入った病院での出来事は、私の常識や価値観を一掃されてしまう毎日であった。
就職して6年は病棟勤務だったので、患者さんは皆、既に酔いが醒めて、キレイに清拭された状態で病棟に上がってくる。
だから西成の風情は垣間見るが、もろに実感として体感することはなかった。
勤務6年目が終わるころ?だったと思うけど、突然に救急外来&OP室の主任の辞令がおりた。
最悪な状況での辞令であった。
救急外来を改革する為と、その悪の根源であった主任を辞めさすために私が投入されたのである。
だから私が救急外来に移動になったときは、主任が2人存在することとなった。
救急外来には看護師長が不在であったので、事実上【主任】という役職が救急外来&OP室のTOPとなる。
私はたった一人でその旧勢力派閥に入ったいった。
まして20代は私だけ・・・・あとは皆年上でおばちゃん連中・・・・・
すんごい分厚い壁を四方八方に作られて立ち往生・・・・状態で私は根性で毎日出勤した。
移動から1週間で私は40度の高熱で倒れた。風邪だったけど、どう考えても精神的ストレスによる免疫力低下である。
労災や・・・
それから1週間、死ぬ思いで布団に伏した・・・・・
熱が下がってなんだか吹っ切れた・・・・私は腹をくくって場を仕切りだした。
ヤクザの世界を知っててよかった~ε=(。・д・。)とこの時初めて思った。なんも恐わあらへん・・・・・と思えるのである。
しかし今こういう風に書くとかっこいいけど・・・
もうぼろぼろビリビリヘロヘロで毎日毎日壁にぶち当たりその度に、頭がグルグルグルグルしてへし折れそうになること二日に一回。
女ばかりの職場は壮絶である。
物事がことごとく前に進まないのである。でも患者さんはどんどん入ってくるから仕事はやらなきゃいけない。
投げやりになり、感情的になり、もうだめだ~と弱気になり・・・・でももうひとりの勝気な自分がこいつらに負けてたまるか!!(`m´#)という思いだけが私を奮い立たせた。
どうせ辞めるならこいつらもろともや!!!こいつら全員辞めてから最後に辞めてやる!!!と思っていた。
だって悔しいし・・・・負けるの・・・・
ある意味病院という所は、正しい事というものがはっきりしている。
患者さんの命を守るという命題がある。またこの病院は私立の病院であるから利益も上げなければいけない。
この2点を盾に私は今までのやり方を変えていった。この盾は誰にも文句を言わせない盾である。
それにオーナーも見えないように盾になってくれていた。
そして何よりも私は誰よりも働いた。
朝は一番に出勤し、夜勤明けのスタッフの手伝いをし、だれよりも遅く帰り夜勤のスタッフの仕事を減らして帰った。
そして新しい若い優秀な夜勤バイトを入れていった。優秀なスタッフと常勤のスタッフを一緒に組ませ夜勤をさせるのだ。
そうすると力のないスタッフは自分の無能さを感じ、追い付けないものは辞めていく、向上心のある物はスキルが上がる。
どのように働けば気持ちがすっきり気持ちがいいかということを覚えていくのである。
しばらくすると旧主任が辞めた。(やったーーー)
\( 〇 ⌒ ▽ ⌒ 〇 )/
そして常勤スタッフも若い子をどんどん入れて、一部旧勢力スタッフは病棟に移動させて力を分散させていった。
一年もするとスタッフ全員が私の言うことを聞くようになり、風通しの良い部署に変化した。
もうこれで辞めてもいいかなと思うどころか、自分の部署になると面白くで仕方がない。
私はこの救急外来とOP室の仕事を満喫していくのであった。