【以下ニュースソース引用】
それは本当に<躁うつ病>?感情の起伏が激しい人が犯しがちな勘違いとは…精神分析医「感情は音楽のようなもの」
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厚生労働省が公開している「患者調査」によると、精神疾患を持つ外来患者数は増加傾向にあるそう。
そのようななか、「悩みが増えた時こそ、ネガティブな思考を生み出す原因を探ることが重要」と語るのは、難病・パーキンソン病と闘う韓国の精神分析医キム・ヘナム先生。
今回は、キム先生のベストセラー『「大人」を解放する30歳からの心理学』から「感情の起伏が激しい人たちが犯しがちな勘違い」を紹介します。
【書影】パーキンソン病の精神分析医が教える、感情の取り扱い説明書。キム・ヘナム・渡辺麻土香『「大人」を解放する30歳からの心理学』
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◆感情の起伏が激しい人たちが犯しがちな勘違い
「私、躁うつだと思うんですよね」 最近、顔を合わせた人たちから、こんなことを言われることが増えた。
感情の起伏が激しいことを、彼らはそういう言葉で表現しているのだ。
こういう人たちは、ついさっきまで上機嫌だったのに、突如として機嫌が悪くなるなど、気まぐれで、ちょっとしたことにもすぐヘコみ、イライラするという。
昨日まで楽しかったことが今日は楽しくないし、ほんの少し褒められただけでもウキウキして気分が上がるそうだ。
だがよくよく話を聞いてみると、日常生活や仕事にこれといった支障はなく、睡眠などにも異常はない。
◆診断が下るほどの状態ではない
そこで私はこう答える。
「感情があなたに何かを伝えようとしているみたいですね」 人間は感情の動物だ。表面を覆うのが理性なら、中を満たすのは感情である。
問題はその感情が、聞き分けのいい理性と違って人の話を全く聞かないことだ。
感情は自分勝手な行動を好む。
一般に躁うつ病として知られる双極性障害は、脳の生化学的な変化によって感情のコントロールが効かない状態を指す。
気分の浮き沈みがあるだけで言動や日常生活、睡眠などに異常がない場合は病気とはいわない。
ところが自称躁うつ病の人たちの話を聞くと、その状況であれば誰しも同じように感じるであろう正当な感情反応さえ、双極性障害の症状だと考えている場合が多い。
そのため私が、そういう状況に置かれれば私だってそう感じますよと答えると、ひどく驚いた様子を見せるのだ。
彼らはたしかに感情的で比較的感情の起伏が激しいほうではあるけれど、双極性障害という診断が下るほどの状態では決してない。
それにもかかわらず躁うつ病と自称して、感情に振り回される自分に苦しむ。
感情は常にフラットな状態が正常だと考えているからだ。
さらに彼らは感情の影響を拒み、感情を完全にコントロール下に置こうとする。
◆自らの感情に左右されることに耐えられない
近頃の子どもたちは、親の過度な愛情と期待のせいで感情過多な状態に陥っている。
事もあろうに、子どもの感情を代わりに処理してしまう親もいるほどだ。
例えば、ある親は子どもが腹を立てて興奮すると、その感情を子ども自身が処理するまで待てず、代わりに立ち上がって戦おうとする。
すると子どもは腹が立っても、その感情の処理方法を学べない。
そんなことがくり返されれば、子どもは自分の感情を正しく理解することができず、戸惑って感情が湧くこと自体を恐れるようになる。
また、小さい頃から過度にコントロールされて生きてきた人たちは、コントロールを受けることに対して極度の抵抗感と怒りを覚える。 彼らは自らの感情に左右されることに耐えられない。
だから、どんな感情も押さえこもうとして、自分は双極性障害ではないかと疑い不安を抱くのだ。
◆神からの贈り物
感情は私たちの人生において音楽のようなものである。
私たちの内的世界と外的世界が出合うことで生まれる一種の合唱のようなものだ。
だから恐れることはない。
感情は楽しむべきものであり、人間だけに与えられた神からの贈り物だ。
したがって、あなたが感情の起伏の激しさに苦労しているというのなら、その感情が発する声に静かに耳を傾けてみるといい。
激しい感情は、心に何らかの葛藤があることのサインだから、その原因さえ把握できれば問題解決のための力が生まれ、感情の起伏にも苦しまなくなるだろう。
だから今後は、「感情は常にフラットなのが正常で、そうでなければ異常だ」という勘違いを取り払い、どんな感情でも全身で感じてみることだ。すべての感情は正しいものなのだから。
※本稿は、『「大人」を解放する30歳からの心理学』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。
キム・ヘナム,渡辺麻土香
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