2021年3月31日(水)日経朝刊1面に「NTT、セブンに再生エネ 長期契約 脱炭素へ小売りと協議」との記事あり。
NTTはセブン&アイ・ホールディングスに再生可能エネルギー電力を供給する。
店舗の脱炭素を進めるセブン&アイのために専用の太陽光発電所を新設、20年の長期契約で電力を販売する。
政府は脱炭素の政策を掲げるが、再生エネ電源は足りていない。
大口需要家との長期契約を裏付けに発電所建設に投資する事業モデルは国内の再生エネ電源の底上げを後押しする。
NTTはエネルギー子会社のNTTアノードエナジー(東京・千代田)が千葉県内でセブン&アイ専用の太陽光発電所を2カ所新設、6月から首都圏のセブンイレブン40店などに電力を供給する。
対象の店舗は東京電力などから乗り換える。
NTTは2020年夏に再生エネ事業の拡大を明らかにしてから初の大型契約になる。
年1千億円を投じ、小型発電所や蓄電設備を全国に設ける。
約7300カ所の電話局も活用する。
地域密着型の発電能力を備え、各地の既存電力会社からの乗り換え需要を取り込む。
セブン&アイは50年までにグループの小売店舗で排出する二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにする計画。
コンビニが大半を占める全国約2万2千店への再生エネの拡大はその柱となる。
企業の電力調達は毎年見直すのが一般的で、20年もの長期契約は珍しい。
あらかじめ有力な固定客を得ることで、NTTは発電所の建設に投資しやすくなる。
セブン&アイにとっても再生エネを一定のコストで安定調達できる利点がある。
料金については通常の電力を若干上回る水準で折り合ったもよう。
コンビニのフランチャイズチェーン(FC)加盟店に再生エネを導入する場合、セブン&アイはオーナーの負担を抑えるための支援策を検討する。
政府は50年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロにする方針を掲げる。
課題のひとつが発電量全体の2割しかない再生エネ電源の拡充だ。
発電事業者側の投資リスクを抑える今回のような取引モデルは発電所への投資を後押しし、再生エネのコストも下がる好循環が生まれる可能性がある。
太陽光発電の価格はこの10年で3分の1に下落したが、小売業界は製造業に比べて導入が遅れている。
小売業の売上高営業利益率は18年度に2.8%と製造業の約半分。
化石燃料を使う電力よりも割高な再生エネを使うと利益が圧迫されることへの懸念から、多くの企業が敬遠してきた。
NTTは20年に打ち出した再生エネ戦略で、太陽光、風力、地熱などの自前の発電所を増やすと表明。
自社グループが消費する電力の3割を30年度までに再生エネに切り替え、外部への電力販売にも本格参入する方針を打ち出した。
セブン&アイなどの大口需要家を取り込むことで外販事業の着実な拡大をめざす。
再生エネ事業では内部収益率(IRR)5%以上を目安にしており、投資回収しやすい長期契約は事業拡大の追い風になる。
セブン&アイはこれまでに横浜市内のコンビニ10店舗で、敷地内に太陽光パネルを導入して再生エネへの完全切り替えを実現した。
だが余った電気を蓄えておく蓄電池の導入などでコストがかさむため、再生エネ事業者から電力を購入することにした。
