香月牛山「老人必用養草」という本があるのを
ご存知でしょうか?

この本は元禄(今から300年前江戸時代)
に老人の養生の心得、飲食、生活環境、
心身の養生について述べたものです。

書いたのは儒者で医学にも通じていた
香月牛山(かつきぎゅうざん)。
この方は「養生訓」で有名な貝原益軒に学んだ人らしい。

私がもっているのは
もちろん現代語訳したものです!(笑)

でもこういう昔の文献が好き。
そして意外と面白い!

そして老いのスタートは陽気が半減
してくる40代からです。

最近、当地長野県では害獣駆除のため
ジビエが流行っています。
(主に鹿ですが)

ジビエは本場ヨーロッパにおいても
脂肪分がたまりやすい晩秋から冬がシーズン。

薬膳としてもジビエに総称される
鹿、野鳥、イノシシなどは
体を温める作用が強いため、
寒さの強くなる冬に食べるのがよいとされています。
なので暑い夏に食べると大変ですね。

本書ではどうかというと・・

基本的に獣肉は老人に効果がなくたまに
魚か鶏を食べるぐらいがよいとされる。
そして鶏の中には鶴の文字が!!
鶴はどんな味なのか・・・気になる。

まあそれはいいとして

老人の場合
鹿肉を入れた味噌汁の汁だけ飲めば
血液を増す効果がある。
しかし、鹿はさまざまな薬草の芽を食べるので
鹿肉を食べた後は薬の効果がなくなるそうです。
「本草綱目」という中国の書にも書かれているそう。

えんめい茶の説明書きにも
鹿が食べるものをよく観察して
それをお茶にしたとか書いてあったような。
意外と総合的な漢方的薬効が鹿にはあるのかと
思ってしまいます。

でも基本的には我が国の風習では
鳥獣の肉はけがれているとして、食べないように
戒められているのは、意義深いことであると書いてあります。

ご興味ある方は読んでみてくださいね。