。
少食も良くないと言う説も最近出てきています。
この近藤さんも3食食べなさいと書いてますが、、、、それも木を見て森を見ずですね。
3食食べないと健康を保てない人と、1食で健康を保てる人がいるという事なのです。
どの説も正しいし間違っているのです。
少食を良いと言っている人は少食で体調が良いのですから、わざわざ3食が良いと言う人の意見を聞いて3食にする必要がありません。
そして3食食べて調子が良く、食事の量を減らして体調が悪くなる人は3食を食べていればいいわけです。
また私は玄米がカラダに合いません。またローフードもダメです。
胃腸が弱いと、この食養生は結構な負担になるのです。
玄米やローが良くないと言う事ではなく、私には合わないと言う事なんですね。
玄米を食べると途端に体が重くなり気持ちが悪くなる。消化しきれないのです。
そして玄米は身体の微量元素などの栄養素を体外に排泄するデトックス効果が高いので、元々そんなに栄養を取っていないし、化学物質もほとんど口から入れる事もありませんので、排泄するものがあまりないカラダに玄米は結構厳しいのです。
身体に排泄しきれない有害物質がたまっている場合には玄米は有効です。
病気の人が玄米を食べるようになった途端にカラダの調子が良くなるという現象があります。
これは身体にたまった有害物質が排泄されて一時的に良くなったという現象なんだそうです。
またローフードも同じです。
体が冷えてくるし、重くなる。
火を通した食材は火のエネルギーも一緒に摂るという事です。
食事と言うのは食材のエネルギーを食べて血肉にしていますが、目に見えない自然エネルギーも頂いているわけです。
元々、冷えが体に深く入っていた体質がありましたからね、私にとっては火のエネルギーってとっても大事なわけです。
それを全て生で食べるとなると途端に体冷えてきます。
そして食材が調理されていませんので分子構造が大きい。
分解されていませんので消化しにくいのです。
例えばりんごのペプチンは熱をかける事で分子が再分化されてとっても吸収されやすくなるのです。
なのでリンゴを摩り下ろしたものを温めて食べるとペプチンが最大限に身体に吸収されると言われて、りんごは温めて食べると良いという話もあるほどです。
要するに食材は熱をかける事で分子を繋いでいる鎖が切れて細かくなるので消化吸収がされやすいという事なのですね。
なので消化力があり、熱が体にこもって体格が大きい人にはローフードはとっても体に合っているのでしょう
消化力が無い、線の細い冷え体質の人はあまり合わない可能性があるのです。
私が推奨している白湯もそうです。
白湯は万人に良いわけではないと私は考えています。
体に熱がこもっている人は白湯よりも常温の水が良いでしょうしね。
そういう風に十羽一絡げにして食養生を語るのは世間を混乱させるだけなのです。
医療も恐らく同じ事が言えます。
その人にとってのベストは何か・・・・それは他人が考える事ではなく自分自身がまずしっかりと考える事が大切なのです。
そしてわからなければ人に聞き、調べ・・・・最終的に判断するのは自分だという事なのですね。
外から入ってくる情報を鵜呑みにせず、「なぜそれが良いのか?」を自分で考えて行動する事なのです。
自分の行為の根拠を明確に自覚するプロセスが大切なんだと私は思うのです。
今回のこの本を読んで思ったのは食については食の専門家に、医療については医療の専門家に・・・・そういう風に住み分けする必要があると実感した次第です。
良い本です。
読んでみてください。
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