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【毎日書評】「心の病は、生きている証です」と精神科医がいいきる理由

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ライフハッカー・ジャパン

【毎日書評】「心の病は、生きている証です」と精神科医がいいきる理由

 

心の病についてはネガティブなイメージが先行しがちだけれど、心の病をきっかけに人生がより豊かになっていく人も多い──。

 

『心の病になった人とその家族が最初に読む本』(広岡清伸 著、アスコム)の著者はそう指摘しています。

 

30年以上にわたって精神科医を続け、1万人を超える人々を診察してきたという精神科医。

 

 1000年前の人たちは、その日を生きることに精一杯で、夢や希望を考える余裕などなかったと思います。

 

それでも、その時代の人々が不幸だったのかといえば、そうではないでしょう。(中略)

 

 今の時代は、生きることが楽になったから、ただ生きるだけで飽き足らず、人々は夢や希望を追います。

 

心の病になることで、一時的にそうした夢や希望が失われることも、あるかもしれません。

 

しかし、そこで人生のすべてが終わるわけではありません。

 

 心の病をきっかけに、他者への思いやりや優しさに目覚める人もいますし、新たな目標が見つかる人もいます。(「はじめに」より)

 

 たしかに心の病になれば、気持ちは落ちてしまうかもしれません。

 

しかし生きていれば、日々の暮らしのなかで楽しさや喜びは必ず見つかるもの。

 

 やがて、欲望を達成したくなり、生きがいを持てるようにもなるでしょう。

 

いわば、それもまた人間の本能。生き続けていれば、幸せは自然に引き寄せられるものだということです。

 

 心の病は、真面目に生きようとするために起こる病なのです。 だから私は、患者さんに必ずこう語りかけています。

 

 「心の病は、生きている証ですよ」(「はじめに」より) たしかにそのとおりで、そう捉えることができれば苦しみは減っていくかもしれません。

 

そこできょうは本書のなかから、第7章「心の病がきっかけで人生が豊かになる」に注目してみたいと思います。

心の病の発症は新たな生き方を身につけるターニングポイント

心の病からの回復は、過去の自分に戻ることを目標にするリカバリーではなく、新たな人生の始まり。

 

著者はそう断言しています。 患者さんが「心の病を治してもとの生活に戻りたい」と訴えたとき、治療にあたる人たちは「前の生活に戻れるようにがんばりましょう」と答えるケースが多いのではないでしょうか? 

 

しかし、「前の状態に戻る」とは、「また心の病を発症する可能性もある」ということでもあります。

 

本来、心の病から回復するとは「発症する前よりもよくなること」でなくてはいけないのです。

 

 心の病から回復するとは、発症する前よりも、不安心と上手に付き合えるようになることです。

 

さまざまなストレスがかかって不安の積み木が高くなっても、心の病を発症することなく人生を楽しめるようになることです。

 

 それが、本当の意味での心の病からの回復です。(154~155ページより)

 

 そこで著者は患者さんに「心の病は、新しい生き方を身につけるターニングポイントです」と話しているのだそうです。

 

なぜなら心の病で苦しんだ経験や、回復過程でのさまざまな肯定的体験は、以後の人生に必ず活かしていけるものだから。

 

 そのために必要なのが、薬物療法と、精神通院療法の理想的な形を具現化した「肯定的体験療法」です。(155ページより)

 

 とくに心の病の場合、患者さんの症状を抑える方法のひとつとして薬は非常に重要だそう。

 

ただし、それだけで心の病から回復できるわけではないので、もうひとつの方法として意味を持つのが肯定的体験療法。

 

平常心を強くすることができてはじめて、発症前より不安心を制御できる自分になれるということのようです。

 

そして、その第一歩は「精神科医に相談すること」だといいます。(154ページより)

 

心の病は自己判断しないこと

近年は精神科医が身近な存在になってきましたが、だからこそ著者は診療を始めるときに、精神科医が患者さんに「よい医師に会った」と感じてもらうことはとても重要だと考えているのだそうです。

 

それは、患者さんが医師を信じて期待を持つことから、平常心は強くなると考えているから。

 

 心の病を疑っても、最初から精神科医への相談をためらう(相談したくない)人もいると思います。 

 

実際、眠れない、食欲がない、めまいがする、頭痛がするなど体に現れる症状が気になって、内科や耳鼻科を受診する人はいます。

 

 そのときに気をつけるのは、処方された薬で症状がよくなったからといっても、再び同じ症状が現れたときは、心の病を疑ってみることです。(157ページより)

 

 もちろん心の病以外の疾患もあるので、一概に精神科以外の科を受診することが悪いということではないでしょう。

 

しかしいずれにしても、体や心の異変に気づいたら、内科であれ精神科であれ、自己判断せずに医師に相談することが大切だということです。(156ページより)

 

 著者は患者さんに、「心の病は誰もがかかる可能性がある物で、悲劇でもなんでもなく、これからの人生を考えるターニングポイント」だと伝えているそう。

 

「幸せになるか、崩壊するか、どちらに転ぶかは、“生きていることに価値があると信じられるかどうか”」だとも。

 

そうした考え方を軸とした本書は、心の病で悩む方をきっと支えてくれることでしょう。

 

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印南敦史

 

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