【以下ニュースソース引用】

コレステロールを下げると、むしろ死亡率は上がる…あなたの健康常識を破壊する衝撃データ

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プレジデントオンライン

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/pornpimon Ainkaew

 

健康診断で「コレステロール値が高い」と指摘されたら、どうすればいいのか。

 

医師の和田秀樹さんは「気にしなくていい。むしろコレステロール値が低い人のほうが、死亡率は高い」という――。(第1回) 

 

【図表】あなたの健康常識が崩れる「総コレステロール値と死因」の関係 

 

 ※本稿は、和田秀樹『コレステロールは下げるな』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

 

 ■コレステロールを下げてはいけない2つの理由

 

  私はこれまで「血糖値は下げなくていい」とか「血圧は下げなくていい」と言ってきました。

 

しかしコレステロールに関しては“下げてはいけない”に近いものだと考えています。

 

その理由は追い追いお話ししますが、まずは大事なポイントを2つ押さえておいてください。

 

  一つは、コレステロールが含まれる食品を食べたときに、一定量までは「血中コレステロール」が増えていくのですが、それを超えると変わらなくなることです。

 

下の図表1のように「天井値」に達すると、それ以上は全く増えなくなるのです。

 

  もう一つは、コレステロールの“出元”です。みなさんは、コレステロールは食物に含まれていると思っているでしょう。

 

だから「摂り過ぎてはいけない」と節制するわけですが、事実は少し違います。

 

  実は、コレステロールはおよそ8割が体内で作られ、外部(つまり食物)から摂取するのは2割ほどしかありません。

 

  このためコレステロールの多い食事をしても、少ない食事でも、最終的な血中コレステロールの量はそれほど変わらないわけです。

 

  先ほど「天井値に達すると増えなくなる」と話しましたが、食物から摂取するコレステロールが多ければ、体は自然に生成を減らします。反対に、摂取量が少なければ体内での生成を増やすのです。

 

 

■逆にコレステロールを下げると死にやすい

 

  健康診断をした結果、「コレステロール値が高いですね。脂の多い食事は控えてください」と言われたことのある人もいるでしょう。

 

「このままだと心筋梗塞になりますよ」と脅された人もいるかもしれません。

 

しかし、この医師の助言は間違っている、と言えそうです。

 

  事実は逆かもしれません。

 

  コレステロールを下げると心筋梗塞になりやすい。

 

がんにもなりやすい。脳血管系の病気にもなりやすい。死亡率も高まります――。

 

  これは私が長年、高齢者医療の現場にいて実感していることですが、その根拠となるデータが実際に出されています。

 

  この図(図表2)は柴田博医師からお借りしたものですが、コレステロール値の低いほうが総死亡率はグンと高くなっていることが、一目瞭然です。

 

  え、本当? と目を疑いたくなりますよね。でも、事実です。

 

  これは5万2421名を6年間追跡研究した結果です。対象になったのは「総コレステロール値が220mg以上で、シンバスタチンという薬を投与された人」です。

 

全国の「35~70歳の男性」と「閉経女性」と言いますから、この本の読者層にも近いかもしれませんね。

 

  注目すべきは、血中コレステロール値が180mg未満の群の死亡率が高いことです。

 

コレステロール値が200~279の3つの群では、死亡率はほぼ同じですが、199以下になると高まり、180未満になると一気に高くなることがわかります。

 

  また「がん」や「事故・自殺」で死ぬ人は、コレステロール値が低いほど増えていることがわかります。

 

そして「コレステロールを下げよ」と言われるいちばんの原因である心筋梗塞も、180未満になると増えているのです。

 

 ■あなたが信じている「健康常識」は間違っている

 

  ちなみに現代の医療では「総コレステロールの基準値」は、以下のように定められています。

 

もちろん私は、この数値は信じていませんが。

 

 ----------

 

 【基準値】140~199mg/dL 

 

【要注意】200~259mg/dL、または139mg/dL以下

 

 【異常値】260mg/dL以上

 

 ----------

 

  いかがでしょう?

 

 そして、みなさんはどの範囲ですか?

 

  例えば、健診の結果、コレステロール値が240mgの人がいたとします。

 

医師は数値を見て「要注意ですね。異常値にも近いので、基準値まで落とすために薬を出しましょう」と言います。

 

でも、その言葉を鵜吞みにして、コレステロール降下剤を服用することは、実はとても危険なことなのです。

 

  先の図表2では280mg以上の群は、心筋梗塞による死亡率が増加しています。

 

しかしこの群には「家族性高脂血症」という先天性のリスクを持つ人も多数含まれており、この人たちを除くと有害性が薄れます。

 

  検査の数値だけを見て、なんでもかんでも「コレステロールを下げよう」と思うのではなく、持病の有無なども併せて判断すべきなのです。

 

  みなさんは、これまで言われ続けてきた“健康常識”なるものの影響で「コレステロールは害悪」と信じ込まされています。

 

しかしコレステロールを下げてしまうと、がんや事故・自殺だけでなく、血管系の病気も増えていくのです。

 

■100歳を超えても元気な人が食べているモノ

 

  先にも紹介した柴田博先生は、100歳を超える“百寿者”の研究で知られます。

 

柴田先生が、オリジナルの研究を始めたのは1972年。今から50年も前ですから、その先進性には驚くばかりです。

 

世界の老年学に先駆けた、偉業と言えます。

 

  今では百寿者は日本全国で9万人を超えました。

 

しかし、当時は500名ほどだったそうです。

 

その中から105人を選び、北海道から沖縄までの全都道府県を、家庭訪問しました。

 

柴田先生は医師ですが、他にも栄養学者、社会学者、心理学者など、幅広い角度からの研究が可能な体制で臨まれたと伺いました。

 

  図表3は、百寿者の食事内容の調査結果です。

 

研究の開始から10年が経ち、百寿者も1000人を超えています。

 

比較の対象は「全国の20歳以上」で国民健康・栄養調査から割り出した数値です。

 

 ■よく食べる高齢者ほど元気

 

  注目すべきは「魚介、肉、大豆製品、卵」の多さで、柴田先生によれば「たんぱく質の摂取量が多かったが、とくに動物性たんぱく質の多さが印象的だった」と言います。

 

朝昼夜の食事の2回以上に、魚か肉か卵かのたんぱく質を摂っているわけです。

 

  同時に、緑黄色野菜も、毎日食べている人が多いことがわかります。

 

牛乳や油料理は、若い世代とほぼ同じくらい。

 

  つまり、若い世代よりよく食べている、ということがわかるのです。

 

「よく食べる高齢者ほど元気」と、私は何度も自著の中で指摘してきましたが、それはこの百寿者の実態調査からもわかります。

 

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 和田 秀樹(わだ・ひでき) 精神科医 1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」

 

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精神科医 和田 秀樹

 

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