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梅雨の心身の不調は「気象病」かも? 今すぐ始めるべき対処法を医師が解説

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ウィメンズヘルス

Getty Images

 

天候や気圧が変わるとなんだか気分が落ち込んだり、イライラしたり、体の不調を覚える……。

 

誰もが抱いていた疑問に医学のメスが入り、それが「気象病」であること次第に判明。

 

天候が変わりやすい春から夏にかけて、そしてこれからの梅雨の時季に体調が揺らぐ人も多いのでは?

 

  【写真】雨の日にアレルギーの症状が悪化…その理由とは?

 

気象病はそのメカニズムを知っておく他、なってしまう前のメンテナンスが重要と専門家は指摘する。

 

梅雨やゲリラ豪雨、そしてこの先の台風シーズンに備え、誰もがでできる気象病のメンテナンス方法をせたがや内科・神経内科クリニック院長の久手堅 司先生が教えてくれた。

 

 ▼久手堅 司(くでけん・つかさ)先生

 

 せたがや内科・神経内科クリニック院長。医学博士。日本内科学会・総合内科専門医、日本神経学会・神経内科専門医、日本頭痛学会・頭痛専門医など。天候と不調にフォーカスを当てた、気象病外来を立ち上げ、メディアなどでも話題になっている。

 

「気象病で着目しているのは気温の乱高下とともに、もう一つの重要なポイントである“気圧”です。

 

私たちは毎日、“1気圧”の中で生活しています。

 

1気圧と言われてもピンとこないかもしれませんが、1平方メートルで換算すると10トンの重さが加わっていることになります。

 

 そんな重たい環境の中で過ごしているの?

 

 と思うかもしれませんが、外からの1気圧に対して、私たちの体の内側からの圧力がうまくバランスを取り、生活しているのです。

 

だから、10トンの重さで潰されてしまうことはありません。

 

非常に繊細な力の働きで、このバランスをキープしているのです。

 

 ところが天気が悪くなると低気圧が強まり、気圧が大きく変動します。

 

今までうまくバランスを取っていた気圧と体とのバランスに変化が生じてしまいます。

 

特にここ数年多い、爆弾低気圧のような異常気象や台風などは気圧が大きく変化するので、不調になる人が増えるわけです」

気圧と深く関係する“耳の中”と“姿勢”

でも、天候が悪くなっても不調になる人とならない人がいるのはなぜ?

 

 これは、大きく2つの部分が関係していると久手堅先生は指摘。

 

 「一つは耳の中の内耳(ないじ)と言われる部分です。

 

飛行機に乗って、急上昇して気圧が変化すると、耳がキーンと詰まった感じになりませんか?

 

 あれは、気圧の変動を内耳が感知するからです。 耳の中にある内耳と呼ばれる部分は、私たちの平衡感覚と聴覚を司っている部分です。

 

気圧の変化などを感じるとそれを素早くキャッチして、脳の中枢にある視床下部に伝えて、そこから自律神経に“体に変化が起きているので対応しなさい”と指令を出します。

 

 飛行機の気圧変化でめまいが起きたり、頭痛がするのは、自律神経が乱れていることで起きているのです。

 

 この最初の変化を感じる内耳は個人差があるので、非常に敏感に反応してしまう人がいます。

 

どちらかというと男性よりも女性のほうが、内耳変化に敏感だと言われています。

 

乗り物酔いしやすい人は内耳が敏感なので、気圧変化も感じやすいと思ったほうがいいかもしれません」

 

 そして、もう一つ。意外に思うかもしれないが、姿勢の悪さが気圧の変化に大きく関係すると久手堅先生は指摘する。

 

 「1気圧で10トンの圧力がかかる私たちの体。

 

通常はこの圧力にも対抗できる力を持っています。

 

ところが、姿勢が悪いと軸が定まらないため、気圧の影響を受けやすくなることが分かってきました。

 

 ちょっとわかりにくいので、免震構造の建物でお話しましょう。

 

最近の高層ビルは免震構造になっていて構造はしっかりしていますが、揺れて免震することで振動から建物を守っています。

 

多少の負荷がかかっても倒れません。

 

『柳の木に雪折れなし』のことわざでも例えることができます。

 

ですが柱が斜めになっていたり、一部が傷んでいたりすると、ちょっとの揺れや負荷がかかっても崩れてしまいます。

 

 これは姿勢でも同じことが言えます。

 

気象病で来られる患者さんを診ていると、皆さん申し合わせたように姿勢が悪いのです。

 

猫背はもちろん、最近多いのが、スマホによるストレートネックです。

 

 ストレートネックは肩こりや首こりだけでなく、頭痛やめまい、自律神経の不調にも関係していると言われています。

 

ただですら不調を起こしやすいストレートネックの人が低気圧にさらされると、症状がより悪くなるのは当たり前ではないかと私は考えています。

 

ですから気象病の治療では、姿勢などの改善も合わせてアドバイスしたり、姿勢を見直すことを勧めています」 

 

「私のクリニックではどうして気象病になっているのかを診断し、自分でできるセルフケアをレクチャーします。自律神経がかなり乱れている方は継続した治療が必要な場合もあります。

 

ですが、軽度の気象病の方はセルフケアで良くなる方もいます」

 

 そこで、自分でもできるメンテナンス方法を久手堅先生が解説してくれた。

 

気象病のメンテナンス、ポイントは「気づいたときにケアするクセづけ」

「気象病は調子が悪いな、というときには症状がすでに出てしまっているので、前もって習慣づけることが大事です。

 

特にスマホが手放せない人、デスクワークでパソコンに長時間向かっている人は、“気づいたときにケアするクセ”をつけたほうがいいですね」

Care1:ストレートネックメンテナンス

Women's Health

 

デスクワークでパソコンに向かい続けたり、スマホを長時間見ていると、どうしてもストレートネックになりがち。

 

ストレートネックとは、本来は緩やかなカーブを描くはずの首の骨(頸椎)が、こうした姿勢を取り続けたことなどにより、真っすぐになってしまった状態。

 

ストレートネックは首に負担がかかるため、それがさらに気圧で悪影響を受けて不調が出やすくなる。日頃からストレートネックを正すケアが重要に。

 

 【いつやる?】

 

 スマホの画面などを見ていて「あれ、頭の位置が前に出ている」と気づいたときに行う。

 

“気づいたら行う”をクセにすることで、頭と首の正しい位置を刷り込むことができる。

 

肩凝りと首凝りの予防にも。

 

 【やり方】

 

 利き手の親指と人さし指でL字を作る。

 

アゴにL字を横から当てて、ストレートネックで前に出ている頭を正しい位置に戻すように押し込む。

 

 このとき肩の位置はそのままに、頭の位置だけを押し込むようにして変える。

 

押し込むのは、耳の下に肩が来るぐらいの位置まで。

Care2:肩甲骨を引き寄せて、猫背をメンテナンス

Women's Health

 

スマホやパソコンで作業をしていると肩が前に出て、胸が閉じた猫背になりがち。

 

ストレートネックと同じく気圧の影響を受けやすい姿勢なので、それをケア。

 

 【いつやる?】

 

 ストレートネックと同様に、気づいたときに。デスクワーク時には1時間ごとに、ストレッチ的に行うのがオススメ。

 

 【やり方】

 

 両手を後ろ手に組み、息を吐きながらゆっくりと、左右の肩甲骨を合わせるようにして胸を気持ちよく開いていく。

 

ゆっくり伸ばしながら20秒程度キープし、3セット行う。

 

肩凝りや首凝りの予防にも。

Care3:内耳のバランスを良くする、耳揉みメンテナンス

Women's Health

 

耳の中の内耳(ないじ)は気圧の影響を受けやすく、気圧の変動をキャッチして脳の視床下部から自律神経へ信号を送る働きを担っている非常に重要な部分。この部分の循環を良くしておくことも大切。

 

 【いつやる?】

 

 気づいたときに行う。

 

テレビを見ながらでもできるので、1日の中で、どこかで気づいたら行うのがオススメ。

 

 【やり方】

 

 ①右手で右耳、左手で左耳を持ち、耳の少し上を水平方向に引っ張る。

 

 ②耳を上下に引っ張りながら動かす。

 

 ③前に5回、後ろに5回耳を回す。

 

 ④耳を斜め上に引っ張る。

 

いろいろな方向に耳を刺激することで、内耳のむくみなどをケア。

Care4:緊張しがちな部分を、指圧でメンテナンス

Women's Health

 

気圧の影響を受けると、頭痛やめまいなどを起こしやすくなる。

 

このとき、緊張するのがこめかみやかみ合わせの部分。指圧で緩めることで、緊張が解ける。

 

 【いつやる?】

 

 気づいたときに行う。

 

 【やり方】

 

 ①人さし指と中指で、こめかみを20~30秒ぐらい押して刺激。

 

 ②頬骨の下のかみ合わせの部分を、同じく20~30秒ぐらい指圧する。

 

 ③耳の下のエラの部分を、少し前に押すように、持ち上げるように20~30秒ぐらい指圧。

 

 気象や気圧の変化と体調の乱れ、今年はこのメンテナンスで乗り切って、心と体を晴天に!

 

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