【以下ニュースソース引用】

設置自由度の高い停泊時クーラー! キャンピングカーオーゼット「涼しげ」

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室内機はシンプルなデザインで好感が持てる。幅61㎝×高さ22㎝×奥行16㎝というコンパクトさもうれしい=画像提供:キャンピングカーオーゼット
渡部竜生

渡部竜生

 キャンピングカージャーナリスト

会社員からフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、セミ …

 

少し前までは、停泊時に使える冷房設備(以下パーキングクーラー)は一部の輸入車にしかついていませんでした。

 

「どこへでも自由に動けるんだから、暑い時は涼しい場所に行けばいい」。

 

夏になるたびに、そんなことを言ったものです。

 

が、昨今の夏の暑さは尋常ではなくなってきました。

 

暑い都会を逃げ出すつもりでせっかく北海道まで行ったのに「東京より気温が高かった」なんてことも珍しくないのです。

 

このような状況を受け、キャブコンやバンコンにパーキングクーラーを取り付けるのはどんどん当たり前になってきました。

 

近ごろは軽キャンピングカーでさえ装備されるようになってきています。

 

ではパーキングクーラーとはどういうものでしょうか?

 

 改めて解説すると、通常、自動車のエアコンはエンジンが回転しているときでないと使えません。

 

エンジンオフで電源オンの状態でエアコンを使い続ければ、バッテリーはあっという間に上がってしまいます。

 

キャンピングカーで使われるパーキングクーラーは、そんな「カーエアコン」とは別に、サブバッテリーや外部電力からパワーを得て、エンジン停止中でも運転できるエアコンのことをいいます。

 

キャンピングカーに搭載されるパーキングクーラーは大きく分けて2種類あります。

 

1.家庭用エアコン

 

文字通り、一般家庭で使われるエアコンのこと。

 

家庭用電源(=AC100V)で動くので、サブバッテリー(DC12V)からDC/ACインバータを介して電気を得るか、外部電源によって運転します。

 

日本製の家庭用エアコンは省エネ設計で運転時の音も静か。つまり非常に優秀です。

 

ただし、車載用には考えられていないので、取り付けるのに多少の改造が必要だったり、設置のためにある程度のスペースが必要になったりします。

 

2.車載用エアコン


最初から車載用に設計されているもの。

 

従来はトラック用に開発されたものを転用していましたが、最近ではキャンピングカー用に開発された製品も出てきました。

 

車載用エアコンはサブバッテリーで直接動かせるDC12V仕様で、設置スペースが小さくてすむ/振動に強い、といったメリットもあります。

設置自由度の高いセパレートタイプ

今回ご紹介するのは、キャンピングカーオーゼット(東京都あきる野市)が開発した車載用パーキングクーラー「涼しげ」です。

 

「涼しげ」最大の特徴は、コンプレッサーとコンデンサーがユニットではなく、セパレートタイプであるということです。

 

設置自由度の高い停泊時クーラー! キャンピングカーオーゼット「涼しげ」
コンプレッサーと制御部分。幅23㎝×高さ20㎝×奥行17㎝という小ささなので、床下の空いたスペースにも収めやすい=画像提供:キャンピングカーオーゼット

 

家庭用エアコンは「壁に取り付ける室内機」と「屋外に設置する室外機」に分かれています。

 

車載用エアコンも形や大きさの差はありますが、室内機と室外機の二つの「箱」で構成されています。

 

それぞれのユニット(箱)を設置し、ユニット間をパイプでつなぐというシンプルな工事をするだけで取り付けは完了します。

 

しかし、これらを取り付けるには


・スペースに余裕がある


・室外機を屋根の上に載せることができる


など、全体に余裕のある車両であることが前提になります。

 

小型車両への設置となると、この「ユニットが箱型である」ことがネックになるのです。

 

そこで考えられたのが「涼しげ」です。

 

設置自由度の高い停泊時クーラー! キャンピングカーオーゼット「涼しげ」
ファン付きのコンデンサー。こちらも幅58㎝×高さ19㎝×奥行35㎝で設置場所を選ばない。通常は室外機の中に詰め込まれているコンデンサーとコンプレッサーをバラバラにすることでスペース効率は格段に上がった=画像提供:キャンピングカーオーゼット

 

室外機の中身であるコンプレッサーとコンデンサーが独立。

 

「箱」状ではありません。そのため設置の自由度が高く(床下のちょっとしたスペースにそれぞれ設置しやすい)、自由度の高さゆえに様々な車両に搭載が可能。

 

つまり、車種も選びません。

 

ユニット化されていない分、配管の手間は多少かかりますが、設置条件の自由度の高さを考えたら大した問題ではありません。

しっかり冷やす「能力」とそれを生かすコツ

肝心の冷房能力はどうでしょう。

 

「涼しげ」の空間を冷やす能力は全体で8500BTU。

 

涼しい空間の目安は「1㎡あたり600BTU」といわれていますので、国産キャブコンの室内空間をカバーするぐらいの力は十分にあります。

 

設置自由度の高い停泊時クーラー! キャンピングカーオーゼット「涼しげ」
全てのコントロールはリモコンひとつ。省エネ運転やお休みモードなど、さまざまな微調整もできる=画像提供:キャンピングカーオーゼット

 

パーキングクーラーは夏の旅をより快適にしてくれるだけでなく、ペット連れ旅や災害避難時のシェルターとして活用したい場合にもありがたい機能です。

 

こうした「冷房」の機能性を最大限に利用するには、使う側にも少しの工夫が必要です。

 

記事の締めくくりに、パーキングクーラーの機能をさらに有効に使えるテクニックをいくつかご紹介しましょう。

 

1.車の断熱性能を高める


キャブコンより断熱性が低いバンコンならなおさらです。

 

熱を通しやすい「窓」に断熱シェードを貼るだけでもかなり違います。

 

2.先にカーエアコンで室内を冷やしておく


真夏、クーラーなしの乗用車の車内がどんな灼熱地獄になるか、ご存知の方も多いでしょう。

 

温度が上がり切った状態でカーエアコンをフル回転させても、なかなか室内は冷えないものです。

 

その理屈はパーキングクーラーでも同じこと。

 

一度熱くなってしまったものを冷やすのはあまりにも非効率です。

 

寸前までカーエアコンで室内をしっかり冷やしておき、エンジンを止めたら、室温が上がらないうちにパーキングクーラーに切り替える。

 

そうすればより小さいエネルギーで涼しい環境を維持することができます。

 

設置自由度の高い停泊時クーラー! キャンピングカーオーゼット「涼しげ」
本体のパネルでは設定温度や運転状況が判るほか、風量調整などここでも操作することができる=画像提供:キャンピングカーオーゼット

 

キャンピングカーオーゼットでは、自社製品はもちろんのこと、他ビルダーの車への設置も積極的に行っていくとのこと。

 

設置の自由度も高いので後付けも可能です。

 

気になる価格は本体が税込22万円。取り付け費用は車種によって異なるため、要相談です。

 

熱中症を気にせず遊ぶためにも、本格的に暑い季節が来る前に検討してみてはいかがでしょうか。

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