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集中力が続かない理由は自律神経の乱れかも? 自律神経を整え集中力を高める6つの習慣
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順天堂大学医学部教授・小林弘幸さんは「じつは集中できないほとんどの要因は、突き詰めていくと自律神経に起因している」と話す。
小林さんの著書『自律神経の名医が教える集中力スイッチ』(アスコム刊)から、自律神経を整え集中力を高める6つの習慣を紹介する。
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■起きる時間を少しずつ早くする
朝の時間に余裕を作ること。
それが心に余裕を生み、自律神経のバランスを整え、集中するための土台となっていくのです。
「寝坊をしたために焦って支度をしたら忘れ物をしてしまった」
「自分が使いたいタイミングで洗面台やトイレを家族に占拠されていてイライラしてしまった」
など、朝に余裕がないと自律神経を乱す出来事が多発しがちです。
注意したいのは、一度でも自律神経のバランスが乱れると、そのあと2~3時間は整ってくれないということ。
「少しでもベッドで横になっていたい」という思う気持ちはわかりますが、その一時をがんばるか否かに、一日の明暗がかかっているといっても過言ではないのです。
いきなり今より1時間も2時間も早起きするのは酷ですから、5分、10分、20分と、段階を踏みながら早起きする習慣を作っていきましょう。
■「見ざる・聞かざる・言わざる」で心に余裕を作る
集中するためには感情のコントロールが欠かせません。
心に余裕を作るためのポイントとして、さまざまな情報をシャットアウトすることです。
その手本として見習いたいのが、「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿。
この三猿の教えは不必要に見たり、聞いたり、言ったりすることが、人間にとって害になることを説いているそうです。
これを今の時代に当てはめるのであれば、現代病とされるスマホ依存、とくに情報があふれかえっているSNSは最たる例といえるかもしれません。
集中したいときにはスマホ自体を手元に置かない。
これを徹底すべきでしょう。
■外との温度差を7℃以内にする
梅雨時になると憂鬱な気分になったり、季節の変わり目には体調を崩しやすかったり、みなさんも天気によって体のコンディションが変わった経験があるのではないでしょうか。
じつは、こういった症状にも自律神経が関係していることがわかってきました。
精密機械のように緻密で繊細な自律神経は、気候の変化にもとても敏感です。
とくに「寒い」から「暑い」への変化を苦手としています。
集中する環境を整えるためには、部屋の温度調節も重要になってきます。
たとえば、暑いときにクーラーをガンガンに効かせた部屋に入ると、サーッと汗が引き、その涼しさがとても気持ちいいですよね。
しかし、自律神経にとっては非常に迷惑な話。
その温度差にびっくりしてパニックに陥ってしまうため、しばらくは落ち着かない状態が続いてしまうでしょう。
ちなみに、外気温と室内の温度差が7℃以上あると自律神経は過剰に働いてしまい、場合によっては寒暖差疲労で過労を起こしてしまいます。
盲点となりやすいのは「車に乗るまで」「新聞を取りに行くだけ」「ゴミ出しをするだけ」という、ちょっとした移動時の油断です。
自律神経は一度でも乱れてしまうと整うまでに時間がかかります。
外にいる時間はほんのわずかであったとしても、外気温との温度差には注意しましょう。
■30分に1回深呼吸して姿勢を良くする
自律神経のバランスがとれている状態にあると、全身の血流が安定することにより、一つひとつの細胞に質のよい血液を送ることができます。
これによって体調もいいコンディションへと整えられますので、おのずと集中力も高まり、脳の働きも活性化しやすくなります。
この血流に着目するのであれば、仕事や勉強で集中したいときの姿勢も大切。
デスクに向かった瞬間こそ背筋をピンと伸ばしていたとしても、人は知らず知らずのうちに楽な姿勢をとろうとするので、気づくと猫背になっているものです。
背中が丸まっている状態だと、首(頸部)の筋肉が緊張するため頭と胴体をつなぐ神経や血管に負担がかかり、血流が滞ることで脳や内臓に充分な血液や酸素を送ることができなくなってしまいます。
また、胸部が圧迫されることによって呼吸も浅くなるでしょう。
浅い呼吸は交感神経を優位に働かせますので、イライラしたり、焦りが出たり、何かと集中力を欠きやすくなります。
ずっといい姿勢をキープすることは難しいので、30分に1回くらいはゆっくりと深呼吸をして副交感神経に働きかけつつ、もう一度ビシッと姿勢を整え直して血流の改善を促しましょう。
姿勢を正すポイントとしては、しっかりと骨盤を立てて、お尻を椅子の背もたれにつけるようにして座ること。
あまりにも集中できないときには、天井を見上げてみるのもいいでしょう。
上を向くことによって顎が上がると、おのずと気道が開いて深い呼吸ができるようになります。
■整理整頓で集中すべきことを明確にする
集中力が続かない原因のひとつに、明確性の欠如があります。
「何から手をつければいいのか」
「どこまでを達成の目標とすればいいのか」
「いつまでに終えればいいのか」
こういったビジョンがクリアになっていないと、今の自分が集中して仕事や勉強をこなせているかどうかがわからず、不必要に焦ってしまうことがあります。
「今、何を優先し、どこまでをノルマとすべきか」
これを意識することが、高い集中力を作りあげるためには欠かせません。
『まずはやるべきことを整理整頓する』。
これが集中力を高めるコツのひとつです。
また、整理整頓にかこつけるのであれば、デスク周りの備品やパソコンのフォルダの片づけもおすすめ。
片づけのタイミングとしては、食後の眠くなった時間帯などを利用するとよいでしょう。
デスク周りがきれいに整理整頓されると、気持ちよく仕事や勉強に向かうことができますよ。
■一日を上手に終わらせて翌日に備える
明日、一日の集中力を高めるためには、その前日をいかにして終わらせるべきか。
その具体的な手段についてもご紹介しておきましょう。
この世の中を生きていると、楽しいことばかりではありませんよね。
むしろ、ネガティビティバイアスといって、人は悪いことやつらいこと、苦しいことのほうが記憶に残りやすいとすらされています。
深い後悔や大きな悲しみ、激しい怒りなどは自律神経にストレスを与えるので、なるべく早く感情をリセットしなければなりません。
そういった心のモヤモヤを吐き出す手段として、私自身もかれこれ10年以上続けているのが「3行日記」です。
3行日記はセブンラインズというカルテの書き方を応用したもので、その日にあった出来事を次の3つのポイントに要約して書き出す作業を指します。
(1) 1行目は「今日、いちばんダメだったこと(失敗したこと)」
(2) 2行目は「今日、いちばんよかったこと(うれしかったこと)」
(3) 3行目は「明日、必ずやりたいこと(小さな目標)」
この3行日記を書くときの注意点は、「(1)(2)(3)の順番で書くこと」と「手書きであること」のふたつです。
日記というと「何を書けばいいんだろう?」と思い悩んでしまうかもしれませんが、ひと言の短文で問題ありません。
そして、誰かに見せるものでもないので、感情のおもむくままに書き連ねてしまって大丈夫です。
というよりも、感情を整理するための作業なので、自分の心に素直に従って書き出すべきでしょう。
■文字を書くことで自律神経は整う
まず、ダメだったことや失敗したことを振り返り、自分自身が成長するためにも反省する機会を設けます。
次にモチベーションを上げるために、よかったことやうれしかったことを考えます。
日本人は自分自身を責めてしまいがちで、反省にばかり重きを置いてしまうところがあります。
暗い気持ちを引きずらないためにも、(1)(2)の順番で書くことの大切さがわかるのではないでしょうか。
最後に、明日の小さな目標を立てて3行日記を締めましょう。
目標を明確にすることの大切さは前項でもお伝えしてきましたが、前日の段階でやるべきことをはっきりさせておけば、当日に「何をすればいいんだろう?」と考える必要がなくなります。
また、「明日は○○をがんばろう!」と前向きな気持ちで眠ることができるので、自律神経にとっても好循環が生まれるようになります。
「手書きであること」の理由については、文字を書くこと自体に心を落ち着かせ、自律神経を整える効果があるからです。
たとえば「写経」をイメージするとわかりやすいかもしれませんね。
今日一日の出来事をゆっくりと振り返りながら筆をとることで、おのずと呼吸のリズムも整い、自律神経の乱れもスッと落ち着くようになります。
その日にあった嫌なことやストレスは、その日のうちに吐き出してしまいましょう。
『一日の最後に3行日記を書く』、このちょっとした時間があることによって、翌日の集中力がいっそう高まるといっても過言ではありません。
小林弘幸
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