【以下ニュースソース引用】

ギャンブル、ゲーム、酒、スマホ...。水原一平氏の報道で注目される「依存症」とは?ストレスが多い新年度のメンタルケアとともに克服法を教えます!

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「おおざっぱに笑って人生を楽しんでもらいたい」という思いから、おおざっぱの意味のラフ(rough)と笑う意味のラフ(laugh)をかけて「ラフドクター」と名乗り、心をラクにするコツや働く人へのメッセージを発信している金髪アフロがトレードマークの精神科医・井上智介先生に「新年度をラフに過ごすコツ」について「鉄崎幹人のWASABI」パーソナリティ鉄崎幹人、SBSアナウンサー堀葵衣が話を聞きました。

 

人はなぜ依存してしまうのか

鉄崎:今回は依存症について教えてください。

 

まずは、我々驚いたのが大谷翔平選手の元通訳・水原一平氏がギャンブル依存症だという報道です。

 

依存症とは具体的にどんな症状を指しますか。

 

井上:健康や仕事、人間関係のように生きていくうえで大切なものが崩れようが、依存するものの優先順位が高くなり、日常生活に支障が出てしまう状態を指します。

 

ギャンブルだけでなくアルコールや薬物、ゲームなど多くの人の身近にあるものだと思っています。

 

鉄崎:例えばスマホ依存症なんていうのもあるんですか?

 

井上:ありますね。その延長線にゲーム依存症があり、病名として存在しています。

 

堀:依存症はどうして起こってしまうんですか。

 

井上:誰にでもあることですが、イライラしたり不安になったりネガティブな感情になった時に、アルコールやギャンブルで発散できたという成功体験が一番最初にあるんです。

 

そして次にまた何かでイライラしたりストレスが溜まったりした時に、本来ならいろいろな方法でストレス発散できればいいのですが、その方法を持っていないと、人はほぼ無意識に過去にうまくストレス発散できた成功体験を思い出して何度も手を出してしまうんです。

 

依存症は「気持ちよくなりたい」「テンションがハイになりたい」からギャンブルやお酒に走ると勘違いされがちですが、全く逆です。イライラしたり強い不安を抱えた心理状態の時に「何とかネガティブな感情を抑えたい」という気持ちでやってしまうんです。

 

誰でも気持ちがしんどい時はありますし、その延長に依存症はあるんです。

 

だからこそ、たくさんのストレス発散法を持つことをおすすめします。

 

鉄崎:特にお酒には走りやすいですね。

 

若い頃、史上最大の失恋をした時は毎晩テキーラのショットをガンガン飲んで、飲まずにはいられなくなってしまって。

 

今思えば依存症の一歩手前だったかなと思います。

 

井上:「しんどい気持ちを抑えたい」、「何とか目を背けたい」というか。

 

すごくネガティブな感情を抱えているんだということがいまいち理解されていませんね。

 

鉄崎:決して飲んでいてもハッピーにはならないんです。

 

どんどんネガティブになって結局、翌日二日酔いで悪循環だったな〜。

 

堀ちゃんはどう?

 

堀:お酒は楽しく飲みたいので疲れた時のご褒美に飲んでいます。

 

鉄崎:健康優良児やな(笑)。

 

井上:お酒だけでなく、過食も病名こそついていないものの依存症に似たようなところがあります。

 

だから依存症は特別なことではありません。

身近な人が依存症になってしまった時の対処法は?

井上:「3つのステップ」を意識してほしいと説明しています。

 

まず1つ目はかける言葉を気をつけなければいけません。

 

治療が必要な状態なので「気合いで乗り切れる」、「そんなの気持ちの問題だ」という風に絶対に言わないことです。

 

次に2つ目として、依存している時間を別の時間に置き換えるサポートをしてあげてください。

 

お酒やギャンブルを止めさせようとしても正直なかなかうまくいきません。

 

依存症の人はストレスを解消する手段を持っていなかったり少なかったりする人が多いので「家で簡単な家事をあえてお願いする」、「一緒に買い物に行くことを誘う」、「好きなことを一緒にやる」などできるだけ酒やギャンブルに触れない時間を周りが作ってあげることが大切です。

 

鉄崎:なるほど。

 

井上:3つ目に「相手を肯定する姿勢で接する」ことです。

 

依存症の患者さんはどうしても周りから煙たがられて孤立してしまうことが非常に多いです。

 

だからこそ先ほど話した内容にも繋がりますが「家事をしてくれてありがとう。助かったよ」や「一緒に出かけて楽しかったよ。付き合ってくれてありがとう」など、あえて言葉にして相手を肯定してあげることで、お酒やギャンブル以外のほかのことでも楽しめる時間はあるんだと気付かせてあげてほしいです。

ストレスの多い新年度をラフに過ごすコツ

鉄崎:新年度がスタートしストレスが溜まりやすい時期です。

 

楽しく前向きに過ごす3つのコツを教えてください。

1.睡眠時間をいつもより長く

井上:1つ目は睡眠です。

 

新生活は忙しくて睡眠時間を削って頑張ってしまう人が多い印象です。

 

今までより1時間くらい睡眠時間を多く取ることから始めて、新しい環境で頑張れるエネルギーを貯めてください。

 

鉄崎:堀ちゃんは最近眠れてる?

 

堀:実は眠れていないんです。プレッシャーがかかると眠れなくなってしまって...。

 

新社会人の中にもプレッシャーで眠れなくなっている人が多いんじゃないかなと思います。

2.周りに合わせすぎない

井上:2つ目は周りに合わせすぎないことです

 

大事なことはその人にとって気楽でいることです。

 

新しい環境になるとつい自分を変えようと「もっと明るい性格にならなきゃ」とプレッシャーをかける人がいますが「自然体でいることの方が重要」だと伝えています。

 

鉄崎:新学期や新しい部署、新しい環境で人の輪の中に溶け込まなきゃというプレッシャーはありますもんね。

3.勇気を出して話してみよう!

井上:3つ目は人と話をすることです。

 

慣れない環境で不安になったりストレスが溜まりやすい時期です。

 

ストレスを一人で抱え込まず誰かに話をしてみてください。

 

分かってくれる人がいるだけで気持ちが楽になります。

 

自分で話をするアクションやその一歩を踏み出す勇気を大切にしてください。

 

鉄崎:しゃべってみたら気が合うとか趣味が合う人がいるかもしれませんしね。

 

井上:そうですね。話しかけられ待ちの人は結構いると思うので、ちょっと勇気を出して自分から話しかけるだけで世界は広がります。

 

鉄崎:春の新しいヒントになったと思います。

 

堀:井上先生はX(エックス)で心がラクになれるメッセージも定期的に投稿しています。

 

ぜひこちらも参考にしてください。

 

※2024年4月2日にSBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」で放送したものを編集しています。今回、お話をうかがったのは……井上智介先生


産業医として毎月40社を訪問し、悩める従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話重視の精神的なケアを行う。また、精神科医としてもうつ病などの治療だけでなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやSNS、講演会などでは「ラフな人生をめざすこと」を発信している。

 

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