■小1ちゃんの本音

先日のお悩みトークの場で、小1の女の子がこうお話ししてくれました。

「弟(1歳)に邪魔をされる。ママが引き離して弟の相手をする。ママにはついていてほしいが、弟に取られる」

そしてそのお母さんのお話。

「気になるところや間違えたところを指摘すると(子どもが)怒る

 

指摘されるくらいなら、お母さんには弟を別室に連れて行ってもらっていればいいのではないか?と思いましたが、そうではないのです!

彼女はお母さんに「ついていてほしい」そして「間違いは指摘してほしくない」のです。つまり、隣にいて、見ていてほしいのです。私が長文のブログを書きましたが、そんなに冗長な内容ではなく、お子さんの願いは本当にシンプルなのです。

 

小さい弟さんがいるとなかなかそんな時間は持てないかもしれませんが、せめて週末などパパのお力を借りられるときは、練習する隣についてゆっくり見守る時間を持ってみてほしいと思いました。

 

■レッスンで覚えて帰るべきものとは

そして、もう一件お悩み相談が残っていました。

これはまた別の小1女の子「指先だけ力を入れようとしたら全部入っちゃう。弾くのに一生懸命で、脱力できてるかどうか分からないので、そのまま弾いてる。小指ばかり弾いていたら小指が痛くなる」というお悩み。

 

まずね、小指が痛くなったらそれは良くないので、すぐ休憩してね。

そしてその前の脱力に関するいろいろなお悩みですが・・・小1の彼女が分かる言葉でお返事しようと思います。

 

『それはね、レッスンに来て、先生に手を持ってもらって弾いたり、教えてもらって弾いた時の体の感じを一生懸命覚えて帰ってね。手がどんな感じだったか、体がどんな感じだったか、出来るだけ長く覚えておいて、お家に帰って練習するときに、こうだったかな?ああだったかな?って、体の感じを探しながら思い出してね。それが練習なのよ』

 

そう、レッスンとは、私の体から生徒の体へ、私の手から生徒の手へ、指から指へ伝わる感覚を一生懸命に覚える、その時間がレッスンなのです。レッスン中、私は結構生徒たちの背中や足を注意しますし、座り方や足の置き方をこだわります。背中は、体幹はしっかりしているか?肩や腕、手首に無駄な力は入っていないか、手指の関節はしっかりしていて、きちんと指先に重さが落ちるか。これをずっと伝えています。

楽譜が読めない時は、どうやったら読めるようになるか?一緒にプロセスを歩みます。

美しく弾くために、どう歌って、どうやったら体から気持ちを溢れさせることができるか、見てもらい触ってもらって伝えています。

この時の感触を魂に刻み込む時間が、レッスンなのです

お母さんは残念ながら、この感触はお分かりいただけていないと思います。私の手から伝わるものを受け取っているのは生徒ご本人です。

 

■本当の家庭練習とは

そして、この感触を次のレッスンの一回めの演奏までにどれほど覚えていて、どれくらい再現できるか?が、上達です。

そのために、お家で「レッスンで先生にやってもらったあの感じは、どんな感じだったかなあ??どうやったらあの時のいい音が、出るのかなあ?パァ〜〜〜っと弾けたあの感覚を、もう一回味わうには、どんな呼吸だったかなあ?」と探すのが、家庭練習です。

これが、お部屋にぽつんと1人でできるのは早くても中学生くらいではないでしょうか。

小学生には、是非とも孤軍奮闘する側で見守ってくださる保護者が必要です

お母さんにダメ出しをされてその通りにしてくるのが練習ではないのです。

 

そのために、電子ピアノではなくアコースティックなピアノが必要なのです!!!

 

長くなりましたが、次の投稿で一連の記事は最後になります。