【以下ニュースソース引用】
なぜ!? 意外に多い、高齢者の適応障害。認知症と間違えられて悪化することも
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「仕事をする気が起きず、出社がいやになってしまう」、「夜になると気持ちが落ち込み、眠れないし食欲もない」、「つらいできごとを思い出しては苦しくなって泣いている」……。
病院に行くほどではないけれど、不安や抑うつの症状があるのなら、適応障害になっているのかもしれません。
適応障害とはストレスに適応できずに起こる、病気と健康の境目にある「状態」のこと。
症状が軽いため、ストレスがなくなれば6ヵ月以内に回復するといわれています。
しかし重症化すると、うつ病やPTSD、不安症など、ほかの病気に移行することもあるため油断はできません。
この連載では『適応障害のことがよくわかる本』(貝谷久宣監修、講談社刊)から、全8回にわたり、適応障害の対策を立てるためのヒントをご紹介します。
今回は、適応障害に陥りやすい人の資質について探ります。 適応障害のことがよくわかる 第5回
ストレスに耐える力が弱いと発症しやすい
適応障害はストレスによって発症しますが、それだけが原因ではありません。
実際、同じ職場、同じ環境など、同じストレスにさらされていても、適応障害を発症する人としない人がいるものです。
なぜなのでしょうか?
それは、人によって、ストレスに耐え、乗り越える力=ストレス耐性が違うからなのです。
つまり、ストレス耐性が弱いと発症しやすいということになります。
ただ、ストレスがあまりに大きいと、個人のストレス耐性が高くても、適応障害を発症することはあります。
たとえば、以下のようなできごとは、ストレス強度が大きいため、適応障害を起こしやすくなります。
・ガンの宣告
・離婚訴訟
・災害(震災)
・死別
・入試失敗
・就職失敗
・交通事故の加害者
まじめで努力家、責任感の強い「いい人」が危ない
ストレス耐性の強弱だけでなく、個人の気質も、適応障害の発症のしやすさと関連しています。
多くは、まじめで努力家、職場ではコツコツと仕事を進め、少々無理でも残業して仕事を片付けます。
一方で、他者からの評価を気にして、なにか言われると過剰に気にしたり、自分を抑えてでも相手に合わせようとします。
当然ストレスはたまるでしょう。
職場で適応障害を発症しやすいのは、新入社員と、がんばりすぎる中堅社員です。
体質も関連があり、とくに自律神経のコントロールがうまくいかない人は、適応障害になりやすいのです。
動悸、めまい、低血圧、頭痛など、自律神経系の症状として現れます。
【適応障害になりやすい気質と体質】
●感情の振幅が大きい
感情の表し方、処理のしかたがわからない。
喜怒哀楽やイライラを極端に出してしまう。
●傷つきやすい
周囲の人には理解できない程度のささいなことで傷つく。
プライドの高さが関係していることも。
●自律神経失調傾向
ストレスは自律神経を介して脳に影響する。
もともと自律神経のバランスが乱れやすい人。
●白黒思考
ものごとを白か黒かで判断し、グレーの部分を認められない。
100点でなければ0点と同じ。
●まじめだが、がんこ
いい加減なことは許せない。
これと思ったことは変更できないがんこなところもある。
●断れない
無理なことや嫌なことも断ると相手にわるいと思い自分を抑えてしまう。
意外に多い、高齢者の適応障害
適応障害というと、学校や職場に適応できない若者や壮年者を思い浮かべるでしょうが、じつは高齢者の適応障害は意外に多いのです。
というのも、高齢者は脳の老化により環境の変化への適応力が低下しているため、高齢になってからの家族の異動などライフサイクルによる環境の激変が、大きなストレスになるのです。
家族の異動とは、死別、巣立ち、離別などのことで、家族構成が変化します。
病気によって、生き方の変化を迫られることもあります。
また、定年後に仕事がないうえに、仕事一筋だったために友人はいないし趣味もない場合には、途方に暮れてしまうでしょう。
新しい環境に適応できず、本来の性格や人間関係などの要因から、攻撃的になったり、悲観してひきこもったりします。老夫婦では、互いに不満をぶつけ合う不幸な事態も。
適応障害のほか、うつ病、病気不安症、心身症などのこころの病に陥ることもあります。
【適応障害を進める要因】
●もともとの性格傾向 年齢とともに、本来の性格が強調されていく。
がんこな人は意見を曲げないし、従順な人はがまんしてなにも言わない。
↓
●人間関係の変化など 家族、介護者、子どもなど、新しい環境で支えてもらえるはずの人たちとの関係が変わってしまう。
↓
●孤独になりがち 仲間や支援者がいないままでは、適応はより困難。
適応障害か認知症か
また、注意しなければいけないのが認知症との区別。
高齢者が抑うつを伴う適応障害になると、認知症との区別がひじょうにつきにくくなります。
表情が暗くなり、口数も少なくひきこもっていると、すぐに年齢のことが頭に浮かび、認知症だと思われてしまいます。
適応障害では、本人が「気分が落ち込む」など、精神状態を自覚していたり、じっくり聞けば悩みや心配ごとを話してくれることもあります。
認知症は、もの忘れがひどく、話のつじつまが合わなかったり、忘れていることに気づいていなかったりします。
認知症と適応障害は治療法が違うので、しっかり見分ける必要があります。
認知症かもしれないと思ったら、受診しましょう。
からだとこころ編集チーム
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