「高血圧症」と聞いて皆さんはどれくらいの数値になったら高血圧症と言う病気なんだろうな~と思われているでしょうか?
高血圧と病名をつける為の診断基準は、ほぼ数値のみで判定します。
ですので、この数値の認定の仕方が変化すれば今までの「正常」が「異常」になり、「異常」が「正常」になる。
「正常」を「異常」にし、「異常」を「正常」にする為には、大きくこの数値を改ざんする必要はなく、この数値の幅を少しだけいじれば高血圧症と診断する数が変化するのです。
例えば正常とされる数値の幅を狭くすれば、途端に異常とされる数値の幅が広がります。
そうすれば途端に高血圧患者がドバッと増えるのですね。
私が病院に勤めていた頃は高血圧症予備軍かな~と疑われる血圧は160~180前後が推移する場合だ・・・
あの頃はまだグレーゾーンの幅が広かった。
ずっ~と慢性的に170~180以上を推移し、時に200以上を叩き出せば高血圧症だと病名がつく程度にゆるかった。
20代30代の若さで、160を超えれば要検査になるでしょうが50も過ぎれば160くらいで投薬もしなかったような記憶があります。
まあ理想的には160 以下が望ましいですよ。と、緩い数値設定だったのです。
病気になるハードルが高かった時代です。
恐らく基本、自覚症状がなければ様子を見ましょうね・・・・的なゆるさだったように感じます。
さて血圧の基準値の歴史ですが、その昔、私がまだ子供頃は年齢別平均血圧を算出していた。
そして1970代頃から年齢別の基準からWHOの基準を見習って、上が160~180、下が90~105は軽症高血圧になりました。
私が病院勤めをしていたのはこの頃ですね。
しかしここへ来て、さほど大きな理由もなく短期間でどんどん基準値が下がっていっているのです。
長らくこの160以上という数値が基準になっていたのですが、2000年の改定基準では、140/90以上が高血圧とされ、健康でいる為の目標数値はさらに低く130/85未満にされてしまったのです。
140だと軽い高血圧症と診断されてしまい、下手したら投薬されてしまう可能性もあるのですね。
それでも60歳以上の高齢者の基準はもっと緩やかに設定されていたようです。
しかし驚く事に2004年改定では高齢者にも、60歳未満の基準で降圧剤を使うこととされてしまいました。
さらに2008年度からメタボ健診が実施されています。
メタボ健診の基準では、収縮期血圧(上の血圧)130mmHg以上、もしくは拡張期血圧(下の血圧)85mmHg以上で特定保険指導の対象となります。
130で指導が入るのですか????と言いたくなります。
なんだか医師会と製薬会社が結託した“患者の大量生産”が目的の数値の改定と思ってしまうのは私の心根が腐っているからでしょうかね。
さて・・・・
この数値の改ざんとも言える高血圧の基準値のトリックには裏話があります。
1993年頃にですね、WHOと国際高血圧学会(ISH)が、新しい分類法を発表したんですね。
これは
血圧の正常値を「最高血圧が140未満、最低血圧が90未満」
要するに
最高血圧が【140】
最低血圧が【90】
のいずれかを超えたときには、「境界域高血圧」と呼ぶことにしましょうね。
と・・・・・「境界域高血圧」と「高血圧症」は違います。
これを大きく勘違いしてしまったんです。
わざと勘違いしたのか、うっかり勘違いしてしまったのかはわかりませんが・・・・
これは正常値と異常値の間に、グレーゾーンを作って、より血圧の診断を緻密にしたわけなんですね。
140~180くらいまでは高血圧になるかもしれませんので注意して生活をしていきましょう~と言う注意喚起のゾーンなんですよ。
要するに疑わしきは罰せず・・・的考え方です。
が、これをなんと日本では悪い方(つまり医者がトクできる)に解釈することしてしまったのです。
いつのまにか日本では最高血圧なら140、最低血圧なら90の、いずれか一方が超えても高血圧ということになってしまった。
要するにグレーゾーンも犯人です!!と断言してしまっているのです。
疑わしきは罰するですね(笑)
これで高血圧の患者が急増した事は言うまでもありません。
そしてついにテレビのCMでも130を越えたら高めですので注意~という言葉を盛り込んだ音声が流れるようになりました。
今では血圧が130未満が正常値とされている事に驚きを隠せませんし、怒りを覚えます。
まして高血圧の基準値は老若男女に関係なく一律!です。
それはアカンでしょう!!
人間の体の正常な仕組みとして、カラダは年をとると血圧を上げようとするのです。
加齢で血圧が上がるのは生体が正常に働いているという証拠なのです。
年をとると様々な臓器が硬化傾向に傾きます。
もちろん血管も例外ではありません。
加齢に伴い、動脈も老化して細く硬くなり、血液を先に送る力が衰えます。
その影響で血液の流れが悪くなり酸素と栄養素をカラダの隅々まで運べなくなります。
そこでカラダは脳や手足の隅々まで血液を送るために血圧を上げて(血液を送り出す力)送ろうとするのです。
それを無理に薬で下げてしまうと、血液の流れがいっきに悪くなります。
ことに肝心の毛細血管の血流が悪くなり、栄養素の取り込みも老廃物の排出も滞ります。
ですので自己治癒力も低下して、なんだか元気だったのに降圧剤を飲むようになって体調が優れない・・・・眩暈やふらつきと言った症状を訴える人も出てきます。。
単なる血圧下降による脳血流の低下なのに「薬の副作用」と言う言葉で片付けられてしまうのです。
脳の血流が悪くなると認知症なのが進むという事も無きにしも非ず・・・・
血流が悪くなると・・・もちろん血管を詰まらせて梗塞と言うことになりかねません。
ただ血圧が高すぎて放置した結果ラプチャー(破裂)という事態にもなりえますので・・・・血圧の下げる上げるは慎重に行っていく必要があると言う事なのですね。
安易に薬に頼らず、色々と試してから薬を飲むというクセをつけた方がいいように私は思うのです。
こう言った事から、すべての年齢に同じ基準値を当てはめるのはあまりに安易するぎると私は思うのです。
80歳で160ならほぼ正常な生体の働きだと言えるのですが・・・・・医者に行くと高血圧の薬が投薬されるでしょう。
ただ薬で下げるだけだと怖いですよね。
一緒に血流もよくするお薬でも出してくれるならまだ良いお医者さんだと言えますがね・・・・
ただこれにもまたカラクリがあります。
多重投薬・・・これも商法の一つですから。
また話がそれてしまいますので、多重投薬商法の話はまた今度・・・・と言う事で・・・・
血圧の話に戻します。
正常血圧値を年齢別に設定をすれば恐らく高血圧と診断される人はとっても少なくなるはずです。
だって年齢が行けば血圧は上がって至極当然な通りですからね。
それを現在のように一律にしてしまうから高血圧患者が増える。
現在、高血圧症という病気の患者にされてしまう人は、全国で5000万人もいます。
だって50も過ぎればほとんどの方の血圧が130なんてすぐに越えてしまいます。
治療対象になってしまうわけです。
市場調査は1988年には降圧剤の売り上げが2千億円だったのが、2008年には1兆円を越えています。
20年で約6倍です。
これを称して巷では「血圧商法」と呼ぶらしいです(笑)
基準値を決める人達の団体には製薬会社から多額の寄付金が渡っている事も事実です。
原発商法しかり
血圧商法しかり
乳がん商法しかり
メタポ商法しかり・・・
なんでもお金を得る為のビジネス商法なんですよね。
これら商法は振ると大金がザクザク出てくる打ち出の小づち・・・・いやいや大づちなんですよね。
文句ばかり言ってても仕方がありません。
私達はそういう商法に引っかからない為に賢くなる必要があるのです。
なんでも医者まかせにしないでしっかりと自分の体の事を勉強する。
これで大事です。
医者も元々は素人です。
医者ほど勉強しろとは言いませんが、学校の生物で習う程度の生体の仕組みは理解しておくべきです。
自分達の持ち物(体)の事です。知らないでは無責任すぎます。
そして丁寧に扱うのも大事な事です。
自分のカラダの事を人任せにして人を非難するのは一番卑怯だと私は思っています。
検査の数値を当てにしないで自分の体の力を信じる。
その為にもまず自分で自分のことを知る。
そこから始める事が大事だと思います。