【以下ニュースソース引用】

日本はがん死亡率1位だから、40歳からはコレステロールを下げてはいけない【柴田博×和田秀樹②】

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GOETHE

PHOTOGRAPH=鈴木規仁

 

健康に長生きするには「コレステロールは下げる」のが常識。

 

でも実はこれ、間違いなのです。

 

実証研究に基づく対談は“目から鱗”の連続。日本人の生活を根本から変えてしまうかも。

 

『80歳の壁』著者・和田秀樹が“長生きの真意”に迫る連載。

 

今回の対談者は医学博士・柴田博氏。第2回。 

 

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脳卒中が減ったのも「減塩運動のおかげ」と言ってる人がいるけど事実は違う

和田 コレステロール低下薬は出た当時すごい薬価が高かった。

 

これに関しては諸説あります。

 

ある製薬会社が全然効かない抗がん剤を出していて、それをやめさせる代わりに、この薬で儲けることを提案されたとか。

 

 柴田 真相はわからないけど、不必要な薬を飲まされているのは確かです。

 

アメリカは家族性高脂血症の人が多く、その人たちは心筋梗塞になりやすいので、コレステロール低下薬は効果を発揮します。

 

でも日本はがんが死亡率の1位だからコレステロールを下げちゃいけないんです。

 

それは40歳から80歳まで、どの年齢にも言えることです。

 

 和田 日本は低栄養の国で、戦前・戦中は特に酷かった。

 

本当は粗食を改善すべきなのに、未だに“痩せ信仰”です。

 

コレステロールの害を宣伝されたことが大きく影響していますね。

 

 柴田 恐ろしい事実があってね。

 

終戦直後の1996年、日本人の摂取カロリーは1903キロでした。

 

食糧がなくて国民が飢餓状態にあった時の数値です。ところが2010年には1849キロまで落ち込んだ。

 

戦後より減ってるんですよ。

 

 和田 戦後の飢えてる時期でさえ今よりもご飯を食べていた。

 

米は熱量が高いので、カロリー的には今より高いのです。

 

でも肉は少なく、終戦直後は平均で1日5gくらいです。 

 

柴田 魚を食べているかといえばそうでもない。

 

腐るから遠くまで運べなかったわけです。

 

動物性タンパク質が決定的に足りなく、低栄養だったんです。

 

 和田 栄養状態や死因構造がアメリカとは全然違うのに、そんなことはお構いなしで、アメリカの説を鵜呑みにしてしまう。

 

 柴田 本当にとんちんかんなことをする(笑)。

 

 和田 脳卒中が減ったのも「減塩運動のおかげ」と言ってる人がいるけど事実は違う。

 

脳卒中が減ったのは栄養が改善して、血管が丈夫になったからです。

 

 柴田 そうそう。

 

 和田 日本の医者たちは栄養学を非常に軽視している。

 

今に始まったことではなく明治時代、森鴎外の頃からのことです。

 

 柴田 森鴎外は文豪としても知られるけど、医師であり陸軍の軍医総監でもありました。

 

当時は脚気(かっけ)が流行って陸軍の軍人がバタバタ倒れ、3万人くらいが脚気で死んだと言われます。

 

鴎外は「脚気は細菌が原因で手の打ちようがない」と決めつけた。

 

軍人の食事を玄米から白米に変えたことでビタミン不足になり、それで脚気が出たのですが、それを推進したのが鴎外でした。

 

自分の非を認めたくなかったんでしょうね。

 

 和田 いっぽう、海軍では脚気で死んだのはわずか3人です。

 

高木兼寛という軍医が肉食を推し進めたからです。

 

日本は肉食の習慣がなかったけど、カレーに入れることを提案した。

 

有名な「横須賀海軍カレー」はそれがルーツです。

 

兼寛は苦学の人ですが、後に慈恵医大を創り、非常に先見の明があった。

 

でもエリート意識の強かった森鴎外は兼寛をバカにして聞く耳を持たなかった。

 

結果、多くの軍人が死んでしまった。そういう風潮は未だに続いてます。

 

 柴田 沖縄ショックの話もそうですね。

 

1980年代まで沖縄の平均寿命は断トツの1位でした。

 

豚肉を食べるし、栄養状態がよかったからです。

 

ところが2020年には全国で43位にまで落ちています。

 

「脂肪を摂り過ぎ」と指導された結果です。

 

 和田 本来なら、長生きしてる沖縄の人の食生から学ばないといけないのに、逆に日本人の粗食を真似させた。

 

その結果、沖縄の人を早死にさせることになったんです。

 

もう、めちゃくちゃな話ですよ。

沖縄は日本の平均の中で脂肪の摂取が一番多く、だから長生きだった

柴田 僕は平均寿命の短い秋田と長い沖縄を比較して追跡調査をしていたのでよくわかります。

 

沖縄は日本の平均の中で脂肪の摂取が一番多く、だから長生きだったんです。

 

もちろんそれを発表もしました。

 

でも外国から来たある学者は「欧米より脂肪の摂取が少ないから長生きなんだ」と言うんです。

 

 和田 一つの事実をどう解釈するかで施策は正反対になりますからね。

 

 柴田 そう。僕らは沖縄の食生活は素晴らしいと言い、彼らはダメだと言う。

 

結果、沖縄の人は脂肪を減らして、平均寿命を1位から最下位近くまで落としてしまいました。

BMI数値のトリック

和田 BMIの数値も疑わしいです。

 

25を超えると「肥満」と判定され、痩せるよう指導されます。 

 

柴田 ところが実際は25どころか、BMI27くらいの高齢者のほうが長生きしてるんですよ。

 

減らす必要なんてないんです。

 

 和田 というより、長生きしたいなら減らしちゃダメです。

 

 柴田 本当にその通りですね。この肥満度の基準は日本独自のものです。

 

国際学会から見直すよう何度も言われているのに無視ですよ。

 

 和田 医師は健診の数値を見て「肥満だから減らせ」と言う。

 

言われた側も「肥満はまずい」と思い、減らしてしまう。

 

でも減らす必要なんてないんです。

 

 柴田 この数値にも、ちょっとしたトリックがあるんですよ。

 

今、日本人の91%は65歳以上で死にます。

 

で、65歳以上の人は、だいたい太めなんですね。

 

BMIを計算したら25以上になる人が多い。

 

そして寿命は亡くなった人から計算するため「太っている人は死にやすい」という理屈が通ってしまうのです。 

 

和田 データを都合よく解釈して、自分たちが言ってきたことに合わせようとしてしまう。

 

 柴田 そうそう。

 

実際に高齢者を調べれば、太っている人の方が長生きだってことは、簡単にわかるんですよ。

 

でもそれをしないのです。

 

 柴田博/Hiroshi Shibata 医学博士。

 

1937年北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。桜美林大学名誉教授。東京都健康長寿医療センター研究所名誉所員。老年学についての研究と教育を一貫して続けている。著書に『長寿の噓』『なにをどれだけ食べたらよいか。』など著書多数。 和田秀樹/Hideki Wada 精神科医。1960年大阪市生まれ。東京大学医学部卒業後、同大附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て現職。30年以上にわたり高齢者医療の現場に携わる。『80歳の壁』『70歳の正解』など著書多数。

 

TEXT=山城稔

 

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