【以下ニュースソース引用】
「マインドフルネス瞑想」とは? ストレスが減り、仕事も人間関係もうまくいく!
配信
マインドフルネス瞑想は、簡単に言ってしまえば悩みごとやストレスの解消につながる瞑想法です。
しかし、いまはそのような概要だけが広く伝わっていて、本当の意味や正しいとりくみ方が、あまりよく理解されていません。
マインドフルネスとは、本来、いまこの瞬間に起こっている感覚や感情、思考に気づき、そのままに受け入れること。
そのような状態になるための瞑想が、マインドフルネス瞑想です。
思考にただ気づくだけで、よい考えとも悪い考えとも判断しません。
判断しないで、またいまこの瞬間に気づきを向けます。
それをくり返すと、感覚や感情、思考が瞬間に変化すること、すべては一瞬に消え去ることがわかってきます。
そうしてマインドフルになり、一つひとつの雑念に振り回されなくなるのです。
ここでは、『図解 マインドフルネス瞑想がよくわかる本』(有光興記監修、講談社刊)のエッセンスを、全8回にわたって紹介。
マインドフルネス瞑想は、特別な場所や道具、知識を必要としないため、誰でもすぐにおこなえます。
実践を重ねるうちに気持ちがすっと軽くなり、よけいな考えに振り回されなくなっていることを実感するようになるでしょう。
マインドフルネス瞑想がよくわかる 第1回
いまこの瞬間に起こることに集中して、ただ「気づく」
「マインドフル」とは、「マインド=心」が「フル(完全)」に働いているということ。
具体的には「気づく(認識する)」機能が十分に発揮され、現状を正しく受け入れている状態をさします。
たとえばマインドフルネスのとき、人はよけいなことを考えず、目の前の風景をただ受け入れ、楽しみながら歩いていくことができます。
しかし、私たち人間は、なにをするときにもさまざまなことを思ったり考えたりして、状況を複雑にし、悩みを深めていきがちです。
そのように「思う」「考える」といった心の働きが、よけいなことをせず、なにごともシンプルにとらえられるようになれば、思い悩むことは減るはずです。
そこで注目されているのが「マインドフルネス瞑想」です。
マインドフルネス瞑想をおこなうことによって、心は本来の姿をとり戻していきます。
そのために、「気づくこと」への集中を重視します。
体のこまやかな感覚に意識を向け、ささいな変化に気づくことをくり返して、心の状態を整えていくのです。
仏教と医学の2つのルーツがある
仏教で伝えられているブッダの瞑想と、さまざまな瞑想をもとにして開発された医学的なプログラムが、マインドフルネス瞑想の理念や手法のもとになっています。
仏教では「無我」といった教えを説き、「悟り」をめざしますが、医学ではストレスの軽減や病気の治療に重点をおきます。
●仏教のルーツ
仏教の教えのなかで、ブッダの瞑想が広く伝えられてきた。
インドから中国などをへて、日本にもそのとりくみが伝わっている。
基本的には仏教の教えや言葉を用いておこなわれる。マインドフルネス瞑想のベースになっている。
【瞑想のねらい】
ブッダの教えに従い、瞑想によって悩みや苦しみのない悟りにいたるという考え方をする。
基本的には、仏教徒のもとでおこなう。目標を立てたり、期間を区切ったりせず、生涯をかけてとりくんでいく。
●医学のルーツ
インドからスリランカなどをへて、欧米にも仏教の瞑想が伝わった。
アメリカでは、マサチューセッツ大学のジョン・カバットジン博士が仏教の瞑想をもとに医学的なプログラムを作成。マインドフルネス瞑想の効果を広く全世界に伝えた。
【瞑想のねらい】
研究に基づき、一定のプログラムになっている。
カバットジン博士の形式では8 週間でストレスを低減させることをめざす。
ほかにも12週間のプログラムなどがあり、いずれも実践者の健康状態の改善が目的となる。
医学・ビジネス分野でも瞑想の効用が注目されている
マインドフルネス瞑想は悩みを解消するためのとりくみとして知られていますが、医学的にはもともと体の慢性疼痛をその治療対象としていました。
瞑想をとり入れたプログラムが痛みの緩和に役立つことが脳画像検査などによって検証され、それが糖尿病などの慢性疾患のストレス低減や、うつ病などの精神疾患の治療にも広がってきました。
瞑想はもともと日常的に心の働きを整えるものですが、医学の分野では病気による痛みやストレス、精神的な不調などをやわらげる手法としても活用されるようになってきたのです。
瞑想の効用にはビジネスの分野でも注目が集まっています。
仕事の進行や職場の人間関係といったビジネスの課題も、瞑想によって解消できる対象と見込まれているのです。
たとえば、グーグルは早くから瞑想に着目し、2007年にはマインドフルネスを独自にプログラム化。数千人の従業員たちが瞑想を実践するようになりました。
2014年にはアメリカの雑誌『TIME』がマインドフルネスの特集記事で、その流行を一時的なものではないと論じました。
いまでは多くの企業がマインドフルネス瞑想を研修のテーマとしてとり上げるようになり、日本でも実践が広がっています。
次回は、瞑想のしくみと効果についてご紹介します。
『マインドフルネス瞑想はなぜ効果があるのか。
頭の中を「あるがまま」モードに切り替えると…』へ続く
----------
(プロフィール)有光 興記(ありみつ こうき)/ 1971 年兵庫県生まれ。関西学院大学文学部総合心理科学科教授。博士(心理学)、臨床心理士。専門は臨床心理学、社会心理学。ストレスや抑うつ、不安に悩む子ども・成人を対象として、ソーシャルスキルトレーニング、認知行動療法、マインドフルネス瞑想を実践している。2014 年にはボストン大学不安関連障害センターにて1年間、マインドフルネス瞑想の最新研究に従事。その知見を日本に持ち帰り、実践をさらに広げている。主な著書に『発達障害の子の「イライラ」コントロール術』(監修、講談社)、『マインドフルネス─基礎と実践』(分担執筆、日本評論社)など。
----------
からだとこころ編集チーム
【関連記事】