【以下ニュースソース引用】

こだわり、癇癪、2語文なし…これは発達障害?周囲は「大丈夫」と言うけれど…3歳児健診の結果は【読者体験談】

LITALICO発達ナビ

こだわり、癇癪、2語文なし…これは発達障害?周囲は「大丈夫」と言うけれど…3歳児健診の結果は【読者体験談】

監修:森 しほ

ゆうメンタル・スキンクリニック理事

「発達障害かはっきりさせたい!」と思って臨んだ3歳児健診

現在11歳、小学5年生の息子は、6歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。

 

息子は言葉も遅く、小さい頃からこだわりがあり、室内の灯りは蛍光灯または昼白色でないとダメ、顔が濡れるのもダメで、ダメなものに対しては癇癪を起こしてしまうといった特性らしきものがありました。

 

基本的に穏やかな性格なのですが、3歳頃にはそれらがさらに目立ってきたように感じています。

 

私はそんな息子に「何か特性のようなものがあるのでは」と思っていたのですが、身内や周りに息子の困っていることを相談しても「何も気になる事はないけれど」と言われるばかりで、私が気にしすぎなのだと受け取られているようで、もやもやしていました。

 

そのため、私は(特性があるのならハッキリさせたい!)という気持ちが強くありました。

 

ですので、3歳児健診へは(何か指摘されるだろうな。これで発達障害か分かる!)と気合たっぷりでした。

健診当日は不機嫌MAX! 嘔吐にギャン泣きで大パニックに

健診前日の夜、よりによって息子は全然寝ついてくれませんでした。

 

やっと寝たと思ったらすぐに朝を迎えてしまい、起きたら出発予定時間ギリギリ!

 

 慌ててタクシーで向かったものの、息子はぐずり、さらにはガッツリ車酔いしてリバース……。

 

万全の体制で向かいたかったのが、健診会場に着く前からボロボロでした。

 

 

なんとか会場に着いたあとも、息子はリバースした事やら眠たいやらで不機嫌MAX!

 

 同じ保育園のお友達も何人かいたのですが、そのお友達家族の前でも少し嘔吐してしまい、それが息子の中でショックだったようで、ギャン泣き……。

 

ですが、少しずつ落ち着いてきて、機嫌よく……とはいかないまでも、それなりに検査は済ますことができました。私はげっそり、疲れ切っておりました。

「個別にお話があります」と言われ、別室へ

そして一通りの検査が終わったあと、「個別にお話があります」と声をかけられました。


私の感想は「やっぱりな」でした。

 

 

これで息子が何に困っているか分かる、どうすればいいか分かる、そして同時に身内などが言っていた「大丈夫、問題ない」の言葉にモヤっとしていた日々も終わるかもしれないとホッとしました。

 

保健師さんから指摘されたことは、2語文がほとんど出ない、コミュニケーションがとれないといった言葉に関するものでした。


また、英語に興味があって英語の動画をよく見ていた息子は、その中のセリフを完璧に覚えていて独り言のように発していました(恐らくエコラリアだと思います)。


「英語はよく覚えているみたいだけど、日本語がね……」と言われ、親としてもそれには完全同意。

 

私は藁をもすがる思いで「どうしたらいいのでしょう……?」と尋ねました。

保健センターで新版K式発達検査を受けることに

保健師さんから、その日は子どもの機嫌が良くなかったことから、再度検査をしましょうと提案され、その後は保健センターへ行き新版K式発達検査を受けました。

 

保健センターでの検査は機嫌よく受けることができました。

 

検査をされた方が言うには「カレンダーを見ながら数字を英語で言っていた」そうです。

 

結果、実年齢より1年半程度発達が遅れていると言われました。

 

私はショックなどはなく、療育の話もいただいたので「息子のためにできることをしよう!」と前向きに考えることができました。

 

療育へつながることができて

療育は月2回、保育園に行きつつ通うことになりました。


新しい環境にもさほど戸惑うことなく、むしろ楽しくそうでテンションが上がってた息子ですが、通っていくうちにプログラムも落ち着いてこなすようになり、徐々に先生とのコミュニケーションも取れるようになってきました。

 

年長になる頃には、民間の発達支援施設にも通うようになりました。


最初息子は、取り組み始めたプログラムは最後まで終わらせないといけないというこだわりがあり、途中でお手洗いに行きたくなっても行けなくて泣き出す……といったこともありましたが、通園が終わる頃には本当に落ち着いてきました。

 

私も息子が発達支援に通うようになってからはほんの些細なことでも、息子がやり遂げるとものすごく嬉しくなってたくさん褒めていました。

 

息子が失敗しても「なんでできないの?」とはならず、当たり前のように「次頑張ろうね」と言えるようになっていました。


やっとつながった療育は親子共にいい影響を与えてくれました。

 

たくさんの人に愛されるように!

現在小5になる息子は、特別支援学級で楽しく過ごしています。

 

授業の内容もしっかり理解しており、交流学級での授業(理科、体育)も頑張っています。

 

英語、野球、工作と、好きなこともバラバラですが、将来どのような道に進むのか、親としてどう導いていけばいいか、悩ましくも楽しみにしています。

 

息子は私が少し体調を崩すと、頭やお腹(痛いといった箇所)を撫でてくれるような優しい子です。

 

その優しさとユーモアを忘れることなく、たくさんの人に愛されるよう願っています!

 

イラスト/星河ばよ


エピソード参考/あきっち

 

(監修:森先生より)


お子さんの興味がある事・得意な事を褒めて伸ばして応援することができていて素晴らしいですね。

 

「大丈夫、問題ない」という言葉は、周囲の人としては励ましの意味で言っているのかもしれません。

 

残念ながら、「発達障害」という言葉にネガティブなイメージを持つ人もまだまだいるのでしょうね。

 

しかし、大切なのは「大丈夫かどうか」「問題があるかどうか」ではなく「どうしたらお子さんがもっとのびのびと自分らしく過ごせるか?

 

 興味や得意を伸ばせるか?」という視点ですよね。

 

また、お子さんのように、思いやりの心を持つためには、共感力を育てることが重要です。

 

相手の気持ちを想像する力や、思いやりを表現するスキルを身につけるのにも、療育のプログラムを上手に使っていけるといいですね。

 

(コラム内の障害名表記について)


コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

 

神経発達症


発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。


知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。


※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

 

ASD(自閉スペクトラム症)


自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。

 

ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

【関連記事】

 記事へのご意見最終更新: 

 

LITALICO発達ナビ