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ごはん派とパン派、認知症になりやすいのはどっち? 実は「驚異的な違い」があった

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人が認知症になるかどうかは、体質や遺伝といった「運命」で決まると思われてきた。

 

だが最新医学の知見によれば、決してそれだけではない。

 

日々の積み重ねが健やかな脳を作るのだ。

 

  【一覧】「ストレス認知症にならないための10ヵ条」と「なりやすい人の特徴」 

 

前編記事『「AB型で右利き」の人は認知症になりやすい! 最新研究でわかった「驚きの理由」』に続き、認知症のリスク要因を解説していこう。

白内障の手術でリスク減

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現在、世界中の大学で認知症のリスク要因に関する研究が進められている。

 

今年の3月にも米カリフォルニア大学が、生まれつき脳のサイズが小さいと認知症になりやすいことを示唆する論文を発表し、学界で話題を呼んだ。

 

学習院大学教授の高島明彦氏が解説する。

 

 「この論文によると、世代を追うごとに脳のサイズは大きくなっていて、2070年代に生まれた人は2030年代に生まれた人に比べて頭蓋骨の容積が約7%大きいそうです。

 

現代社会はかつてよりも多くの情報が飛び交っているので、それを処理するために脳も巨大化したのだと思われます。

 

 アメリカでは認知症患者の割合が減少傾向にあり、論文の著者たちは脳の巨大化がその要因だと考えているようです。

 

大きな脳ではより多くのシナプスが結合して活性化するため、認知症になりにくいのでしょう」

 

 人間は、五感を通して外部から入ってきた情報を脳で処理している。

 

入力される情報が少なくなれば脳を使う機会も減り、衰えていくだろう。

 

 「ゆえに目や耳が悪い人も認知症になりやすいと言われています。

 

五感から入ってきた情報は、脳内で認知機能を司る嗅内野に集まりますが、情報量が十分でないと神経細胞が活性化せず、認知症リスクが高まる。

 

実際に白内障の手術をしていない人は、した人に比べて認知症になりやすいと言われますね」(高島氏)

歯の数が少ないとハイリスク

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目や耳以外の情報経路が衰えても、リスクは高まっていく。

 

 「歯の数が少なく、自分の歯で噛めない人はハイリスクでしょう。

 

たとえば入れ歯の人は周辺の歯までプラスチックに覆われてしまうため、食事の際に食感や味わい、温度などがわかりづらくなる。

 

口から入ってくる情報量が少なくなれば、脳の働きも低下するわけです。

 

 また自分の歯で噛んで口の筋肉を動かすことが脳の活性化につながるのはもちろん、歯が少ないと口腔内細菌に侵されやすく、一説には一部の細菌が認知症に関係していると言われています」(加藤プラチナクリニック院長で脳内科医の加藤俊徳氏) 

 

関連記事『日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?

 

日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由』では認知症予防に効く食べ物を紹介したが、逆もまた真なり。食の好みによっては、かえって認知症リスクを高めてしまうだろう。

 

 とりわけ小麦に含まれているグルテンは体内で炎症を引き起こし、認知症の原因物質のアミロイドの貯留を促すため、ごはん派よりもパン派のほうがハイリスクだと言える。

 

 加えて認知症専門医の稲葉泉氏が指摘するのは、もう一つの可能性だ。

 

 「本来グルテンはアミノ酸に分解されて小腸で吸収されますが、一部が分解されずに小腸まで届くと、ゾヌリンというタンパク質が分泌されます。

 

これが腸壁に穴を開けるとそこから侵入した異物が脳へと到達し、認知機能を低下させる原因の一つになると考えられます」 同じくうどんも小麦から作られるため、そばより認知症リスクが高い。

 

 「もし麺類を食べたければ、小麦粉を使わない十割そばにするといいでしょう」(稲葉氏)

ネコ派よりイヌ派

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世界保健機関は2019年、認知症のリスクを低減させるためのガイドラインを発表している。

 

そこで挙げられているリスク要因の一つが、「社会的な孤立」だ。

 

他者と触れ合うのが最善の解決策だが、前出の加藤氏は「ペットを飼うのもいい」と話す。

 

 「動物を飼うと飼い主は頼られていると感じて、ペットとの間に社会的な絆が生まれます。

 

またペットの世話のために行動することで、脳も活性化するでしょう」

 

 もし飼うならばネコよりもイヌがいい。

 

東京都健康長寿医療センターは2023年、イヌやネコを飼っている人は飼っていない人に比べて、認知症リスクが低いという研究結果を発表している。

 

 そのうえで飼っていない人を1とすると、ネコの飼い主の認知症リスクは0.98、イヌの飼い主は0.6で、ネコ派よりイヌ派のほうが低リスクだった。

 

毎日の散歩が運動する習慣やほかの飼い主との触れ合いの機会を生み、認知症リスクを低減させていると考えられる。

 

 2012年に中部地方で行われた調査でも、社会的な孤立が発症率を高めると報告されている。

 

同調査では、新聞を読む人に比べて読まない人は発症率が高いと明らかになったが、新聞を読むのは社会への関心が高い証拠であり、購読をやめると孤立が進んでリスクも高まる。

 

 環境要因の中にも認知症リスクを高めるものはあるが、そのうちの一つが家の立地だ。

 

2017年に発表されたカナダの研究によると、自宅が大きな幹線道路から近い人は離れている人と比べて、発症率が最大7%高いという。

 

 「大きな道路沿いは大気汚染が進むため、呼吸不全を起こしやすい。

 

それによって血中の酸素濃度が下がり、アルツハイマー型認知症の原因になるリン酸化タウタンパクが体内に溜まるのでしょう」(前出の高島氏) 

 

ここまで紹介したリスク要因の中には、努力で変えられないものも多々ある。

 

ネコ好きの人に「認知症予防のためにイヌを飼いましょう」と言うのも酷な話だろう。

 

過度に心配するとかえってストレスが溜まり、ますます認知症リスクが高まることにも留意してほしい。

 

 「週刊現代」2024年7月20・27日合併号より こういったリスク要因を抱えていても、生活習慣を見直せば認知症は予防できる。

 

続編記事『87歳の医師が「認知症にならないために実践する」毎日の生活ルーチンがヤバすぎる…!』で紹介しよう。

 

週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)

 

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