2021年3月27日(土)日経朝刊4面(総合3)に「脱炭素30年目標議論へ 有識者会議今夏に計画 座長に伊藤氏 学習院大教授」との記事あり。

菅義偉首相は26日の閣僚懇談会で、温暖化ガス削減を議論する有識者会議を新設すると表明した。

学習院大の伊藤元重教授が座長に就き、2030年の削減目標や炭素税のあり方を検討する。

 

今夏に関連政策の計画策定をめざす。

加藤勝信官房長官は同日の記者会見で「グリーン社会の実現に向け気候変動対策を分野横断的に議論してほしい」と説明した。

31日に初会合を開く。

伊藤氏は安倍晋三前政権で経済財政諮問会議の民間議員を務めた。

首相は脱炭素戦略を「成長の原動力」と位置づける。

 

民間議員として成長戦略を提言してきた伊藤氏がふさわしいと判断した。

脱炭素実現は電力や自動車、製鉄などの業界の協力が欠かせない。

ソニーの吉田憲一郎会長兼社長は再生可能エネルギーの規制緩和の要望を政府に求めた。


首相は9日、環境問題について意見交換した。

金融庁が気候変動リスクへの対応を促すメガバンクから三井住友フィナンシャルグループの国部毅会長が入る。

小売り最大手のイオンの三宅香氏も参加する。

首相は4月前半に日米首脳会談に臨み、22日に米国主催の気候変動サミットに参加する。

米国などは30年の排出削減目標を重視しており、まずは政府目標づくりを急ぐ。

いまの目標は安倍前政権が15年に決めた「13年度比で26%減」だ。

主要国の多くは50%を上回る数値を示しており、日本も従来目標より削減幅を広げる。

有識者会議では30年目標に加え、温暖化ガスに価格をつける「カーボンプライシング」も議論する。

欧州連合(EU)などは温暖化対策が不十分な国からの輸入品に価格を上乗せする「国境調整措置」に前向きで、日本としての対応を議論する。