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薬の副作用で “暴走事故” が起きていた!老人ドライバーだけでなく若者も加害者に…和田秀樹氏がリスク指摘

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2019年に発生した東池袋自動車暴走死傷事故。この事件後、免許返納の機運が高まった(写真・時事通信)

 

「ブレーキが効かなかった」

 

  当時87歳の飯塚幸三受刑者が、計11人を死傷させた大惨事から早5年。

 

老人ドライバーの起こす交通事故は後を絶たず、高齢者は一刻も早く免許を自主返納すべし、という風潮はますます強まっている。

 

  【画像あり】絶対要チェック!“薬害交通事故” を起こした薬一覧 

 

 だが――。

 

 「本当に高齢だけの問題でしょうか」

 

  と警鐘を鳴らすのは、精神科医の和田秀樹氏だ。

 

 「当時、飯塚受刑者はパーキンソン病を患い、治療薬を処方されていたことが明らかになっています。

 

実際、多くの高齢者は体の不調で病院に通い、複数の薬を服用していることが多い。

 

そして私は、病気そのものではなく、この薬の副作用が事故の原因ではないかと考えているんです」(和田氏、以下同)

 

  和田氏によると、薬の副作用により意識障害を引き起こすケースが非常に多いという。

 

 「意識障害とは、体は起きているのに頭が寝ぼけた状態です。

 

たとえば、せん妄ですね。

 

これは幻覚が見えたり、急に興奮することがあり、高齢者の場合、認知症だと誤認されやすいです。

 

しかし、入院患者の3割が経験するといわれるほどポピュラーな現象です。

 

  逆に、認知症やパーキンソン病などで運転が怪しいとなれば、そもそも発進できないし、危険を感じて運転をやめる人が大半でしょう。

 

薬の副作用のせいで、意識が朦朧とし、事故が起きる――これが “老害ドライバーの暴走” だと非難される、交通事故の真相ではないでしょうか」

 

  では実際、薬の副作用でどれほど交通事故が起きているのか。

 

本誌は和田氏監修のもと、厚労省所管の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開している「医薬品副作用データベース」で調査をおこなった。

 

    同データベースには2004~2023年度に、全国の医師や患者から寄せられた合計約88万件の副作用被害がまとめられている。

 

そのうち、交通事故を引き起こしたケースは637件。

 

死亡事故は、43件も発生していた。

 

 「やっぱりな、という印象です。

 

実際、医療用医薬品の4分の1は、服用後の運転を禁じるか、注意を促しています。

 

しかし、実際に患者に渡す際、医師や薬剤師は十分な説明をおこなっていませんし、患者のほうも、“運転禁止” を真に受けていないのです」

 

  交通事故を起こしたと思しき “被疑薬” のランキングを見ると、和田氏の疑念を裏づけるように、飯塚受刑者と同じパーキンソン病の治療薬が3位に入っている。

 

 「1位のプレガバリンは痛み止めの一種で、僕自身も帯状疱疹がひどかったときに飲んだことがあります。

 

中枢神経の興奮を抑える作用が強く、効きめはありますが、同時に眠気もくるし、注意力の低下を招きます。

 

  よく目にするものでは、高血圧に処方する薬や、糖尿病の治療薬、インフルエンザを治療するための薬、バイアグラや禁煙治療薬があります。

 

  つまり、高齢者や一部の限られた患者だけでなく、若者や中高年も、薬の副作用で暴走事故の加害者になる可能性があるのです」

 

  菅野龍太郎弁護士は、“薬害事故” を起こした場合、より罪が重くなる可能性があると指摘する。 

 

「そもそも、薬物の影響で正常に運転ができないことをわかっていながら運転した時点で、過労運転等という交通違反にあたります。

 

さらに、事故を起こした場合、危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。

 

  実際、2022年には、前日に睡眠薬を飲んで運転して事故を起こし、1名を死亡、3名に重傷を負わせた男が懲役7年の刑に処されました」

 

  和田氏は、暴走事故を防ぐには “減薬” が必要だという。

 

 「多くの薬を飲んでいればいるほど、事故を起こす可能性も高まりますからね。

 

意識障害を起こし得る薬を服用することは、飲酒運転と同じようなものだと、社会的な認知を高める必要があるでしょう」

 

  薬も “飲んだら乗るな” というわけだ。

 

週刊FLASH 2024年5月7日・14日合併号

 

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