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猛暑の夏「イライラして眠れない」はこう防ぐ…”睡眠の質”を上げる「わきの下たたき」「頭のマッサージ」東洋医学のセルフケア
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中国5000年の歴史に基づく「中医学」という壮大なエビデンスのもと、これまでのべ3万人以上のからだを診てきた、北京中医薬大学医学博士で、日本ホリスティックメディカルビューティー協会理事長を務める、美容健康サロン「BHY」代表取締役・尹生花氏。
「生活習慣だけではなく“内臓を鍛える”習慣」として、東洋医学の智慧「臓活」を生活に取り入れることを提唱する同氏の最新刊『臓活習慣 こころとからだを巡らせる!』より一部を抜粋・編集し、イライラした気持ちを一瞬で鎮める、東洋医学のセルフケアについてご紹介します。
見えなくても、「気」は存在している
臓活習慣においてもっとも大切なのは、「気の巡り」をととのえるということです。
日本語でも「元気」「病気」、あるいは「気のせい」「やる気」「気に入る」「気合い」など、「気」という言葉を用いた表現が、たくさんありますね。 この「気」は、目に見えません。
そのため、どこか概念的に用いられていて、実際に、みなさんも「気とはどんなものだろう」と、あらためて考えたとき、明快で具体的な答えが出ない、という人も多いのではないでしょうか。
一方で、東洋医学の観点からお伝えしますと、この「気」は、確実に存在しています。
目には見えないけれど、客観的に存在する物質としてとらえられているのです。
みなさんは、花や食べ物の香りを見たことがあるでしょうか。
しかし、それらはこの世に存在しない、とは考えないはず。
確実に、そこにある。
「気」も、それとまったく同じなのです。
ちなみに、わたしは「四診」を通じて診断し、施術をしています。
四診(ししん)とは、顔色などから気の滞りを目で見て、お話を聞き、尋ね、そして実際にからだに触れることで気の状態を探るというものです。
これらはどれも、見えない「気」を感じ、調節していく作業にほかなりません。
「気」は、わたしたちの体内に物理的に存在する、大切なエネルギーなのです。
「気の巡り」が悪いと、からだも不調に
「気の巡り」が悪いと、わたしたちのからだの中ではどのようなことが起こるのでしょうか。
ここでは、全身にはりめぐらされた「気を運ぶ道」である「経絡(けいらく)」と、ひじやひざといった「関節」との関係を含めて説明していきます。
たとえば、「気」を車、「気」の通り道である「経絡」を道路と考えてみましょう。
車が順調に道路を走っていれば問題ありませんが、渋滞が起こると、からだの中でさまざまな不調が発生しやすいのです。
とくに、五臓につながる「関節」は、からだの中の交差点のようなものです。
交差点は車が集まりやすく、渋滞が起きやすい場所なので、不調が発生しやすいのです。
からだの中では、ほかにも「血(けつ)」や「水(すい/体液)」などが流れていますが、これらの流れを支える「気」がスムーズでないと、血や水にも悪影響が出ます。
だからこそ、東洋医学では気の巡りを大切にします。
たとえば、水の滞りが肝臓で発生したら脂肪肝、心臓で発生したら心筋梗塞のリスクが高まります。
血が滞ると腰痛や頭痛などの不調につながりやすくなります。
わたしたちのからだは、常に気が循環していなければなりません。
そのために、具体的にすぐできる、うってつけの臓活習慣を、ご紹介してみましょう。
ストレスを感じたら「わきの下」をたたく
感情的に怒ったりイライラしているとき、人とたくさん話し過ぎて疲れ、足元がおぼつかないようなときなどは、「気」が上がっているととらえます。
中国語ではこのような状態を「上火(サン・フォ)」と言います。
「火が上がる」という意味で、頭に熱が上がった状態のことを示す、わかりやすい言葉です。
気が上がったまま滞っていると、眠れなくなったり、上半身、とくに顔などに吹き出物ができたり、アトピーにもつながることがあります。
そんなときは、五臓の「肝(かん)」につながる関節である「わきの下」をたたきましょう。
これは眠れないとき、仕事などに集中し過ぎているとき、あるいはイライラしたり、ストレスを感じやすいときにもおすすめです。
スーッと気が下がっていくのを感じられるでしょう。
まずは、左腕をまっすぐ伸ばし、軽く開いた右手で「左わき」を20回ほどたたきます。
そして、同じ要領で「右わき」もたたいてください。
不調が強いときは強めにたたくと、より効果的です。
また、実際に頭に熱が上がっている状態なので、頭のてっぺんあたりを、手やコーム(くし)などでジグザグにマッサージしてもいいでしょう。
ほかには、足湯をして上がっている熱を下ろすのも効果的です。
こうして気の滞りを流し、改善すると、精神的な不安が減少するため、睡眠の質もアップすることでしょう。
* つづく<じつは、イライラの原因は「内臓の疲れ」にあった…!「機嫌が悪い人」にならないための「臓活習慣」、ツボ押しとセルフケアコツ>でも、ストレスを軽減するツボを紹介します。
尹 生花(中医学博士)
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