【以下ニュースソース引用】
これからの20年を見据えた、シニア世代ならではのリノベーション〈261〉
建築家
1969年生まれ。日本のリノベーション・シーンの創成期から手がけてきた「ブルースタジオ」クリエイ …
Eさんご夫婦(夫・妻60代)
東京都中央区 / 築25年/62.14㎡ / 総工費約1700万円
◇
Eさんご夫婦は共に60代。
今回のご依頼は、リタイア後の暮らしを考えた、「終活のためのリノベーション」でした。
飼っているビーグル犬2匹と一緒に、年を重ねても心地よく暮らすために、25年ほど住んでいるタワーマンションをリノベーションしました。
元々の間取りは、広めのリビング・ダイニングが真ん中に、その両側にそれぞれの個室がある2LDK。
タワーマンションの高層階だという構造上、設備や壁の移動が難しい部分がありました。
さらに、共有スペース+それぞれの個室というスタイルは、そのままでとのことでしたので、大幅な間取りの変更はしませんでした。
お二人の希望は、大きく三つありました。一つ目は、動線を整え、家事や片づけを楽にしたいというもの。
重いものを移動する、動線が長いなどの不便さは、今後ますます辛くなるので、解消しておきます。
まずは、クローズドで暗かったキッチンを、ダイニングと対面になるようにオープンに。窓から風景を眺めながら、ゆったりと料理ができます。
スクエアでスッキリしたデザインのシステムキッチンを配置し、それに合わせた背面収納を造作。
ものは外に出さず、お気に入りのバルミューダの家電が映える空間になりました。
地震対策として、背面収納には扉が揺れで開かないようになっています。
さらに、パントリーを新設してキッチンの収納力をアップ。
食材のストック、ゴミ箱、ペットのご飯などを入れている冷凍庫が、見やすく配置されています。
パントリー以外にも、ペット用品を入れる収納を新しく作りました。
リノベーション前も収納はたくさんありましたが、色々な場所に点在していて、使い勝手が悪かったそう。
家事や片づけを楽にするために、パントリー、ペット用品、ウォークインクローゼット、シューズクローゼット、奥様の個室の収納と、用途別にまとめました。
二人の希望の二つ目は、個室を充実させ、将来はシェアができるようにすること。
今後は家にいる時間も増えるので、仕事をする、本を読む、寝るなど、それぞれのやりたいことが完結できるようなマイルームに。
さらに、将来、どちらかが亡くなったり、施設に入ったりしたとき、その部屋を友達に貸す、また、残った方に介護が必要になった時はヘルパーさんに使ってもらうなど、シェアすることを考えています。
すでに、それぞれの個室に鍵をつけました。
三つ目は、愛犬との暮らしを楽しむことです。
床は、犬が汚してもお手入れがしやすいように大部分をタイルに。
また、先に紹介しましたが、洋服やお散歩グッズなどをしまえるペット用の収納を新設。
ダイニングと玄関をつなぐ廊下に面した場所にあるので動線が良く、散歩にサッと出られます。
さらに、ダイニングの壁はギャラリーウォールにし、犬の絵を飾って楽しんでいます。
シニア世代のリノベーションというと、今までは手すりをつける、段差をなくすといったバリアフリーの部分だけが、注目されてきました。
でも、今の60〜70代は、まだ若いし元気な人が多い。
会社を定年退職する、子どもが独立するなど、ライフスタイルが変化する時期でもあります。
若い頃とは違う、10〜20年後を見据えた「これからどう暮らしたいのか」を考えて、リノベーションする人は増えていくと思います。
人生100年時代に向けて、元気で長生きするために、住まいの役割は大きくなっていくはずです。
間取りとリノベーションの写真(写真をクリックすると、次々とご覧いただけます)
Eさんご夫婦に聞く
リノベーションQ&A
Q1 リノべーションで一番大切にしたことは?
重いものを何度も運んだり、荷物が分散してしまわないように、収納をできるだけ1カ所にまとめました。
ペットがいる、さらに、外干しができない環境なので、洗濯機周りのレイアウトや家電選びにこだわりました。
犬の毛で洗濯機が壊れないように、タオルがパリッと仕上がるように、スウェーデンの家電メーカー・ASKO(アスコ)の洗濯機と衣類乾燥機にしました。
床は広い範囲(LDK・廊下・個室)でタイル仕様にしました。
タイルだと涼しく、犬も過ごしやすいよう。
また、汚してしまった時もお手入れがしやすいです。
Q2 リノベーションをして、生活が変わりましたか?
動線が楽になったことで、家事のオぺレーションがよくなり、犬も、私たちも快適に過ごせています。
また、夫婦それぞれの個室があることで、音や時間を前よりも気にせず過ごせるのも、いいですね。
Q3 家の中でどんなことをしている時間がお気に入りですか?
食事の時間、個室で過ごす自分たちの時間です。
構成・大橋史子
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