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【適応障害は「甘え?」「性格?」】新入社員が非難されやすい「適応障害」の特徴とは?

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ダイヤモンド・オンライン

Photo: Adobe Stock

 

 「新入社員が非難されやすい『適応障害』の特徴とは?」

 

 そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。

 

「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。

 

(構成/種岡 健)

 

 ● 新生活のリスク

 

  みなさん、新しい生活に徐々に慣れてきましたか。

 

  4月はどんな人でも変化の起こりやすい時期です。

 

それゆえに、病みやすいリスクのある時期でもあります。

 

  そこで、そんな変化によって起こりやすい病気、「適応障害」について共有したいと思います。

 

  病気について知っておくことで、さまざまな予防にもつながりますので、よろしければご一読ください。

 

 ● 適応障害ってなに?

 

  適応障害とは、環境に適応できず、ストレスが増えることによって心身に影響が出て、生活に支障が生じる状態のことです。

 

  環境の変化によって生じる問題であるため、「甘えてるだけ」「性格のせい」などの「本人の問題」とされてしまう場合も多く、放ったらかしになったり、自分で解決できない問題として、だれにも相談できず、より一層自分自身を追い詰めてしまいます。

 

  そんな適応障害は、以下のようなストレスで引き起こされる心身の不調として現れます。

 

 心の症状:気分の落ち込み、不安感、モチベーションの低下、集中力の欠如、記憶力の低下

 

 身体の症状:不眠、食欲不振、仕事へ行く際の動悸、吐き気、めまい、手の震え

 

 行動の変化:飲酒や喫煙量の増加、イライラや暴力的な行動、休日でも仕事のことばかり考える

 

  このように、まるでうつ病のように気持ちが落ち込み、心身に症状が出るのが適応障害なのです。

 

 ● 「適応障害」はどうして起こるの?

 

  適応障害の原因は「ストレス」です。

 

  どんなストレスを感じるかは人にとってそれぞれですが、仕事や家庭、学校での生活など、日常におけるストレスによって適応障害は生じます。

 

  そんなストレスは、生活や環境の変化によって生じやすくなります。

 

  たとえば、単身赴任が急に決まって家族から離れなければならなくなったり、中学生から高校生になって友人と離れてしまったりと、環境が変わることで起こりやすくなります。

 

  また、意外かもしれませんが、新しい職場への入学や、結婚や昇進など周囲からすれば喜ばしい変化でも、ご本人にとってはストレスの原因となりえます。

 

  そんなストレスによって憂鬱な気分になってしまったり、体調を崩してしまったり、不安を感じやすくなったりと、環境に「適応」していくことに「障害」を感じるようになってしまうのが適応障害という状態なのです。

 

 ● 「適応障害」の解決方法は?

 

  そんな適応障害ですが、解決方法はシンプルにいうならば「ストレスの影響を減らす」ことが重要になります。

 

  ストレスを減らすためには、ストレスの原因を特定することが何より大切です。

 

  何がストレスの原因なのかを明確にすることで、適切な対策を立てやすくなります。

 

 あなたのストレスが人間関係によるのか、業務の量によるのか、残業時間や拘束時間によるのか、経済的な理由かなど、ストレスの原因を特定するというのは、ときに苦痛を生じるものですが、対策を取るために一度振り返ってみてください。

 

  ストレスが特定できたなら、そんなストレスを取り除けるか、解決策を考えてみましょう。

 

職場の人間関係に問題がある場合は、部署を変えたり、転職を考えたりすることが有効です。

 

  また、仕事の量が多くてストレスを感じているなら、業務の割り振りを見直したり、効率化ツールを導入できるかなど、より広い情報を得るために視野を広げてみるといいでしょう。

 

  それでもどうしてもストレスを取り除けない場合には、休養を取ることで解決される場合があります。 

 

 実際に精神科や心療内科を受診して、休職することによって、再び元気に働けるようになっている人も多いです。

 

  適応障害は、原因から離れることで改善されることが多いため、無理をせずに必要な休息を取ることが大切です。

 

  また、働いているときには話も聞いてくれない会社でも、休職によって問題を表面化することによって、働く環境や働きかたを会社が変えてくれる場合もあります。

 

  ストレスフルな環境にいると、視野が狭まり、解決方法があっても気付けなくなってしまうので、考えて自分の将来を見つめ直す時間を作るためにも、ときには休養が必要になるのです。

 

  現代社会はストレスが溢れるストレス社会とも言われています。

 

  新入社員だけでなく、誰もがストレスによる心身の不調を経験する可能性があり、どんな人でも適応障害は起こります。

 

  そんなストレス社会に立ち向かうためには、自分一人で解決しようとせず、ときには助けを求める勇気を持つことも、適応障害を乗り越えるためには必要なのです。

 

 (本稿は、『 頭んなか「メンヘラなとき」があります。』 の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)

 

 精神科医いっちー 本名:一林大基(いちばやし・たいき)

 

 世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医 1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。

 

精神科医いっちー

 

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