【以下ニュースソース引用】
見つめる先には 永瀬正敏が撮ったアメリカ(263)
俳優・写真家
1966年生まれ、宮崎県出身。1983年、映画「ションベン・ライダー」でデビュー。「息子」(91 …
国際的俳優で、写真家としても活躍する永瀬正敏さんが、世界各地でカメラに収めた写真の数々を、エピソードとともに紹介する連載です。
つづる思いに光る感性は、二つの顔を持ったアーティストならでは。
今回はアメリカでの一枚。見つめる先にあるものとは？
彼の見つめる先には、
広大な荒野が広がっている。
ユタの地でアメリカ先住民の方々と出会った。
通訳さんを介して伝わる彼らの言葉は、
一つ一つ心にずっしりと響いてくるものだった。
彼らは自分たちの文化に心から誇りを持っている。
古代から続く自然から得た様々な知識や思いを、
今でも継続して持ち続けている。
先人たちの教えや、先人たちが身をもって感じたことを、
引き継いで今の生活に生かしている。
それはとてもシンプルなことだったり、
とてもとても深いものだったりする。
そして彼は、
「僕たちのルーツは同じなんだよ」
そう言った。
想像すらしたことのないことだった。
たった一つの地球に住んでいる僕たちは、
皆、同じ人間なんだ、
ということを言いたかったのか。
それとも、本当に遡（さかのぼ）っていくと二つの民族のルーツは、
同じなんだと、先人たちから伝わっていることを、
教えてくれたのか。
彼の見つめる遥（はる）か彼方（かなた）には、
僕が住んでいる日本がある。
写真：ネガフィルムをスキャンしデータ化