母道江(以下道江)は4人姉妹の3番目。
一番上の姉を追いかけて福井の芦原から大阪に出てきた。
福井にいるときは看護師をしていたらしいのだが、何を血迷ったのか、大阪ミナミの町でホステス稼業にどっぷり。
道江がホステスをしているときに知り合った、呉服問屋の男が私の実父。
もちろん妻帯者であるから、私が私生児になったのだが。。。。この呉服屋、私と同じ年の子供(男)がいる。
経緯がよくわからないが、とりあえず道江は捨てられた。(ありがちな話)
しかし私を生んだ。
私なりに考えたのだけども、普通なら堕胎するでしょう・・・我が身はホステスで客と不倫・・・で、身ごもった・・・・これ反則とちゃう????ホステスの方の・・・
と私の常識センサーは働く・・・・・
実際のところはよくわからない。
男と女のことは当事者でなないとわからないことがほとんど。
羅生門の世界が展開する。
男の言い分、女の言い分、第三者の言い分。
多分三者三様すべて違うはず。
どれが正しいか間違っているかという問題ではない・・・
真実は1つではなく、真実は3通りあるということ。
男は言う
遊びのつもりだったし、女が勝手に生んだ。
女は言う
男が一緒になると(好きと)言ったから生んだ。
ホステス仲間が言う
騙された女が悪い・・・・・・
どれもこれも真実
捉え方で真実は変わってくる。
今、私達が生きている世界は決して単純ではない。
縦横無尽に糸が絡み合い、複雑な世界が織りなされていく・・・・
それも立体的であるから余計に事は複雑になる。
同じ現象でもそこにはパラレルな世界が存在する。
自分が想像する世界以外のものも、たくさん存在するということ。
そして自分の思いがストレートにちゃんと他者に伝わるということは、かなり難しいということを認識した上でこの世界を生きていく必要がある。
なんとなく分かり合って人は生きていく。
なんとなく分かったつもりで人は生きていく。
言葉は真実を伝えないが、伝える方法は言葉しかない。
その伝え切れない言葉を屈指して、どのように言葉を発すれば人に伝わるか・・・・それを人はしっかりと考える必要がある。
コロコロ言う言葉が変化したら、人の心には引っかからない。
伝えたいことは、あきらめずに一貫して言い続ける。
同じ事を言い続ける。
それが人の心に刻むことができる唯一の方法。
それぐらいに人と人が本当にわかりあうという事は難しいことなのです。
私のルーツの根本には、人と人がわかりえなかったという悲しみ刻まれているのです。