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和田秀樹「夫源病」が話題になる昨今、実際<定年後の夫>ほど厄介な存在はなく…「60歳で結婚生活を続けるかを一度考え直す」ことのススメ

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婦人公論.jp

(写真提供:PhotoAC)

 

厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」によると、同居家族の介護をする人のうち約3割が60代だそうです。

 

そのようななか、高齢者専門の精神科医である和田秀樹先生は「本来、60歳からは<やりたい放題>の人生の始めどきである」と話します。

 

そこで今回は、和田先生の新刊『60歳から女性はもっとやりたい放題』から、第2の人生を「やりたい放題」生きていくためのアドバイスを一部ご紹介します。

 

  【写真】「奥さんへの依存で夫婦関係は悪化する。本当に助け合わないといけなくなるまでは別行動すべし」と語る和田先生 

 

* * * * * * *

 

 ◆定年後の夫ほどやっかいなものはない

 

 親の介護から自由になったとしても、結婚している女性には、別の「問題」があります。

 

 それは、定年退職して、家でダラダラ過ごす夫の存在です。

 

 やっと子どもが自立してくれたと思ったら、働きもしない夫が一日中家にいて、飯だの風呂だの言ってくる。

 

 タレントの上沼恵美子(かみぬまえみこ)さんが告白したことで、夫の言動がストレスとなり妻の心身に不調をきたす「夫源病」が話題になりましたが、夫の定年前からすでにその兆候が見られた方は、ますます症状が深刻になるかもしれません。

 

 もちろん、深い愛情が残っていればそんな夫の世話も苦にならないのでしょうが、多くの女性は「仕方ないからやっている」というのが本音でしょう。

 

 それでも多くの女性は、「誰かの世話をする」ということが長年の癖になっているのか、あまり深く考えることなく、その面倒なタスクをつい受け入れてしまうのです。

 

  平均寿命からすれば夫のほうが先に旅立つ可能性は高いので、それが永遠に続くわけではないにしろ、そのとき、あなたは一体何歳になっていますか? 

 

70代、80代になってから、さあ、やっとこれからは自分の人生だと思っても、そこで自分のやりたいことをゼロから始める体力や気力が残っているとは限りません。

 

 もしかすると、自分自身に介護が必要な状態になっている可能性だってゼロではないでしょう。

 

 第2の人生は誰のものでもない「自分の人生」であって然るべきです。

 

 その人生の大半を誰かにせっせと尽くすことに費やすなんて、あまりにもったいないと思いませんか?

 

 

『60歳から女性はもっとやりたい放題』(著:和田秀樹/扶桑社)

 

◆第2の人生でも夫と一緒にいたいか?

 

 そもそもの話、あなたは第2の人生でも今の夫と一緒にいたいのでしょうか? 

 

『60歳からはやりたい放題』や他の本でも、「60歳を契機に、このまま結婚生活を続けるか否かを考えるのはとても良いことだ」と、繰り返し私は書いているのですが、女性は特にその必要があると思っています。

 

 世の中の価値観が変わってきたとはいえ、多くの家庭では相変わらず、女性が男性に尽くす構図になっているのが現実です。

 

 それでも夫が働いているうちなら、仕事に専念できるように夫を支えるとか、家事のほとんどを請け負ったりすることにも多少のメリットはあります。

 

 そのおかげで夫の稼ぎが増えていい暮らしができるとか、「勝ち組」の気分を味わえるといった「見返り」を妻のほうも得られる場合がありますから、そうなれば「尽くす」ことは必ずしも損な役割とは限りません。

 

こういう言い方をすると怒る人がいるかもしれませんが、これは資本主義の世界でいうところの一種の「投資」なのです。

 

(写真提供:PhotoAC)

 

◆「尽くし損」になってしまう危険

 

 もちろん性的役割の話をしているわけではありません。

 

妻のほうが稼ぎがいいなら、夫が妻に尽くせばいいだけの話です。

 

 私が言いたいのは、誰かに尽くしてちゃんと見返りが得られるのであれば、それも決して悪い選択ではないということです。

 

 けれども、相手が定年退職したあとは、その状況は一変します。

 

 はっきり言えば、定年後の夫というのは、ごく一部の人を除いて、たいした稼ぎはありません。

 

 それにもかかわらず、夫に尽くし続けることは、この先値下がりすることがわかりきっている株にせっせと投資するのと同じです。

 

 つまり、このタイミングで夫婦のあり方を考え直さない限り、女性は単なる「尽くし損」になってしまうのです。

 

◆二人だけの生活がもたらすストレス

 

 若い頃の結婚というのは、学歴や年収、年齢やルックスといった条件を重視しがちです。

 

 そのせいで、実際結婚してみると、考え方が合わないなあとか、あまり会話が弾まないなあなどと感じることも多いのですが、その一方で、仕事や子育てに割く時間が多いので、多少相性が悪くても、案外なんとかなるものです。

 

 ところが仕事や子育てがひと段落して、二人だけの生活が始まるとそうはいきません。

 

夫婦間の相性の悪さがこれ以上ないストレスをもたらすのです。

 

 だからこそ、60歳あたりを契機に、「第2の人生でも今の夫と一緒にいたいのか」をちゃんと考えるべきだと私は思っています。

 

 とりあえず気心も知れているし、だいぶくたびれてはきたけど、結構物知りで話していて楽しいし、旅行に行くならやっぱり一緒がいいし、というふうに、概ね「イエス」という前向きな結論を出せるのであれば、そのまま夫婦関係を維持していけば良いでしょう。

 

 相手が「楽しさ」とか「幸せ」という見返りを十分返してくれて、かつ、その人に「尽くす」ことが最高の喜びというのであれば、相変わらず「尽くす」ことになったとしても、それなりに意味のあることなのかもしれません。

 

 ※本稿は、『60歳から女性はもっとやりたい放題』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

 

和田秀樹

 

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