AAAというアーティストを知ったのは、好きな映画監督園子温の「愛のむきだし」を観たとき。

 
DVDにて二枚組になるほどの長編大作に満島ひかりさんとともに主演されていたのが、AAAのメインボーカルの一人西島隆弘さんだった。
薄く知ってはいたけれど、あどけなさとしなやかさを併せ持つ演技に魅了されて、彼のもともとの活動を知りたくなりTSUTAYAにAAAというアーティストのCDを借りに行ったのが始まりだ。
そんな昔のことでもないのに、楽曲を得る方法に少しだけ時代を感じる。
 
聴けば聴くほど好きになって、最初は何人なのか、誰がどれなのかも分からない状態から、曲を聴けば誰の歌声かわかるようになったときにツアーに参戦した。
ファンクラブにも加入した。
 
もちろん1番の推しは、好きになるきっかけをくれた西島隆弘さん。でもどのメンバーにも個性があってそれぞれに自分の道を模索している感じも好きだった。オーディションで選ばれたメンバーなので学生時代からの仲良しメンバーとは違うけれど、グダグダのMCから醸し出される仲の良さも好き。
 
そこからはツアーには欠かさず参戦している。西島隆弘さんのソロ活動も応援している。
 
で今年、あのリーダーのことがあった。
事件についてはお相手もある話だし、わたしには何も言えないけれど、いろんな事情があるのだろう。活動については残りのメンバーで続けられている。
 
そして5人でシングル発売となったときには、そうかぁ、と少し思ったけれど、歌の魅力は変わらずでそれぞれソロ活動をしているだけあって安定の歌唱だった。
 
そして、ドームツアー。
もう先々まで決まっていたスケジュールなのかもしれないけれど、いよいよ来たかという感じがしないでもなかった。
 
そして来てしまった、ツアー参戦当日。
好きな西島隆弘さんが直前にポリープ手術をしていたということもあり、それにすごく気を取られていたけれどいざ始まると、変わらず高音の伸びと澄んだ歌声にほっとした。
 
そして、いろんな楽曲をアレンジを加えて5人編成で難なくこなすのはさすが。
ただ、やはりもともと7人用に作った楽曲が主だったため、どうしてもリーダーの抜けた穴を感じてしまった。
少し前、女性メンバーの一人だった伊藤千晃さんが結婚出産のために脱退。ただし、彼女は女性メンバーということもあったし、かわりに残った宇野実彩子さんのパートを増やしつつうまくカバーしていたけれど、メインヴォーカルで安定した歌唱力のリーダーの存在は思った以上に大きかったかなと思う。
 
もちろん西島隆弘さんも魅力ある歌声でソロではドームツアーもこなすエンターティナーなのだけれど、ソロ用の楽曲とメンバー用のとでは曲の色が違う。
やはりみんなで歌うからその魅力が発揮される。
 
そういう点ではやはり寂しさは拭えなかった。
 
彼の復帰については不透明。
わたしにも複雑な思いはある。
 
けれど寂しさはある。これは実際にみて、さらっと正直に今現在思ったこと。
 
きっと月日が経ったらまた、目に入ってくる景色が違ってくるのだろうけれど。それはそれでやっぱり寂しい。
 
5人で発売した新曲が、今回のツアーで一番良かった。こういうことなのだろう。