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扉をバンッと閉めて怒りをぶつけてくる…精神科医が教える「不機嫌がダダ漏れの人」に対抗する簡単な方法

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プレジデントオンライン

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/BrianAJackson

 

不満や怒りをぶつけてくる人には、どう対処すればいいか。

 

精神科医の藤野智哉さんは「目の前の人の『怒り』は、相手の問題であって『あなたのせい』ではない。

 

もし、かかわらなければいけない相手が上司だとしたら、上司を『人』と思うのではなく『猫』と思えば、心理的に距離をとったうえで、少し落ち着いた気持ちで相手に接することができる。相手との関係も少しは変わっていくこともあるはずだ」という――。 

 

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 ※本稿は、藤野智哉『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

 

 ■扉をバンッと閉めて不機嫌アピールをする夫の心理

 

  いつもピリピリしていたり、他人の前で平気で不機嫌になる人っています。

 

  怒りっぽい性格だとか、メンタルの調子が悪いなどのいろんな事情があると思いますが、「不機嫌さで他人をコントロールしようとする人」も多いです。

 

  たとえば、下記は典型的な例ですよね。

 

 ----------

 

・言いたいことを言わず、扉をバンッと閉めて不機嫌アピールをする夫

 

 ・会議の報告中にため息をついたり、イライラを隠さない上司

 

 ・誘いを断ったら、公園で会っても無視してくるママ友

 

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  夫が扉をバンッと閉めて「俺は怒ってるんだぞ」とアピールした場合、妻が気弱な人なら機嫌をとってくれるかもしれません。

 

  しかし、それが夫にとっての成功体験になって、ますます「イヤなことがあったら、怒りをアピールすればいいか」となっていきがちです。

 

  仕事の出来や成果に不満のある上司も「このくらいイライラした態度をとれば、部下もあせって仕事するだろう」と思っているかもしれません。

 

  無視するママ友も「私の要求に応えられないとこうなるってことを思い知らせたい」なんて気持ちがあったりします。

 

  これらの態度は「不機嫌さを表に出すことで他人をコントロールしようとしている」といえます。

 

  やられたほうはたまったものではないですよね。

 

■相手が怒っているのは「相手のせい」

 

  けれども人によっては、「相手が不機嫌なのは自分が悪いのでは?」と自己への否定感が強まって、よけいに苦しくなってしまうこともあります。

 

  でもね、大切なことを言いますよ。

 

  相手が怒っているのは「相手のせい」です。

 

  あなたが何をしようと、それに対して「怒る」と決めたのは相手の責任です。

 

相手の怒りに気をつかい、コントロールされる必要はありません。

 

  そうはいっても、気になってしまう人もいますよね。

 

  目の前の人が怒っていたら、「自分のせいかも」と思ってしまう人。

 

  そんな人は「本当に自分のせいかな?」と立ち止まって考えてみることも必要だと思います。

 

  相手の感情は「相手のもの」です。

 

  レストランでオーダーミスがあっても、怒る人もいれば、ちょっとイラッときただけですぐ流す人、気にしない人もいるものです。

 

  売上が落ちたとき、「部下が悪い」とイライラする人もいれば、「原因はなんだろう」と分析する人もいれば、「なんとかなるだろう」と気にしない人もいます。

 

  相手が怒るかどうかは、結局、「相手の領域」といえるのです。

 

  相手の感情まで「自分のせいだ」と思うのは、ひょっとしたらちょっと「相手の領域」に立ち入りすぎているかもしれません。

 

  怒ったり、不機嫌だったり、落ち込んでいたり、という目の前の相手の感情に、「自分が関係している」とあまり思いすぎないことも大切です。

 

 ■他人に強い感情をぶつけるというのは立派な暴力

 

  小さい子って、気に食わないことがあると、だだをこねたりして他人を動かそうとするところがあります。

 

子どもなら「かわいいな」と思えたり、「しょうがない」と流して終わったりしますが、大人の場合はなかなかそうは思えないですよね。

 

  そのうえ、大人の中には「不満や怒りをぶつけることで、相手を思いどおりに動かす」、そんなふうに人間関係の武器として「不満や怒り」を使う人もいたりします。

 

  本人は「怒りで相手を思いどおりに動かそう」なんて意識しているわけではないかもしれません。

 

  でも、自分の「怒り」で相手を動かした成功体験もある。

 

相手を動かすには「怒る」が手っとり早くて効果的だ。そんなことをこれまでの経験から学んで人間関係にもち込む人だったりするのでしょう。

 

  一緒にいるとかなりやっかいな人といえます。

 

  そんな人とは離れたほうがいい。

 

  他人に強い感情をぶつけるというのは立派な暴力だからです。

 

  近所や友人の中にいたら、そっと距離をとって「なるべくかかわらない」というスタンスをとるのがいいかもしれません。

 

  けれども職場にそういう人がいて、上司や同じチームのメンバーなど避けられない関係だとしたら、「なるべくかかわらない」というわけにもいかないでしょう。

 

  そんなときは、「心理的に距離をとってみる」のがおすすめです。

 

■相手を「猫」と思って心理的な距離をとってみる

 

  まずは、前項のように、「相手の感情」は相手のものだと線引きすることが大事です。

 

相手の感情は、「相手の領域」といえます。

 

  目の前の人の「怒り」は、相手の問題であって、「あなたのせい」ではありません。

 

  その人は、その人の理由があって勝手に怒っている。それくらいの線引きで考えてみるのです。

 

  そのうえで、「心理的に距離をとる」のです。

 

  たとえばですが、かかわらなければいけない相手が上司だとしたら、上司を「人」と思うのではなく、「猫」と思ってみるというやり方があります。

 

  「なんかシャーシャー言ってるけど、お腹が減ったのかな?」 「うなってるけど、しばらくほうっておけば寝だすかも」

 

  というように上司を心の中で見てみるのです。

 

  目の前の怒ってくる上司にこういう見方ができれば、まあまあ「心理的な距離」をつくれるのではないでしょうか。

 

  そうやって心理的に距離をとったうえで、少し落ち着いた気持ちで相手に接することができれば、相手との関係も少しは変わっていくこともあると思います。

 

  「自分のせい」だと思うのをやめて、そっと距離をとってみる。

 

それが難しいなら、心理的な距離をとってみる。

 

  そんなやり方もあると覚えておいてほしいなと思います。

 

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 藤野 智哉(ふじの・ともや) 精神科医 産業医。公認心理師。1991年愛知県生まれ。秋田大学医学部卒業。幼少期に罹患した川崎病が原因で、心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。障害とともに生きることで学んできた考え方と、精神科医としての知見を発信しており、X(旧ツイッター)フォロワー9万人。「世界一受けたい授業」や「ノンストップサミットコーナー」などメディアへの出演も多数。著書に3.5万部突破の『「誰かのため」に生きすぎない』(ディスカヴァー)『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)、『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』(三笠書房)などがある。

 

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精神科医 藤野 智哉

 

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