【以下ニュースソース引用】

ハーブたっぷり、暑い日に食べたい爽やかヤムウンセン

FOOD

 

冷水希三子

冷水希三子

 料理家・フードコーディネーター

レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告など …

 

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関めぐみ

 写真家

スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集な …

 

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 ライター・編集者

1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集 …

 

 

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんがリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。

 

今回のレシピは暑い日でもさっぱり食べられるタイの春雨サラダ、ヤムウンセン。

 

ハーブをたっぷり使って、爽やかな風味に仕上げます。

 

―― 冷水先生、こんにちは。暑い日が続くようになりましたが、体調崩していませんか?

 

冷水 大丈夫です、暑さを楽しんでいますよ〜。

 

―― それはよかったです。私は少々バテ気味で、食欲が出ない日もあります。

 

冷水 それはいけませんね。

 

―― 今日はぜひ、さっぱりと食べられて、食欲をそそるようなメニューを教えていただけたらと思うのですが……。

 

冷水 う〜ん、じゃあ暑い国の料理はどうですか?

 

 タイとかベトナムとか。

 

―― いいですね! アジア料理、大好きです。

 

冷水 暑いとあまり火を使いたくないので、サラダがいいですね。

 

食べ応えがあって、爽やかな風味のヤムウンセンなんてどうでしょうか?

 

ハーブたっぷり、暑い日に食べたい爽やかヤムウンセン
イカは茹(ゆ)ですぎると硬くなってしまうので、熱湯にさっとくぐらせる程度で。キクラゲは乾燥タイプでもいいですが、生のものを使うとより心地いい食感を味わえます

 

―― タイの春雨サラダですね! タイ料理屋さんで何度か食べたことがありますが、ナンプラーが効いていて、すごくおいしいですよね。

 

でもあんな本格タイ料理が家で作れるのですか?

 

冷水 少し材料が多いですが、工程はそこまで難しくないですよ。

 

―― へ〜! それはぜひ教えていただきたいです。

 

冷水 ヤムウンセンの「ヤム」は和える、「ウンセン」は春雨という意味です。

 

春雨は必須なのですが、他の具材はお店によっても様々で、アレンジの幅が広いんです。

 

ひき肉と海鮮を両方入れると味に深みが出て、おすすめです。

―― 豪華ですね!

 

冷水 今日は鶏のひき肉とイカを使いますが、好みで豚のひき肉やエビなどを使ってもいいと思います。

 

―― 冷蔵庫の余り物とも相談できて、いいですね(笑)。

 

ハーブたっぷり、暑い日に食べたい爽やかヤムウンセン
鶏ひき肉を茹でる時は、最初は酒だけ。アルコールが飛んで量が減ってきたら水を加えて加熱します

 

冷水 まずはイカの下処理をします。

 

今日はシロイカを使いますが、スルメイカでも何でも、その時手に入るイカで構いません。

 

内臓や軟骨を取り除いて水洗いし、胴体は2cm幅くらいの輪切りにします。

 

げそは小分けにしておきましょう。鍋に湯をわかしてさっと茹でるのですが、イカはすぐ火が通りますので、本当にさっと。

 

湯にくぐらせる程度で大丈夫です。

 

―― 火を通しすぎたイカは硬くてゴムみたいになっちゃいますものね……。

 

冷水 同じく生キクラゲも茹でて、ひとくち大に切っておきます。

 

生のものが手に入らない場合は乾燥キクラゲを水で戻しておきます。

 

―― さっと茹でるだけなので、火を使うにしても短時間でありがたいです……。

 

ハーブたっぷり、暑い日に食べたい爽やかヤムウンセン
ミニトマトは手で割ることで味がよく入りやすくなります

 

冷水 次に鶏ひき肉の準備です。

 

小鍋に鶏ひき肉と酒を入れて、中火にかけます。

 

酒がなくなりかけたら水を加えて、2分ほど煮てください。

 

酒のアルコールを飛ばしたいので、水を加えるのは酒がなくなりかけたタイミングでお願いしますね。

 

―― メモメモ。

 

冷水 ここからはみじん切り祭りです(笑)。

 

赤玉ねぎ、青唐辛子、ニンニク、しょうがを、それぞれみじん切りにします。

 

できるだけ細かく切るほうが全体的に味がなじむので、頑張りましょう。

 

―― この見慣れない葉っぱは……何ですか?

 

冷水 これはバイマックルーという植物の葉で、タイ料理でよく使われるものなんです。

 

スーパーなどで置いているところは少ないかもしれませんが、アジア食材のお店など扱っているところがあります。

 

もしあれば使ってみてください。

 

―― わあ、柑橘(かんきつ)のような爽やかな香りですね。

 

冷水 そうなんです、これを入れると一気に本場の味に近づきますのでね。

 

―― 探してみます!

 

冷水 ではボウルに先ほどみじん切りした食材をすべて入れて、そこに手で小さく割ったミニトマト、ナンプラー、ライム果汁、砂糖を加えます。

 

―― ミニトマトを手で割るとは……ワイルドですね〜(笑)。

 

ハーブたっぷり、暑い日に食べたい爽やかヤムウンセン
最後、具材を混ぜる時も、手を使うと味が満遍なく、よくなじみます。食感と香り、風味に一体感が出て、おいしく仕上がります

 

冷水 はい、手で割った方がトマトの果汁が出やすくなりますのでね。

 

さらに鶏ひき肉とイカ、キクラゲを加えます。

 

―― だんだん賑やかになってきた!

 

冷水 春雨は水で戻して、その後熱湯で2分ほど茹でます。

 

茹でたらしっかりと水を切っておきましょう。

 

―― 主役の春雨が登場ですね!

 

冷水 ボウルに刻んだパクチー、ミント、ディル、春雨を加えて混ぜます。

 

味をみて、酸味が足りないなと感じたらライム果汁を追加、塩けが足りなければナンプラー、辛みをプラスしたければ赤唐辛子を加えるなど、好みで味を調整してください。

 

―― アジア料理は色々な味や香りが渾然一体となっていて、奥深いですね……。

 

自分好みの味を探す過程も楽しそうです!

 

冷水 ハーブも好みで調整してくださいね。

 

―― ちなみにヤムウンセンは冷やして食べた方がいいんですか?

 

冷水 いえ、ぜひ作りたてを召し上がってください。

 

もし冷たくして食べたい場合は、茹でた春雨を氷で締めて、しっかりと水けを絞って加えるといいですよ。

 

―― わ〜、これはもう一言で表現できない、複雑で奥行きのある味わいですね。

 

春雨のツルッとした食感が心地よくて、ひき肉やイカ、キクラゲと、異なる食感に次々に出会えるのが面白い!

 

冷水 食感にリズムがありますよね。

 

―― さらに酸味、甘み、辛み、塩みと、色々な風味が混じっていて、そこにハーブの香りも追いかけてくる……。

 

なんて楽しいサラダなんでしょう! 

 

冷水 一度に色々な食感や味、香りを楽しめるのは、アジア料理ならではですよね。

 

―― これは食欲が出ること間違いなしですね。ビールにもすごく合いそうです。

 

冷水 よかったです。まだまだ暑い日が続くと思うので、ぜひ作ってみていただけると嬉しいです。

ヤムウンセン

材料(4人分)

  • 春雨

    70g

  • イカ(今回はシロイカを使用。どんなイカでも可)

    1杯

  • 鶏ひき肉

    100g

  • 大さじ2

  • 大さじ2

  • 生キクラゲ(なければ乾燥でも)

    少々

  • ミニトマト

    6個

  • 青唐辛子

    2本

  • パクチー

    2株

  • ミント

    1パック

  • ディル

    1パック

  • 生姜

    1片

  • ニンニク

    少々

  • バイマックルーの葉(あれば)

    2~3枚

  • 赤玉ねぎ

    1/4個

  • ナンプラー

    大さじ1

  • ライム果汁

    大さじ4

  • 砂糖

    小さじ1/2

  1. イカは皮をむき、内臓や軟骨などを取る。胴体は2cm幅くらいの輪切りにし、げそは小分けにしてさっと茹でる。
  2. 生キクラゲも茹でて、一口大に切る。乾燥のキクラゲを使う場合は水で戻しておく。
  3. 小鍋に鶏ひき肉と酒を入れて中火にかける。酒がなくなりかけたら水を加え、2分ほど煮る。
  4. 赤玉ねぎと青唐辛子、ニンニク、生姜、バイマックルーの葉はすべてみじん切りにし、ボウルに入れる。手で小さく割ったミニトマトを加え、ナンプラー、ライム果汁、砂糖を入れて混ぜる。3.の鶏ひき肉を煮汁ごと加える。
  5. 春雨は水で戻してから熱湯で2分ほど茹でて、水を切る。
  6. 4.にイカとキクラゲ、刻んだパクチー、ミント、ディルを入れ、5.の春雨も加える。
  7. 味を見て酸味が足りなければライム果汁を加え、塩味が足りなければナンプラーを加える。辛味が足りなければ赤唐辛子を少々加える。全体をよく混ぜて、器に盛る。

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