久しぶりに西成人の話を・・・・
まだまだ私の心に刻まれている、西成人はたくさんいるのだけども、今日は人間という生き物の底知れぬ本能のパワーに迫ってみたいと思います。
じゃじゃーーーん(≧∇≦)~~*
西成人はとにかく不衛生である。以前にも言ったが・・・体に黒かびが生えるほど不潔(。_+)\
しかし人間とはこんなに強いものか・・・・と毎日が新鮮だった。
へぇ~へぇ~(゜ー゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)の連続。
「すんげぇ~すんげぇ~(((o(^。^")o)))」と人間の凄さを目の当たりした。
「人間ってこんなんでも生きていけるんやな~」と感慨深くなることも日常的。
今の日本はあまりにも清潔すぎる・・・・消臭グッヅがこんなに売れる国はない。ある意味異常に潔癖である。
西成人は通常では重症で食事は食べれないだろうに・・・・と思うほどの病状でも食事を出すと食べる・・・・のである。
運ばれて重症と判断すると、基本的には絶食にしておく。
しかし食事の時間になると、匂いで目を覚まし(さっきまでの意識障害はなに??)
「ワシのメシは??( ・◇・)?(・◇・ )」と聞いてくる・・・・
「絶食やから出ぇへんで~」
と言おうもんなら・・・・激怒・・・激高かもしくは意気消沈・・・・で悲しい顔をする・・・
もちろんほんとに絶食にしなければいけないような病気・・・・例えば吐血とか、心臓系、脳梗塞系などは嫌がをでも、無視する。
しかし気分さえ悪くなければ、食べてもよいような患者さんだと・・・・
「でも、食べられへんやろ?そんな苦しい息してんのに・・・」もしくは「高熱出てんのに・・・・」
と絶食を納得させる会話が続く・・・・
「いや!!!食べれる!!!ヾ(。`Д´。)ノ」と強固な顔
「じゃ~夜から出してもらえるように先生に言うて見る」
「夜からとちゃう!!今出して!!o(;△;)o」
「悪いけどもう間に合えへんねん。。。。。ごめんな~」
「・・・・・・( °д°)」
大概は夕食まで我慢してもらうが、あまりに激怒する人や悲しい顔する人には、朝ご飯で残ってる食パンを出すことがある。
しかし重症な人が食パンという、極めて喉に通りにくい食べ物を食べるわけが無いと思うでしょ。
私もそう思うけど・・・とりあえずその場をおさめようと試みてみるのである。
皆さん想像してみてください。
インフルエンザで高熱が出て吐き気頭痛があるときに、パサパサの生の食パンとマーガリン・・・・食べれます?
それがムシャムシャ食べきってしまうのです。吐かずに・・・・
完食∑(゚Д゚)
それぐらいに初期の欲求に対してのパワーが私達常人とは違うのです。
この時代にマズローの欲求段階説である、一番根底にあるもっとも基本的な欲求「生理的欲求」が満たされていないのです。
だから反対に言うと生命維持に対する機能が格段レベルアップしている。。。。と・・・・・
どんな状況でも食事をとる力がある。だから回復力もレベルが違う。
生命力があるのか・・・ないのかよーわからん・・・・って感じです。
こりゃーもうあかんやろ・・・・と思うような病状でも、見る見る復活していく。
点滴や薬に対して、普通よりも反応がよいのだ。
それら科学の力に対して耐性がないから効きがよい。
私は今まで得た経験や知識を全て、フォーマットしなければいけない状況となった。
まあ、だからと言って全てがそうとは言えないのである。
重症の場合の判断として初めの6時間がとっても大切なのである。大丈夫そうな人でも突然にベットの中で冷たくなってる事もある。
どんな生活だったかや病歴や持病・・・今に至るまでの経過などがまるっきりわからない。
家族ももちろんいないし、本人に意識があってもその情報が嘘っぱちであることが多い。
血液データーもあまりあてにならない。元気な人も元気でない人も誰もがすごく悪い血液検査の結果であるから・・・死に至るようなデーターなのか、そうでないのかが判断できないのである。
恐ろしいほどの貧血でも、そのまま元気に帰っていく人もいる。同じデーターでもそのまま死んでしまう人もいる。
まったく読めないのである。
そうなると・・・・経験則からの「感」が開花し始めるのです。
私はこの病院で、場を読むということを修練したのでした。
次回はこの西成人の強さを強固に知らしめた出来事・・・「ウジ虫編」をお届けします。