【以下ニュースソース引用】

五月病やスマホ中毒…落ちた集中力を取り戻す5つのコツを専門家が伝授

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集中すること、かつてそれはすばらしい体験だった。

 

筆者も以前は、机に向かってランプの温かい光のもと仕事に打ち込み、純粋に集中力を高めて次々とアイデアを練っていくことが、とても心地よいと感じていた。

 

 しかし最近は、深く、そして長く集中する力が低下している。

 

あらゆることが、あらゆる場所で一斉に襲ってきたパンデミックにより、私のメンタルはショートしてしまったのだ。

 

そして、その危機から抜け出せなくなり、スマホのメッセージやEメール、SNSの更新の絶え間ないチェックに歯止めをかけるという、かつての能力が完全に崩壊した。

 

とはいえ、私の言葉は「釈迦に説法」であることは承知している。

 

多くの人々は、インターネットに惑わされ、あきれるほど多くの時間を費やしている。

 

カリフォルニア大学アーバイン校のグロリア・マーク教授(情報学博士)は、人がひとつの画面に集中できる時間が、過去20年間で平均2分半から47秒に減少したことを発見した。

 

 『ATTENTION SPAN(アテンション・スパン)デジタル時代の「集中力」の科学』の著者でもある彼女が最近『ニューヨーク・タイムズ』紙に語ったように、私たちの集中力が巨大IT企業にハイジャックされ、彼らの手のひらで転がされていることも事態を悪化させている。

 

デバイスに邪魔されることに慣れてしまったため、通知音の数が減ると、同じ“中断のリズムを維持するために”、画面をチェックする回数が増加しているという。

 

しかし、スマホ中毒が私たちの脳に何をもたらしているのかを知ることは、別の側面もある。

 

「集中力は私たちが再び養うことができる貴重な財産である」ということへの理解が深まっているのだ。

 

 『Stolen Focus(原題)』の著者であるヨハン・ハリ氏は、「あなたが人生で成し遂げたことで、誇りに思うことを思い浮かべてみてください。

 

起業したことや、子育てでうまくいった経験、ギターを弾けるようになったことなど何でも構いません。

 

それを成し遂げるためには膨大で持続的な集中力が必要だったはずです」「目的を達成する能力が低下すると、自分自身に罪悪感を抱いてしまいます。

 

しかし、集中力を再び養うことは、自分の強大な力を取り戻すようなものなのです」と語る。

 

ここでは、集中力を取り戻すためのコツを解説する。

 

 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。

 

 Translation: Masayo Fukaya From Oprah Daily

 

体内時計を尊重する

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集中力を高める最も簡単な方法のひとつは、毎晩十分な睡眠をとることだ。

 

多くの成人には少なくとも7時間の睡眠が必要だと言われている。 カリフォルニア大学デービス校のチャラン・ランガナス教授(心理学・神経科学博士)によれば、目標を達成するために必要なことに集中する能力は、脳の実行中枢と呼ばれる前頭前皮質に大きく左右されるという。

 

私たちの脳は、一度にひとつのことにしか集中できない。そのため、新しいスニーカーを注文しながら、メールの下書きをしつつ、電話会議を片手間に聞くといったマルチタスクをこなすと、切り替えることにエネルギーを消耗し、限られた認知エネルギーをすぐに使い果たしてしまう。 

 

『Why We Remember(原題)』の著者でもあるランガナス教授は、マルチタスクをこなすと新しい情報を記憶する能力が低下し、ミスを起こしやすくなるが、睡眠不足のときはそれがより一層増幅されると言う。

 

同教授はさらに、「睡眠不足は、前頭前皮質に悪影響を及ぼします」「『これが私の目標で、これに集中する』という精神的能力がなければ、私たちは自分の興味を引いたものだけを覚えてしまいます」と付け加えている。

 

 『Tranquility by Tuesday(原題)』の著者で、時間管理の専門家であるローラ・ヴァンダーカム氏は、最も大切なのは一貫性を保つことで、就寝時間を決めてそれをしっかり守るようアドバイスしている。

 

そうすることで、(特に寝る1時間前にはデジタル機器から離れると)夜がより目的意識のある穏やかな時間になり、翌朝すっきりと目覚めて楽観的な気分になる可能性が大幅に高まる。

明確な目標を設定する

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学術雑誌『Attention, Perception, & Psychophysics』に掲載された研究によれば、時間制限のあるタスクが与えられ、徐々にその目標時間が短縮されていった人たちは、できるだけ早く対応するように言われただけの人たちよりも、対応時間が短くなっただけでなく、注意力の低下も少なかった。

 

 ヴァンダーカム氏は、毎週定期的に計画を立てて、次の週の最も重要な目標を設定し、その目標に取り組むための中断されない時間(ほとんどの人は、昼前と午後の半ば頃に最も生産性が上がるため、その時間帯が理想)を確保することを勧めている。

 

 また、些細な仕事(頭の回転が鈍いときでも片づけられる仕事)をまとめておき、そのための時間を確保するのも効果的だと彼女は言う。

 

 「次の週のタスクや、自分にとって最も重要なことは何かを考慮した上で、それらのタスクをいつごろ実行するかを大まかに決め、計画上の課題を解決しましょう」「そうすることで、火曜日の午後に(TikTokに時間を取られることなく)やると決めたことを実行しやすくなります」

 

何が集中を妨げているのかを把握する

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自分の思考を客観的に捉える「メタ認知」いう能力は、人間の大きな強みのひとつだ。

 

ランガナス教授は、新しい本を執筆している最中に集中力が低下していることに気づいたとき、30秒間立ち止まって、なぜ注意力が散漫になっているかを考えることで、「自身の説を実践する」機会を得たそう。

 

 彼は30秒間立ち止まることで、5分間休憩して飲み物を飲んだり、おやつを食べたり、元気が出る曲を聞いたり、同僚のSNSをさくっとチェックしたりすることで、のどが渇いた、お腹が空いた、眠い、といった欲求を解消することが必要だったと気づけたという。

 

しかしそれ以外にも、本当に疲れていたり、新しい研究を消化するために数時間を必要としていたりなど、もっと長い休憩が必要であると気づくこともあった。

 

立ち止まって何が集中を妨げているのかを把握することを学んだことで、最終的に時間と集中力の大幅な節約になったと彼は言う。

 

 ランガナス教授は「常に次から次へと何かをしようとして走り続けるような状態は有害」であり、最終的には生産性を低下させると言う。いっぽうで、「自分に考える時間を与えることは、本当に大きな助けになります。

 

誤った情報から身を守り、物事をより正確に記憶することができます」「立ち止まる時間は、30秒あれば十分です」と付け加えている。

マインドワンダリング(心の迷走)を実践する

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常にスマホに支配されていると感じて嫌気がさしたハリ氏は、かつての集中力を取り戻すためにスマホを友人に預け、アメリカ東海岸の小さな海辺の町、プロビンスタウンで3カ月を過ごした。

 

多忙なジャーナリストである彼は、歩いているときでもToDoリストにチェックを入れることに慣れていたため、最初は毎日長い散歩をすることに「少し後ろめたい」気分になったという。 

 

しかし、意外にも、彼はすぐにスマホを持たずに散歩することが1日のうちで最も想像的な生産性の高い時間であることに気づいた。

 

マインドワンダリング(目の前の課題とは関係ないことを考え、ぼーっと思いを巡らせている状態)の科学を掘り下げてみると、それが重要でありながらも過小評価されている手法であることがわかったという。

 

収束的思考(たとえば、複雑なデータセットに意識的に取り組むときに使う思考)とは異なり、マインドワンダリングはよりゆるやかな連想や拡散的思考(アイデア同士のつながりを探ったり、創造力を高めたりするのに不可欠な思考)を促すのだ。

 

 ハリ氏は、「心がさまよっていて、集中するものが何もない状態で考えているとき、あなたは重要なことをしています」「まず、過去を処理し、その意味を理解しています。そして未来を予測し、そこに向けて準備をしています。

 

さらに、結びつかないもの同士を結びつけようとしています。これこそがクリエイティビティの真髄なのです」と話す。

 

レジの列に並んでいるときに携帯電話をチェックするなど、毎分毎秒注意を引くものをかき集めていると、「私たちは本当に最悪の状態に陥ってしまいます」「これは、必死になって上澄みをすくい取っているだけなのです」とハリ氏は付け加える。

 

本を読む

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素晴らしい本に没頭することは、私たちの努力と集中にとってのご褒美だ。

 

ハリ氏が指摘するように、読書は私たちの心をさまよわせる貴重な時間を与えてくれる。

 

読む人はページに書かれた言葉に集中しているが、心は本の世界へと羽ばたいているのだ 最近では残念なことに、口コミサイトのレビューより長い文章を読めない人が増えてきている。

 

その理由のひとつとして、私たちがオンラインで読むことに慣れてきていることが挙げられる。

 

調査によれば、私たちの目はZ字型やF字型に動き、読み飛ばしながら最後まで急いでしまう。

 

 こう説明するのは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のディスレクシア・多様な学習者・社会的公正センターの教授兼センター長で、『デジタルで読む脳×紙の本で読む脳 「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる』の著者であるメアリアン・ウルフ教授。

 

彼女は、一度定着すると紙の本を読むときにも同じことをしてしまうので、飛ばし読みを憂慮している。

 

これが習慣になると、難解な文章を読み進めるための認知的忍耐力を蝕んでしまうのだ。

 

たとえば、複雑な政治議論を理解することは健全な民主主義に不可欠だし、優れた小説を読めば、他人の内面が自分自身とそれほど変わらないことを想像することができる。

 

しかし、飛ばし読みはこういった体験も少なくしてしまう。

 

 ウルフ教授は、昔は読書家だった人や、これから読書を始めたい人に、1日20分、紙の媒体で細部に注意を払いながら読む練習をすることを勧めている。

 

「すべての人に当てはまるとは約束できませんが」とした上で、「単語や文章、段落を見て、自分がすでに知っていることと初めて知ることを類推する」ために、「最善の注意を払うこと」は、私たちが生きていく上で、情報の嵐に対する健全な解毒剤になると語る。

 

ウルフ教授は「それにより、今置かれている状況を把握でき、自分がその瞬間どんな人間であるかが少し見えてきます」と語る。

 

今、これは味わう価値のあるものになっているのだ。

 

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