【以下ニュースソース引用】

「10秒間待ってから子どもに声をかける」を意識したら変わること 子育てに取り入れたいモンテッソーリ教育

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東洋経済オンライン

子どもは自分が「やりたい」と思っていることなら、集中して取り組みます(写真:Blue flash/PIXTA)

 

将棋の藤井聡太さんが幼少期に受けていたことでも知られる「モンテッソーリ教育」は20世紀初め、イタリアの精神科医マリア・モンテッソーリさんが始めた教育法です。 

 

マリアさんは子どもたちを注意深く観察するうちに、「子どもは自分が選んでやりたいことをしているとき、集中する」と発見しました。

 

「集中」はモンテッソーリ教育のポイントの一つとなっています。

 

 子どもに「集中して◯◯してほしい」と考える保護者は多くても、なかなか思い通りにいかないもの。

 

そこで本記事では、モンテッソーリ・ホームレッスン代表の菅原陵子さんの著書『世界一やさしい おうちゆるモンテッソーリ』より一部を抜粋・再編集し、日々の子育てに役立つヒントをご紹介します。 

 

【イラストを見る】「おふろに入りなさい!」遊んでいる子どもにいきなり声かけする親は多い

 

■ちょっとやってはすぐ別なことをする

 

  「ちょっとやって、すぐほかのことに⽬移りしているように⾒える」子どもには、必ず理由があります。

 

  おもな理由は、次の4つです。

 

 1:興味があるものを探している状態

 

 2:もののしくみが知りたい子

 

 3:家庭の⽣活リズムがあわただしい

 

 4:やろうとしていることのレベルが、その子に合っていない 

 

 1は、まだ興味のあるものに出会えていないだけ。

 

これから⾒つけていく楽しみがあります。

 

 たとえば、成⻑していく中で、それまでに見たり聞いたりしたものがその子の中に貯まっていきます。

 

するとそのなにかが特定の興味に結びつき、グッと引き込まれていったりします。

 

  この場合、親が子どもに興味がありそうなものを選択肢として提供するのはいいのですが、あくまでも⼦どもの時間とスペースを⼤事にしながらのんびりかまえているようにしてください。

 

  2の場合は、基本的に「じっくり活動する」という姿は⾒えないことが多いです。

 

もののしくみがわかったとたんにやめることも多いので、気持ちにムラがあるように見えるかもしれませんが、⼦どもの中ではきちんと目的が達成されています。

 

■“忙しすぎ”て集中しづらい環境になることも

 

  ⼤⼈がサポートできるのは、3と4の場合。

 

  「座っていられないために落ち着きがない」感じを受けるお子さんに多いのが3のタイプ。

 

  この場合はお子さんだけの問題ではなく、親が「あれもこれもしなくちゃ」と思っているご家庭によく見られます。

 

つまり、家での生活が忙しすぎるのです。

 

  「時間通りに〇〇しなくちゃ」とか「〇〇するなら△△」からとか、「そのついでに〇△と◇〇も」など、ものごとを効率化しようとするご家庭が多いのも特徴の一つです。

 

 そんな忙しい生活では、⼦どもはやりたいことの時間を十分に持てなかったり、細切れ時間での活動になってしまう=集中が切られてしまうことになり、集中しづらくなります。

 

  また、やることを詰め込まれてしまうと、進捗や時間を親に管理されるので、子どもは常に受け身になり、親のタイムスケジュールに合わせるために緊張をしいられます。

 

そして、自分の中で集中できる習慣が育ちにくくなります。

 

  こういう場合は、大人が「すべき」ことやルールを減らすのがカギ。

 

生活の優先順位を決めて、順位が低いものを思い切って手放してみます。

 

そうすることで大人にも余裕が生まれ、子どもも変わっていきます。

 

■スモールステップを心がけて 

 

 4の場合は、⼦どもが興味を持ってやってみよう、と思うレベルの難易度になっていないことがあります。

 

  ⼦どもは、親が思っている以上にプライドが⾼い人です。

 

⾃分ができないことも、簡単すぎることもすぐ⾒抜き、積極的に取り組もうとしません。

 

  「ちょっとやってみてすぐやめる」というときは、簡単なものから複雑なものへ「スモールステップ」していくようにすると、いい方向に変わっていきます。

 

 いかがですか?

 

  子どもになにかしてあげられると思ったのに、「大人が、大人が」と、大人側が変わることを求められてがっかりされた方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

たしかに、いきなりガラッと変わることはムズカシイと思います。

 

  でも、以下にご紹介する「10秒ワーク」ならすぐにできます。思いついたときにちょっと10秒待ってみる。

 

そこから子どもをじっくり観察してみることをやっていくうちに、ある日「ふわっ」と変わります。

 

 子どもだけでなく、大人も「スモールステップ」です。

 

それだけで、子どもの敏感期と集中する姿がわかってくるので、ぜひしてみてほしいと思います。

 

 ■10秒ワークにチャレンジしてみよう!

 

   「子どもに声をかける前に10秒間待ってから声をかける」にチャレンジしてみましょう。

 

少なくとも、1日1回以上2週間くらい続けると、効果を実感します。

 

  たとえば、ご飯の支度が終わって遊んでいる子どもに声をかけるときなど、自分の用事が終わって、さあ次は! みたいな時がおすすめタイミングです。

 

 多くの場合、子どもの姿を見るよりも先に声を出していると思います。

 

あるいは、子どもがなにかをしているとき、思わず「こうしたら」と言いそうになるときも、このワークをするタイミングです。

 

  声をかけずに待っている10秒の間は「子どもがなにをしているのか」を見ます。

 

その間は、こちらから手を出したり話しかけたりはしません。

 

  そして、見ている間に自分がなにか思ったり感じたりすることがあれば、「私がなにを思っているのか」「なにを感じているのか」もそのまま感じます。

 

 また、10秒の間にもし、「あっ!」と思うようなことがあっても声をかけず、必要があれば必要なことをします。「必要がある」というのは、たとえば水をこぼしそうになった時などにコップをおさえるなどです。

 

  この時も声はかけません。また、このようにコップをおさえるなど緊急の対応をして子どもから反応があった場合、ただ微笑み返すなど、言葉に頼らずにコミュニケーションします。

 

菅原 陵子 :モンテッソーリ・ホームレッスン代表

 

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