【以下ニュースソース引用】

【特集・SNSの闇】SNSにのめり込み自己否定のループに陥る子供たち そこに「悩みを聞かせてほしい」と近寄る犯罪者の影

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マネーポストWEB

SNSの“負の側面”とは(イメージ)

 

 朝、スマホのアラームで起きたらまずはLINEの返信。

 

Xのトレンドとインスタのストーリーをチェックして、食事のお供にはYouTube、移動時間はTikTok。

 

もはや生活の一部となっている「SNS」だが、使えば使うほど、心も体もボロボロになっていく人もいる。

 

SNS依存が引き起こす様々なトラブルを検証する。

 

【SNSの闇・第1回】

 

  【グラフ】20~40代の男女1000人で調査 SNSでストレスや疲れを感じる主な原因やきっかけ

SNSの負の側面に国が危機感

「ネットリンチ」に国のメスが入った──5月10日、参議院本会議において、SNSや掲示板など、インターネット上での誹謗中傷に対し、運営事業者により適切かつ迅速な対応を義務化する「プロバイダ責任制限法」の改正案が可決された。

 

利用者からの申請に対し一定期間内に削除に応じるか否かを通知するほか、削除基準を明確に設けての公表などが義務づけられる。

 

  人と人との距離を縮め、情報発信のハードルを下げる画期的なツールとして、スマホの普及とともに爆発的に広がったSNS。

 

だが、度重なる誹謗中傷で著名人の自殺が相次いだことなどから社会問題となっている。

 

今回の改正法可決はそうしたSNSの“人間を壊す”側面に、国が危機感を抱いたことの表れだといえる。

 

  忌避すべきは誹謗中傷だけではない。

 

心強い味方であったはずの存在が、世界中で牙をむき始めている。

 

SNSは、それ自体が“人類史上最凶の娯楽にして害悪”かもしれないのだ。

米ニューヨーク市はメタを提訴

《子供や10代の若者を意図的に操り、依存させるように仕向けている。若者たちは不安や絶望を経験し、自殺未遂の割合はこれまでにない状況にある》

 

  今年2月、米ニューヨーク市のアダムス市長はこう訴え、フェイスブック、インスタグラムの運営会社であるメタを前述の言葉で強く非難するとともに、SNSによって精神的な傷を負った若者のカウンセリングなどの費用に年間1億ドル以上かかったとして、損害賠償を求めて連邦地方裁判所に提訴した。

 

 自由の国アメリカを揺るがした“SNS害悪論”は決して対岸の火事ではないと語るのは、青少年のインターネット利用問題に詳しいジャーナリストの石川結貴さんだ。

 

 「以前取材した中に、インスタグラムに依存するあまり、自分の髪の毛をむしるようになってしまった少女がいました。

 

“インスタの中の女の子は皆サラサラのストレートヘアなのに、自分はくせ毛で量も多い。

 

親はくせ毛もかわいいと言うだけで縮毛矯正を受けさせてくれない”とコンプレックスがふくらみ、自己否定感が強まった結果でした。

 

  同じようにして、小学生がインスタには自分よりずっとかわいい子しかいないから、整形したいと言うケースも出てきています」

 

  画像や動画の投稿がメインのインスタで注目を浴びる若者は人目を引く容姿をしており、極端なダイエットも美容整形も「美しくなるための当たり前の努力」として肯定される風潮がある。

 

ゆえに、「それができない自分は努力が足りない」と自己否定のループに陥る人は少なくなく、判断能力が成長過程にある子供はより影響を受けやすい。

 

 「ありのままのあなたが素敵だよと親がどれだけ言ったところで、SNS上では、『いいね』やフォロワーの数で明確に数値化され、それを“優劣の差”として受け止めてしまう人は多い。

 

SNSにのめり込んで自己否定感が高まっている子に、親の声は届きません」

 

(石川さん)

 

  そもそも、SNSに投稿される画像や動画の多くは、加工や演出によって実物より何倍も魅力的に見せた「チャンピオンデータ」と呼ばれるものだ。

 

精神科医の樺沢紫苑さんが言う。

 

 「ダイエットジムのCMで完璧な肉体を披露している著名人のような『極端な成功者』像もそれに当たります。

 

SNSでは毎日のように、そうした“虚像”を目にするため、そのたびに自分と比較し、自己肯定感がなくなっていくのです」

心を病んだ末に犯罪者が近づいてくる

 恐ろしいのは、そんな虚像にまみれた投稿によって苦しみを抱えた末にSNSに「死にたい」「私なんてブスだ」と書き込むと、そこに「悩みを聞かせてほしい」と犯罪者が近づいてくることだ。ネット問題に詳しい弁護士の清水陽平さんが話す。

 

 「同世代の子供やネット上で拾った若い美男美女の画像を利用して親しみやすい人物を装い、悩みを聞き出して寄り添ってみせることで親密になる。

 

頻繁なやりとりの先に裸の写真を送らせたり、時には直接会いたいなどと呼び出して犯罪行為に及ぶ者もいる。

 

2017年に神奈川・座間市のアパートの一室で10代の少女4人を含む9人が殺害された事件も、X(旧ツイッター)に自殺願望を書き込んだ若者が誘い込まれたのが発端です。

 

  今年2月に大阪で中学生3人が男子大学生を美人局(つつもたせ)の手口で脅し、死に追いやったとして監禁致死容疑で逮捕された事件も、両者はSNSを通じて知り合っています」

 

  利用者の心を傷つけるだけでなく、時に犯罪に引きずり込む魔窟と化したSNSは、いまや未成年が大麻などの違法薬物を売買するツールにもなっている。

 

2020年の大麻所持による検挙者約5000人のうち、中高生は899人にものぼった。

 

  実際にXで違法薬物の売買を意味する隠語を検索すると、売人による“広告”が無数に出てくる。

 

 (第2回〈SNSに蔓延する自覚ない悪意 ネットリンチが現実のいじめと異なる点〉に続く)

 

 ※女性セブン2024年5月30日号

 

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